大杉緑とは俺様だ（完結）

第3章 新しい女性関係を構築する

23、俺の癒し佐藤愛

俺の名前は大杉緑だ。
結婚をした。
そこまではなしたな。

さて、新生活というのはなんとも難しいものだ。
サチが仕事を辞めたので、朝は朝食を作ってくれることになった。
しかし、嫁入り修行をしたとはいえ、料理はからっきしだった。
日数が経つにつれ、パンを買ってきたり、実家の女中が作ったものを出したりした。

時間があるのだから、修行でもすればいいのに。と思った。
しかし、これは大きな言えることが、俺に対して愛情がないから、そういう欲求もないのかもしれないと思った。

そのうちに、朝はコーヒーだけ飲んで、会社に行くようになった。

「緑さん、こちら書類です。」
「ああ、ありがとう。」
相変わらず、地味ではあるが可愛い佐藤愛である。
「なあ、佐藤さん、朝食はどうしてる？」
「あ、下宿の女将さんに作っていただいてます。」
「下宿はいいね。」
「でも、緑さん新婚だし。」
「うちはからっきしなんだ。料理が。」
「じゃあ、私が簡単なもの作ってきましょうか？」
「だって、下宿で出るんだろ？」
「ああ、もちろん、下宿の出るものを増やしていただいて、それに私の料理をちょこっと。」
「そこまでしてもらって悪いな。」
「いいんですよ。私も料理の修行になるし。」

ああ、藤原は幸せ者だなと思った。
数年ごとはいえ、彼らは結婚する。
その結婚はうまく行くように思えた。

「これから作ってもらうお礼に、お昼を奢るよ。」
「いいんですか？」

俺は定食屋に佐藤愛を誘った。
「本当に、定食屋さんて美味しいですね。」
こういうちょっとしたことで感動してくれるのが可愛いと思うのだ。
サチはなんで定食屋なのとかいうんだと思う。

「あの、緑さん。」
「ん？どうした？」
「結婚したから、私とあまりいない方が。」
「その反対だよ。」
「え？」
「愛のない結婚生活は本当に困るね。」
「でも、好きになったから結婚に」
「まあ、最初はね。どこかで掛け違えたんだ。」
「じゃあ、時々、お食事していいですか？」
「もちろんだよ。」

ああ、なんと可愛いんだ、佐藤愛。
抱きしめたいくらいだよ。
新婚なのに、他の女にクラクラきている自分に一方で嫌気もさしていた。

ということで今日はこの辺りで失礼する。
さらばである。