25 / 36
1章
24話
しおりを挟む「ルナ、ルヴァ行ってくるわ、しばらくの間留守をよろしくね」
「あぁ任せろ、無事に帰ってこいよ」
「アナ以外の人間と馴れ合う気はないが、アナのための証拠集めとやらには尽力しよう」
二人に送り出され、いざ隣国についてみると空気は重く息苦しい感じがした。
「ここの空気はちょっときついな...」
「ここには精霊避けの結界があるらしいから精霊の力を宿す私たちを拒絶してるのかもしれないわね」
「まぁとりあえずここの街の人に聞き込みでもするか」
「じゃ二手に分かれて聞き込みを行い、ニ時間後にここでおちあいましょう」
そして私は南に向かって聞き込みをし、ロベルトさんは北に向かって聞き込みを始めた。
「何かわかったか?」
「これと言って何もないわ、強いて言うなら精霊避けの結界を張り出したのはここ最近らしいわ」
「っ!それは本当か?」
「えぇ街の人のほとんどが言っていたから間違いないわ」
「実はここだけの話、この国が他の国から国交を切られだしたのはここ最近のことなんだ。切られたって言うよりかはこの国が他国を拒絶しだしたって言った方が正しいが...この国は以前までは痩せた土地ではあったが、その分技術が進歩していたから周りの国とは無いものを補い合っていた」
「それは興味深いわね...これは確実な話ではないのだけれど、この国で前任の国王が殺害されたらしいわ、それも今の国王にね。それも最近ね...もしかしたらこれらのことは全て繋がってるのかもしれないわ」
「どういうことだ?」
「何かが起こって国王が交代し、それによって結界なり国交断絶なりが起こったのだとしたら...もしかしたらこの国に潜入調査に来たのは正解だったかもしれない」
「すまん、全然わからん...」
「...あなた脳筋なの?」
「ステファノよりは脳筋じゃない!」
「まぁいいわ、そっちの情報は?」
「こっちもいい情報を手に入れた。明日ちょうどこの国の騎士団の入隊テストが行われるらしい、ここに受かれば王宮の内部に一歩近づくことができるはずだ」
「そこから上へと昇っていけば上層部に入ることも難しくはないわね」
「そうゆうことだ」
「じゃ今日の調査はここまでにして宿でも探しましょ」
「なぁアナほんとに俺と同じ部屋でよかったのか?」
「気にしなくていいわ、あまりお金も支給されてないのだしここで無駄遣いするのは得策じゃない。」
「なぁロベルトさんじゃなくてロベルトって呼んでくれねぇか?さん付けだと距離を空けられてる感じがする」
「分かった、ロベルトね」
「っ!あぁ!!ありがとう」
その後は入隊テストの概要やこれからの作戦を練り、明日の朝も早いのでお互いに寝ることにした。
「ここが王宮ね」
「そうみたいだな...街はあんなに枯れてたってのに王宮だけはこんな資源の無駄遣いしてこのままじゃこの国は潰れるぞ?」
目の前には金の装飾が至る所に散りばめられた王宮がたたずんでいた。入隊テストの看板がありそちらへ向かうとそこにはいかつい顔をしたガタイの大きな男ばかりがいた。
「おいねぇちゃん、ここはお前みたいな女が来るとこじゃねぇよ。それともあれか?俺みたいなやつに痛ぶられるのが好きなどえむちゃんかなぁ?」
にやにやと舐め回すような視線を向けてくる男にロベルトが何か言おうとするが、
「私はここの騎士になりたくてきたの、そんな舐めた口を聞いてると痛い目をみますわよ?」
「っは!ずいぶんとでけぇ口叩くじゃねぇかよ、まぁいいさ、あとで俺がたっぷりと相手してやるから待ってな」
ここの入隊テストは簡単だ。入隊希望者達がトーナメント戦で戦いトップになればいい。ルールは簡単相手を戦闘不能にするだけ、そこには生死も問われない。なんとも腐ったルールだ。トーナメントは当日のくじ引きで決まるため当日参加しようが別に問題はないし身分だって証明する必要はない。用は強ければだけでも騎士になれるってわけだ。今回ロベルトとは別のリーグであったためホッとした。今回リーグは8つあるので入隊できるのも8名ということだろう。
結果は簡単私とロベルトは圧勝だった。精霊除けをしてる時点で精霊に愛されている私たちに勝ち目なんてない。向こうは魔法を使うたびに魔力が消耗されていくのに対して私たちは魔力なんて消耗しないのだから誰が勝つかなんて火を見るより明らかだ。
「お疲れアナ」
「ロベルトもお疲れ様、これで内部には入れたようね」
「あぁ第一関門は突破ということだろう」
「申し訳ありません、あなたはアナ様でございましょうか?」
ロベルトとお互いが内部に入れたことに少し安心していると見たことのない中年ぐらいのおじさんが話しかけてきた。
「えぇそうですが...」
「実はシュリウス国王があなたを呼んでおります。」
「っ!すぐに伺います、案内をお願いしても?」
「おっとすいません、呼ばれているのはアナ様のみ。ロベルト様はここにいてもらいます」
(まさか潜入捜査がバレたの?いやそんなはずはない...身分を証明するものなんて持ってきていないし...いや待って、もし仮にこの国と私たちの国が繋がっているとしたら?最初から情報漏洩がなされているのならバレているのかもしれない。でもなんで私だけなの?向こうが情報を漏らしたのならロベルトだって呼ばれるはずなのに...)
考えても答えには辿り着けそうにもなかったため、そのまま国王の元に案内してもらうことにした。
「お主がアナだな?」
「はい、国王陛下」
「実はな、他国からお主がスパイであると言う報告が入っている」
(っ!やっぱり繋がってたか...ロベルトのことを言わなかったのはただロベルトを失いたくなかっただけね)
「だがスパイもまた一興、国ともなればスパイも紛れ込んでくるだろう。そこで我はお前とゲームがしたい」
「ゲーム...ですか」
「あぁそうだ。お前が知りたいのはこの国の闇、お前が思っている以上にこの国の闇は深いだろう。代々国王というのはその闇に飲まれ病んでいく軟弱者ばかりだった。そんなやつを我は殺しこの地位についたのだが、この人生は些か退屈でな、お前には我を楽しませて欲しい。お前がスパイ活動をしやすいようにお前には国王補佐という地位をやろう。これでこの国の闇を暴いてみよ、ただし期間は半年。この半年でこの国の闇を暴けぬようならお主の運命はそこまで、スパイとして死んでもらう。せいぜい我を楽しませてくれよ?」
「どういうことだよそれ!」
国王陛下との拝見が終わり、何が起こったのかをロベルトに説明した。
「やっぱり私を殺す気だったのね...」
「クソっ!でもこの国の国王は半年の期間をくれたんだろ?絶対に見つけ出してやろうぜ、この国の闇ってやつを」
「えぇ、その気持ちは山々だわ。けれどこの任務私1人では難しい...だからロベルト改めてお願いするわ、一緒にこの国の闇を暴いて。きっとこの任務は命懸け、今ならあなたはここから逃げることだってできる...それでも私はあなたに手伝って欲しい」
「何当たり前のこと言ってんだよ、一緒に生きて帰るって約束しただろ?アナは国王補佐っていう地位があるから今から動けるだけ動いて欲しい、俺はすぐに騎士団長まで上り詰めて、そっから情報収集できるようにする。それまでは何の役にもたたねぇけど俺はここからお前を置いて逃げたりはしねぇよ」
「ロベルト...ありがとう‼︎」
「ほんと今更すぎんだよ...でも俺を頼ってくれてありがとな、すっげぇ嬉しかった...一分一秒でも今は惜しい、だからとっとと寝るぞ」
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
最初からここに私の居場所はなかった
kana
恋愛
死なないために媚びても駄目だった。
死なないために努力しても認められなかった。
死なないためにどんなに辛くても笑顔でいても無駄だった。
死なないために何をされても怒らなかったのに⋯⋯
だったら⋯⋯もう誰にも媚びる必要も、気を使う必要もないでしょう?
だから虚しい希望は捨てて生きるための準備を始めた。
二度目は、自分らしく生きると決めた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
いつも稚拙な小説を読んでいただきありがとうございます。
私ごとですが、この度レジーナブックス様より『後悔している言われても⋯⋯ねえ?今さらですよ?』が1月31日頃に書籍化されることになりました~
これも読んでくださった皆様のおかげです。m(_ _)m
これからも皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします(>人<;)
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる