大杉緑とは俺様だ(完結)

有住葉月

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第4章 結婚して変わったこと

2、面倒になったので

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俺の名前は大杉緑だ。
サチがとてもヒステリックで行きた心地がしない。
そこで、俺は考えた。
だから、吉田に連絡を取った。


「久しぶりだな。」
「ああ、大杉も幸せ真っ只中じゃないのか?」
「うーん。サチの結婚相手は吉田がやっぱりよかったかもな。」
「そんなこと言うなよ。俺だってそうなりたかったよ。」

バーで静かに飲んでいる。

「なあ、ちょっと吉田に提案があるんだ。」
「何?」
「お前、まだサチに気持ちがあるか?」
「夫のお前に言うのか?」
「そうだ。」
「俺は、サチさんのことがまだ忘れられない。」
「それはよかった。」
「何がいいんだよ。かわいそうだろ。」
「実はお前にお願いしたいんだ。」
「何を?」
「俺、サチとうまく行ってないんだ。」
「それはお前が努力することだろ。」
「そうなんだけど、もう色々試したんだ。」
「うん。」
「それでな、お前にサチをお願いしたい。」
「え?どう言うことだ?」
「俺としてはもう、サチを幸せにはできないんだ。」
「まだ1ヶ月だろ。大杉。そんなこと言うな。」
「いや、変な意味じゃないんだ。俺公認で、恋人になって欲しいんだ。」
「そんなことしたら、弁護士の奥様に傷がつくんじゃないのか?」
「うん、だから俺の家にちょくちょくきて欲しいんだ。」
「でも、どうやって?」
「まず、今夜から。」
「え?今夜?」
「俺はもうちょっと多く酒を飲む。だから俺を連れて家に一緒に来て欲しいんだ。」
「それでどうするんだ?」
「俺は酔い潰れる。サチと話をして、その後に行為に至ってもいい。」
「なんでそんなこと言うんだ。」
「サチをもう、幸せにはできないんだ。俺には。吉田頼む。」

そういうと、吉田はしばらく考え込んで、黙っていた。
酒もカラカラ言わせるだけで飲まなかった。

「なあ、大杉」
「ん?」
「俺、本当にサチさんのこと好きなんだぞ。」
「それは知っている。」
「万が一、奪うことになってもお前は平気なのか?」
「俺は何の条件もないよ。だから、お前がすまないと言う思いをしなくていい。」
「じゃあ、今日、お邪魔するよ。」

吉田はよく考えて、我が家に来てくれることになった。
俺は、サチと吉田がもし行為に至った時のためにたくさん浴びるように酒を飲んだ。
そして、家に吉田が連れて帰ってくれたのだ。
2人がどうなったのかはまたの機会に。
今日はこの辺りで。さらばである。
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