大杉緑とは俺様だ（完結）

第1章 非凡なる学生

9、本気を出した

大杉緑ってどこにいますか？探してます。
なんて、よくあることだ。
俺を探している人はよくいる。いい意味でも悪い意味でも。

ということで、俺は大学を女遊びに呆けていて留年した。
そのおかげか、法律の勉強をちゃんとしろという命令が両親から下された。

女遊びをしている時は楽しいのだが、終わってみるとなんとも空虚な気分になった。
今は大学生という身分をしているが、このまま卒業だけしても、俺がなんの称号もない無人になるような気がした。
気を取り直して、勉強してみることにした。
そう思ったって、弁護士なんて軽くなれるもんじゃないとは知っている。
俺は大学を卒業してしまった。
しかし、家庭教師について3年、合格した。

その一方で、社会主義活動は疎かになっていた。
果たして俺は何をしたくて生きているのか迷っていたのだ。
俺としたことが。。。

そんな、司法を学ぶ学生になったときに、久保と再会した。
あいつはミツと結婚して、普通のサラリーマンいなっていた。

「お前は、いい女房をもらったな。」
「ああ。でも、あいつ、最近また活動したいっていうんだ。赤ん坊がいるのに。」
「新聞の？」
「いや、社会主義活動だよ。」
「子供はどうしてるんだ？」
「母さんが見てるよ。でも、チクチク言われてる。」
「ミツはなんでこだわってるんだ？」
「俺だって知らないよ。産んだら、変わったんだ。」

その話を聞いた時、運で変わったのは久保の方じゃないかと思った。
平和な家庭に治りたくなった久保。その一方で、ずっと活動したかったミツ。
俺は、どこかで俺の方がミツにお似合いじゃないかと思っていたんだ。
だから、久保の発言を聞いて、真っ先にミツに会いに行こうと思ったのだ。

久保が働いている時間に、久保の家を訪れた。
「あら？大杉さん」
「なあ、ミツ、ちょっと出て話さないか？」
「え？」
「俺と活動しよう。」

俺は言ってしまった。俺の奥底に潜んでいた想いを。

いつになく真面目な話をしてしまった。
今日はこの辺りで。さらばである。