運命の番が解体業者のおっさんだった僕の話

いんげん

文字の大きさ
20 / 33

エンペラー探偵 佐藤

今日も嫁の事件が俺を、呼んでいる。
嫁のパンツに隠された2億の指輪を適切に処理する。
そして泥棒野郎を嫁に近寄らせない。

それが今回のミッションだ。

まず評判の悪いオークション主催者と連絡をとる。
ホテルの一室に呼び出した。
奥の寝室からは、早瀬の源との交渉が聞こえてくる。
源を捕まえた早瀬には、あえてそこに居てもらっている。
「うあああ!!くっ…あっ…駄目だ!!違う!俺は…くっ…やめてくれぇ!」
貿易会社の満福社長が、源の声に興味を持ちながらも、ビビっている。
丸々と太った体が縮こまっている。

満福をソファに座らせて、俺はその後ろから奴の耳元で囁いた。

「よくも俺の結婚報告会を邪魔してくれたな」
満福の体が目に見えて震えだした。
そして、うちの警備が取り返してやったぞ、と指輪を出す。
満福の太った指が指輪に触れようとした時…

「ああ!!うぅ…やめろぉ……もう……」
源の元気な声が聞こえてくる。
満福が手をおろした。

俺は指輪をつまんで満福の顔の横で眺めた。
「ところで、ウチの嫁がこれを気に入ったらしいんだが、売ってくれるよな?」
「は、はい…喜んで!!」
指輪をポケットにしまう。
タブレットを取り出し、ダイヤの適正価格から数割引の値段を提示する。
満福の膝の上に、優しくタブレットを置いてやった。

「……いいだろう?」
後ろから満福の肉のついた肩を揉んでやる。
「…も…もちろんです!!」
直ぐに話の分かるやつで良かった。
俺は満福の肩から手を離して、奥の部屋へ向かう。
「お前も一緒に行くか?指輪の代金を払ってくれる奴が居るんだ。」
「はひっ!!」
満福がぴょんと立ち上がり、小走りでソファを回ってこちらに来た。
なんか豚のキャラクターかなんかに見えてきたぞ。

「紹介するぜ…」
奥の寝室ではスケスケのピンクのワンピースを着た源が、大分出来上がっていた。

ゴクリ
満福がつばを飲んだ。
「良かったですね源さん。素敵なβの御主人様ができそうですよ」
早瀬が源に微笑んだ。
「いっ…いやだ!!せめて、貴方が良い!!ずっと憧れてたんです!佐藤様!!」
「満福社長。代金の支払いは源の小切手と、早瀬が調教したあとの源の体とどちらがいい?」
「さっ佐藤様!!」
「金は必要ありません」

「すごいな、源。お前1億3000万でハンマープライスだ」
俺と早瀬で拍手を送った。

よし、一件片付いた。



次は少し時間がかかるかもしれねぇが、夜明け前までには片付けてぇ。いつまでも千歳を航助兄の所に置いておく訳にもいかねぇしな。


狩りを始めよう。
現場の奴らは騒げるお祭りが大好きだ。賞金があれば、もっと白熱するだろう。
結局、源から5000万ほど活動資金を出してもらったしな。
いくつかの防犯カメラの映像と、そこから想像される他の格好をしたモンタージュを作成させた。
都内の多くの探偵事務所にも詳細を送った。
明朝までに、この男を確保し連れてきたものに賞金5000万。

「よぉ。やっと逢えたな」
そろそろ日が登り始めた午前4時。
確保の連絡が入り、早瀬の運転手付きの車で駆けつけると、後部座席のドアが開いて、隣に男が押し込まれた。

「……はじめまして…ご招待頂き光栄です」
男は紺色の着物を着て、髪を撫で付け、まるで噺家のようだ。
眼鏡に従業員服だった防犯カメラの映像とは印象がまったく違う。
さすが泥棒。カメレオンのような男だ。

「俺の嫁が世話になったな。……プレゼントだ。ちゃんと金も払って来た」
洗浄して、相応しいケースに入れた指輪を男に差し出した。
「……あなたの番はとっても可愛いですが、凄く危なっかしい人ですね……ちゃんと繋いで置かないと駄目なんじゃ無いですか??今度は彼が盗まれるかもしれませんよ」
男がケースを受け取り、着物の袂にしまった。
「惚れても無駄だぜ。あいつのものにしてもらえるのは俺だけだからな」
千歳にもらったダイヤのピアスをいじる。
千歳への愛しさで、自然と笑顔が溢れてしまう。
千歳はただのΩじゃないぜ。
俺の運命の番で

パンツに2億入ってる男だからな…。
「…とりあえず、大人しく引き下がります。千歳くんによろしくお伝え下さい」
男が頭を下げて、車のドアに手をかける。
「伝えねーよ。二度と来るな。じゃあな、こそ泥」


つまらない事件を解決してしまった。



ちゃらら~

ララバイ、俺の子守唄

エンペラーなのジゴロなの♪

キングオブαの佐藤、三郎太ぁあ。

嫁の事件を、金と部下の力でサクッと解決

焼きそばの香りとハードボイルドが堪らない♪

キラリと光る左耳のダイヤは嫁の給料1ヶ月分、番の証♪

頑張れ、三郎太


次回予告、役所へ行こう。
感想 26

あなたにおすすめの小説

処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます

ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。 しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。 ——このままじゃ、王太子に処刑される。 前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。 中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。 囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。 ところが動くほど状況は悪化していく。 レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、 カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、 隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。 しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。 周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり—— 自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。 誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う—— ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。

【本編完結済】巣作り出来ないΩくん

こうらい ゆあ
BL
発情期事故で初恋の人とは番になれた。番になったはずなのに、彼は僕を愛してはくれない。 悲しくて寂しい日々もある日終わりを告げる。 心も体も壊れた僕を助けてくれたのは、『運命の番』だと言う彼で…

繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました

こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

【完結】運命の番に逃げられたアルファと、身代わりベータの結婚

貴宮 あすか
BL
ベータの新は、オメガである兄、律の身代わりとなって結婚した。 相手は優れた経営手腕で新たちの両親に見込まれた、アルファの木南直樹だった。 しかし、直樹は自分の運命の番である律が、他のアルファと駆け落ちするのを手助けした新を、律の身代わりにすると言って組み敷き、何もかも初めての新を律の名前を呼びながら抱いた。それでも新は幸せだった。新にとって木南直樹は少年の頃に初めての恋をした相手だったから。 アルファ×ベータの身代わり結婚ものです。

【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。

村松砂音(抹茶砂糖)
BL
第13回BL大賞で奨励賞をいただきました! ありがとうございました!! いつも不機嫌そうな美形の騎士×特異体質の不憫な騎士見習い <あらすじ> 魔力欠乏体質者との性行為は、死ぬほど気持ちがいい。そんな噂が流れている「魔力欠乏体質」であるリュカは、父の命令で第二王子を誘惑するために見習い騎士として騎士団に入る。 見習い騎士には、側仕えとして先輩騎士と宿舎で同室となり、身の回りの世話をするという規則があり、リュカは隊長を務めるアレックスの側仕えとなった。 いつも不機嫌そうな態度とちぐはぐなアレックスのやさしさに触れていくにつれて、アレックスに惹かれていくリュカ。 ある日、リュカの前に第二王子のウィルフリッドが現れ、衝撃の事実を告げてきて……。 親のいいなりで生きてきた不憫な青年が、恋をして、しあわせをもらう物語。 ※性描写が多めの作品になっていますのでご注意ください。 └性描写が含まれる話のサブタイトルには※をつけています。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」さまで作成しました。

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

長年仮番として務めてきましたが、王子は正式な番を娶るそうです

けふ
BL
王都を守る巨大結界は、王族の魔力によって維持されている。 第二王子アデルの傍らには、常に一人の騎士がいた。 近衛騎士レオン。 彼は長年、王子の「仮番」として特別な任務を担っている。 しかし王子は、他国の王女との正式な番契約が決まってしまった。 仮番の役目は、そこで終わるはずだった。 だが結界塔で行われる儀式の中で、 二人の関係は次第に変わり始める。 王族と騎士。 主と臣下。 越えてはならない境界を前にしても、 王子は騎士の手を取る。 「共に立て」 ※オメガバースではありません ※ふんわり読んでください ※なんでも許せる方向け ※イラストはChatGPTさん