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7話 優しいデート

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一体どこに連れていかれるのかしら……。
私は今回のちょっとしたモヤモヤを吹き飛ばしたいので全力で楽しもうと思う。
次の休日、私はアルフレッドさんと一緒に出かけることになった。
今日は二人水入らずで天気も晴天で最高のデート日和だった。
私は新しい服に着替えると待ち合わせ場所に向かった。

「お待たせしました」
「いや、全然待っていない。むしろまだ約束の時間前だよ」
「そうですか。ならよかったです」

今日のアルフレッドさんはシンプルな服装をしていた。
やはり貴族だからあまり派手な格好はしないみたい。
まぁ、アルフレッドさんの場合は派手過ぎても似合わないだろうけれど。

「では行こうか」
「はい」

私たちは早速街へと向かった。
街の大通りは大勢の人たちで賑わっており、私たちも負けじと腕を組んで歩く。
そしてしばらく歩いていると広場に出た。
そこでは色んなお店が並んでいる。
そこで私たちはまず洋服屋に入った。

「へぇー色々なものがあるな。これは珍しい」
「そうですね。私も初めてみました」

そこには見たことのないような変わったデザインの服が並んでいた。

「おっ、これなんか可愛いじゃないか」

彼が手に取ったのは白いワンピースだ。
確かにとても可愛らしいデザインだ。

「どうかな?着てみるかい?」
「そ、それじゃあ」

私は試着室に入ってその服を着てみた。
サイズはピッタリだ。
私はカーテンを開ける。

「どうでしょうか?」
「うん。よく似合っている」
「ありがとうございます」
「よし。次はこれを着てみてくれないか」

私はまた別の服を手に取る。
今度は青いドレスだ。

「綺麗な青色ですね」
「ああ、君によく似合うと思う」
「分かりました」

私は言われるままに次々と服を着替えていく。

「ふぅ、結構疲れますね」
「ははは、それは仕方ないさ。何しろどれもこれも珍しい物ばかりだ。見ているだけでも楽しい」
「確かにそうかもしれません」
「それに君はどんどんと美しくなっていく。俺は見ていて飽きないし嬉しいよ」
「そんなことありませんよ」
「いや、そんなことがある。事実君は美しい」
「……」
「さて、次はどれにしようか」
「あの」
「ん?」
「どうして急にこんなことをするんですか」
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