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1章
1話✳︎
しおりを挟む物心ついた時からこの真っ暗闇で血生臭い世界しか見たことがなかった。私が知っている光はご主人様が私に会いにくる時に見えるあの光だけ。
ご主人様はもしもの時のために知識だけはつけろと私に本をくれた。本を読む時間だけはあの光を見ることができた。新しい知識をつけることは好きだったけど、新しい知識をつければつけるほどこの暗闇の世界の外には何があるのだろうと興味を持つようになった。
「さぁ食事の時間だよ。さっさと食べな」
ベチャベチャっと地面に落とされる異臭のする食べ物。私は食事の時間が嫌いだ。あの時間の次に...
なんでこんな美味しくないもの食べないと行けないの?食事の時間が終われば吐き気が止まらず、激しい腹痛に襲われる。食べなければお母さまの教育の時間が長引いてしまうだろう。私が1番嫌いな教育の時間が...
あぁもうすぐやってくる。
「さぁ教育の時間よ。さっさと服を脱ぎな」
私の目の前に並べられる無数の刃物たち。これでマリア様は私を切り刻んで遊ぶのだ。生まれつき体質がおかしく、どんな怪我でも1日あれば治ってしまう。しかしそれには激しい激痛を伴う。
「さぁ今日はどんな教育をして欲しい?今日は斧を用意してみたの。きっとお前も喜ぶだろう。さぁ腕を出しな」
拒否すればこの時間が長引くと知っている私は恐る恐る腕を差し出した。するとガン!!と大きな音がし転がり落ちる私の右腕...
「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(今...何が起こったの?えっ...腕が...私の腕がない...)
「アハハハハ!!なんて醜い腕なのかしら。私とマイクの中を引き裂いた魔女の子の腕。こんなもの付いていたらあなたがさらに醜くなってしまうわ。醜い腕を取ってあげたのだから、私言うことがあるのではなくって?」
高らかに笑いながら私に問うマリア様。
「あ...りが...とう...ござい...ます」
右腕を必死に押さえながら声を振り絞ってお礼を言う私。
そんな姿を見てマリア様は気分が良くなったのかそのまま部屋を出て行った。
(はぁ、今日は早く終わったわ...最近は痛覚が麻痺して痛みもそんなになかったのに...)
壁にもたれて座り込み、これから来るであろう激痛を待つことしかできない私。
「あぁこの暗闇の世界から抜け出してみたい...」
そんな私のつぶやきは誰かに拾われることもなく消えていった...
それからしばらく立ったある日1人の少女がやってきた。
「醜い子、貴方の新たなご主人様が出来たわよ。貴方の醜い容姿とは違ってなんて可愛い子なんでしょう。やはり私たちを引き裂いたあの女は魔女だったんだわ。でないとあなたがそんなに醜くなるわけがないもの」
「こんにちは、わたくしはベロニカ・デューク・デルガドともうします。これからよろしくおねがいいたしますわ」
そう言って4才ぐらいのとても可愛らしいの金色のウェーブがかかったロングヘアの女の子が私を見下したような目で見下ろした。
「おかあさま、このどれいくさすぎますわ!!わたくしが水で洗って差し上げたいわ!」
「まぁなんて優しい子なんでしょう?確かにいくら奴隷と言えどこんなに臭くては私たちにも臭いが移ってしまいますわ。しかしこんな汚い仕事をかわいい私の娘に任せられません。ここは私がやりましょう」
そう言いマリア様は太いホースのようなものを持ってきて私に水を浴びせた。
あまりの水圧に水が肺に入り、水浴びが終わった後ゲホッゲホッとむせると
「あら、こんな汚い仕事をやって差し上げたのに感謝の一言もなくって?」
顔を顰めて言うマリア様の顔を見て私はすぐにお礼を言う。
「ありがとう...ゲホッ...ございます」
「このどれい7才にもなるくせにお礼が言えないだなんてバカな子ね!!」
「そうね、ベロニカは可愛らしくこんなに賢いのにほんっとに出来が悪い子だこと。今日は教育の時間を長くする必要があるわね。」
(イタイノイヤダ...イヤダイヤダイヤダ!!)思わず顔を青くしてしまう私に気づかず、マリア様はベロニカ様を部屋から退出させた。
「さぁ今日はどんな教育をしてあげようかしら。あっそうだわ...私貴方の声が大嫌いなの。男を誘惑する卑しい声。貴方が余計なことを話せなくなるようにその舌切ってしまいましょうか。」
そう言ってハサミを持ち出すマリア様。抵抗すればさらにひどくなることは分かっているのに、あまりの恐怖に震えが止まらない。
「さぁさっさと口を大きくお開け!そうね...その仮面は邪魔だから今だけ外すことを許可するわ。」
幼い頃からマリア様に言われ着け続けてきた真っ白い仮面。それ外せば
「あぁなんて醜いんでしょう。貴方の顔を見ているだけで吐き気がするわ!!さっさと口をお開け!!」
恐る恐る口を開ければ舌を掴まれ、そして切られた。
「ゔぁぁぁ...がぁぁっ..あ゛ぁぁ」
「これで少しはマシな声になったんじゃなくって?醜い声を無くしてあげたんだから私に言うことがあるでしょう?」
(ハヤクオレイヲイワナイト...マタイタイコトサレチャウ)
「ガァッギィガドォ...ゴホッ...ゴォガァギィガズ」
ガハッガハッ...ポタポタ..
口からの出血が止まらずひたすら血を吐き続ける少女を後にマリア様は部屋から出ていった。
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