望月アグリと申します

有住葉月

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第4章 新しい関係

5、勇蔵さんとマスオ

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望月アグリと申します。実は結婚してからわかったことなのでうすが、夫の弟と自分の弟が同級生というなんという偶然がありました。

今日はそのエピソードについてお話ししたいと思います。

ある日、妊娠8ヶ月の大きなお腹になった私の部屋をノックする音がしました。
トントン。
「はあい。」
「姉さん、入っていい?」
「勇蔵さん、どうぞ。」

扉を開けると、そこには勇蔵さんとマスオがいました。
「え?なんでマスオ?」
「姉さん、知らなかったの?僕と勇蔵君は同級生なんだよ。」
「あら、そうだったの?」
「さ、部屋に入れて。」

マスオは私の好物の羊羹を持ってきました。
「あら、美味しそうね。」
「姉さんが好きな店で買ってきたんだよ。」
「久しぶりだわあ。」

女中さんに切り分けてもらって、余った分はみなさんで食べていただくようにしました。

「あー美味しい。マスオ、久しぶりね。」
「姉さん、昼間に家に遊びにくるから、いつも会えなくてね。」
「マスオ君に僕から、うちに来たらって言ったんですよ。」
「勇蔵さんに気遣っていただくなんて、申し訳ないです。」

「姉さん、僕と勇蔵さんは大学も同じところが志望なんだよ。」
「あ、理系の?」
「そう。僕は弁護士っていう柄じゃないだろ。」
「でも、お母さん、悲しまないかしら?」
「もう、言ってあるよ。でもね、僕が群馬から離れてしまったら、母さん1人になるだろ。だから、東京に母さんを連れて行くかもしれない。」
「それってお母様に言った?」
「ううん。」
「多分、お母様、群馬に残ると思う。」
「どうしてそう思う?」
「マスオが大学に行ったら、自由に生きてみるってお母さん言ってたから。」
「自由ってなに?」
「お母さん、今お花の免許皆伝したでしょ。お花の教室を開きたいんだって。」
「僕にはそんなこと言ってくれてなかった。」
「あなたの勉強の邪魔になっちゃイケナイって思ったんじゃないの?」

ちょっと険悪になった私たち2人を見て勇蔵さんが言いました。
「マスオ君、人間は皆んな個人だから、気をわなくていいと思う。結婚してこっちに帰ってきたら、同居するとかそういう夢に変えてもいいんじゃないかい?」

さすが、勇蔵さんです。
マスオは納得したようでした。

「じゃあね、マスオ、ありがとう。美味しかったし、楽しかった。」
「姉さんも、体大事にして。」

ふと訪れた2人の弟に嬉しい時間でございました。
ということで本日は失礼しました。お粗末様でした。
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