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第4章 結婚して変わったこと
3、吉田とサチ
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大杉緑とは俺のことだ。
俺はわざと吉田とサチをくっつけるようなことをした。
翌朝、起きると吉田はいなくなっていた。そして、俺はソファで寝ていた。
「あ、おはよう。」
「あら、あなた日曜だからって遅いですよ。」
サチは心なしか浮き足だって見えた。
「あの、吉田に送ってもらったと思うんだけど。」
「ああ、いらっしゃって、夜中にお帰りになったわ。」
サチ、夜中には吉田は帰れないんだ。俺のうちからは遠いからな。
でも、そんなことお構いなしなんだな。俺にも嘘をつくくらい楽しかったのだろう。
「俺もあんなに飲んでしまうことなんてないんだけど、吉田だと心を許してしまってな。」
「いいんじゃない。今度はお家に呼んでみたら?」
ああ、それもいいだろう。多分、つまみは百貨店の惣菜だろうけど。
「なあ、吉田と会って楽しかったか?」
「あなたが酔っていて、あまり話さなかったわ。」
「そうか。」
「吉田さん、昇進したそうね。」
「あいつは、仕事ができるからな。」
「あなたも仕事頑張らなきゃね。」
「まあ、俺は親父のをついでるからな。そのうち、昇進するよ。」
サチをよく見てみると、薄化粧していた。
「今日、出かけるのか?」
「うん、女学校時代の友達とカフェーに。」
「日曜に?」
「どうかした?」
「俺が休みの日に出かけるの」
「いつだって、あなたが私の予定に合わせてくれたことはなかったじゃない。」
そう言って、サチは出かけてしまった。
そうだ。俺は好き勝手にしていた。
こうやってわかっていくんだ。
でも、もう遅いんだ。俺とサチの修復は。
だからこそ、サチが楽しんで欲しいと思って、吉田を連れてきた。
暇になった俺は吉田の家に行った。
「ああ、入っていいよ。」
一人暮らしをしている吉田の家に入った。
「お前に悪くてな。」
「何でだ?」
「その、サチさんと」
「言わなくていいよ。今日はサチ、機嫌良かったし、今度は家に呼びたいって。」
「お前は大丈夫なのか?」
「俺にはもうサチを幸せにすることはできなさそうだ。」
「どうして?」
「もうかけちがったボタンは戻せないんだよ。」
「どうして?」
「うん、もうダメなんだ。」
吉田ははにかんだ表情をした。
俺のせいで、吉田もすまない気持ちを抱いている。
でも、惹かれる2人の後おしをしたいと思っていた。
一方で、俺はこれからの生き方に迷いを感じていた。
俺の本当にしたいこと、それをこういった出来事で考え始めたのだった。
ということで、今日はこの辺りでさらばである。
俺はわざと吉田とサチをくっつけるようなことをした。
翌朝、起きると吉田はいなくなっていた。そして、俺はソファで寝ていた。
「あ、おはよう。」
「あら、あなた日曜だからって遅いですよ。」
サチは心なしか浮き足だって見えた。
「あの、吉田に送ってもらったと思うんだけど。」
「ああ、いらっしゃって、夜中にお帰りになったわ。」
サチ、夜中には吉田は帰れないんだ。俺のうちからは遠いからな。
でも、そんなことお構いなしなんだな。俺にも嘘をつくくらい楽しかったのだろう。
「俺もあんなに飲んでしまうことなんてないんだけど、吉田だと心を許してしまってな。」
「いいんじゃない。今度はお家に呼んでみたら?」
ああ、それもいいだろう。多分、つまみは百貨店の惣菜だろうけど。
「なあ、吉田と会って楽しかったか?」
「あなたが酔っていて、あまり話さなかったわ。」
「そうか。」
「吉田さん、昇進したそうね。」
「あいつは、仕事ができるからな。」
「あなたも仕事頑張らなきゃね。」
「まあ、俺は親父のをついでるからな。そのうち、昇進するよ。」
サチをよく見てみると、薄化粧していた。
「今日、出かけるのか?」
「うん、女学校時代の友達とカフェーに。」
「日曜に?」
「どうかした?」
「俺が休みの日に出かけるの」
「いつだって、あなたが私の予定に合わせてくれたことはなかったじゃない。」
そう言って、サチは出かけてしまった。
そうだ。俺は好き勝手にしていた。
こうやってわかっていくんだ。
でも、もう遅いんだ。俺とサチの修復は。
だからこそ、サチが楽しんで欲しいと思って、吉田を連れてきた。
暇になった俺は吉田の家に行った。
「ああ、入っていいよ。」
一人暮らしをしている吉田の家に入った。
「お前に悪くてな。」
「何でだ?」
「その、サチさんと」
「言わなくていいよ。今日はサチ、機嫌良かったし、今度は家に呼びたいって。」
「お前は大丈夫なのか?」
「俺にはもうサチを幸せにすることはできなさそうだ。」
「どうして?」
「もうかけちがったボタンは戻せないんだよ。」
「どうして?」
「うん、もうダメなんだ。」
吉田ははにかんだ表情をした。
俺のせいで、吉田もすまない気持ちを抱いている。
でも、惹かれる2人の後おしをしたいと思っていた。
一方で、俺はこれからの生き方に迷いを感じていた。
俺の本当にしたいこと、それをこういった出来事で考え始めたのだった。
ということで、今日はこの辺りでさらばである。
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