大杉緑とは俺様だ（完結）

第3章 新しい女性関係を構築する

21、結婚式

俺の名前は大杉緑。結婚を控えた身だ。

結婚式はあっという間にやってきた。
たくさんの招待客が来て、それは疲れた。

本音を言うとサチは綺麗だった。
でも、綺麗と好きは違うんだってわかった。
寄木細工が綺麗と感じるように、でも俺は寄木細工のカラクリが嫌いだ。
そう言うもので、サチの泣いたり笑ったりする結婚式での姿に拍子抜けした。
もっと淡々に参加するかと思ったのだ。

参列者に吉田がいても何にも無かったよにしていた。
それも、不思議な気がした。
俺は参列者の佐藤愛がとても気になった。
佐藤愛だって数年以内には藤原嫁になるわけだが、それにしても彼女がここにいるのは居心地が悪かった。

そして、ちょっと目が合った時、佐藤愛は泣きそうなニコニコした顔をした。

「さて、こちらのお二人、大変お似合いでございまして、新郎は弁護士、新婦は職業婦人を惜しまれながら退職されるというみなさまが憧れる夫婦でございます。今一度盛大な拍手を。」

何も、偉くもない。親父のおかげで視覚がとれた俺。
親のコネで会社勤めしていたサチ。
とんだ猿である。馬鹿な猿である。

なんだかよくわからんやつがスピーチしてる時にサチが話しかけてきた。
「ねえ、緑さん。」
「どうした？」
「うちの親族たくさんで疲れるでしょう？」
「お互い様だよ。まあ、こう言う時じゃないと集まらないし。」
「あなたの職業にも関連する方多いのよ。」
「親父が構築してるから、もういいよ。」
「こうやって、場を作ってあげているのに、あなたは感謝もしないのね。」
「って、感謝って。今日は結婚式で。」

そういうと、サチはムクれた顔をした。

結婚してしまった俺だが、結婚式がこんなにも興醒めするものだとは考えていなかった。
俺は、俺らしく生きてきたのに、どうしてどこで間違ったんだ。
こうやって、所帯を持って、埋もれていくのだろうか。

と言うことで、許はこのあたりで失礼する。さらばである。