【R18】クラス転生で俺のスキルが【万物配送(アー・マ・ゾーン)】?じゃあ勇者が泥水すすってる間に、現代物資で聖女と××します

のびすけ。

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第1章 白濁の聖女、甘やかなる堕落

ファースト・キスは、コーラの味

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(……キス。わたくしが、男の人とキス……?)

サオリの思考が凍りつくのと、カイトの顔が近づくのは同時だった。
逃げようと思えば逃げられたはずだ。
だが、鼻腔をくすぐる「石鹸の香り」と目の前で揺れる「冷えたコーラのボトル」が彼女の足を縫い止めていた。

「ん……っ!?」

唇が触れた。
カッサカサに乾いたサオリの唇にカイトの湿った唇が押し当てられる。
想像していたような嫌悪感はなかった。

むしろ彼の唇からは先ほど飲んでいたコーラの甘い味と、炭酸の微かな刺激が伝わってきてサオリの脳裏に「現代日本」の記憶をフラッシュバックさせた。

(あまい……。泥の味じゃない。文明の味がする……)

「ん……ちゅ、ぷ……」

カイトが少しだけ角度を変え、吸い付くような音を立てる。
サオリの肩がビクリと跳ねた。

ファーストキス。
それはもっとロマンチックな場所でゴウくんとするはずだったのに。

こんな薄暗い森の中でクラスで一番地味な男子と「汗拭きシート」1パックのために。

「……ぷはっ」

数秒後、カイトが唇を離した。
銀色の糸がツーっと二人の間を繋いですぐに切れる。

「……はい、商品のお渡し」

カイトは呆然とするサオリの手に、汗拭きシートと飲みかけのコーラを握らせた。

「コーラはサービスだよ。……間接キスだけど、気にする?」
「っ……!ば、馬鹿にしないで……!」

サオリは真っ赤な顔でひったくるように受け取ると、逃げるように茂みの奥へと隠れた。
心臓が早鐘を打っている。

悔しい。
惨めだ。 
けれど、震える手でシートを取り出し首筋を拭いた瞬間――。

「あ……っ!」

冷涼感と共にへばりついていた不快な汗と脂が拭い去られる。
その圧倒的な「快感」にサオリは声にならない喘ぎを漏らした。

彼女はその夜、全身をシートで拭き清めながら唇に残る甘い感覚に眠れぬ夜を過ごすことになった。

それは、堕落へのほんの入り口に過ぎなかった。

ーーーーー

それからさらに3日が過ぎた。
異世界の現実はサオリの想像を遥かに超えて残酷だった。

「……うぅ……寒い、冷たい……」

バケツをひっくり返したような豪雨の中、サオリは泥に足を取られながら歩いていた。
勇者ゴウの「魔王軍に見つからないよう街道を避けて森を進む!」という無謀な判断により、道なき道を行軍させられているのだ。

白い聖女のローブは跳ね上がった泥で茶色く染まり、水を含んで鉛のように重い。
何より辛いのは生理的な欲求だ。

(トイレ……行きたい。でも、こんな雨の中でお尻を出せなんて……無理よ)

神宮寺家の令嬢として常に清潔な環境で育ってきた彼女にとって、野外排泄はこの上ない拷問だった。
膀胱は限界に近い。

寒さで尿意は増すばかり。
それに加えて3日間まともに風呂に入っていない体は、自分の汗と生乾きの服の臭いで鼻が曲がりそうだった。

「おいサオリ!遅れてるぞ!根性見せろよ!」
「さあ、そろそろ野営の準備だ!てきぱきやれよ!」

先頭を行くゴウが聖剣の加護で雨を弾きながら怒鳴る。
彼は気付いていない。
サオリの唇が紫色に変わりガチガチと歯が鳴っていることに。

(……最低。ゴウくんなんて最低よ。わたくしがこんなに辛いのに……)

その時だった。
ふっと頭上から雨粒が消えた。

「え……?」

見上げると誰かがサオリの横に並び、レインコートのようなもので雨を遮っていた。
相田カイトだ。

「……死にそうな顔してるよ、委員長」
「カ、カイト……さん……」

数日前の「取引」以来、彼女の中で彼の呼び名は変わっていた。
カイトは周囲を警戒するように視線を巡らせるとサオリの手首をグイと掴んだ。

「こっちに来て。ひとりになりたいと言って、少し休もう」
「えっ、でも、ゴウくんたちに……」
「このままじゃ肺炎になるか、尊厳を失う(漏らす)ことになるよ?どっちがいい?」

図星を突かれサオリは言葉を詰まらせた。
「サオリが少し休みたいそうだ。あとで合流するよ」とゴウに伝え、
カイトは彼女の返事を待たず街道脇の鬱蒼とした藪の中へと引きずり込んだ。

「あ、あのっ、どこへ……!?」

カイトはポケットから小石のようなアイテムを取り出し地面に投げた。
ブォン……。 

空間が歪むような低い音が響き雨音が遠のく。 
『認識阻害の結界』だ。

「よし、ここなら誰にも見つからない」

カイトは何もない空き地に向かって指を鳴らした。 
【万物配送(アー・マ・ゾーン):展開】

光の粒子が集束し、泥だらけの地面の上に巨大な構造物が出現した。 
それは、サオリが雑誌でしか見たことのない『最高級グランピングテント』だった。 

厚手のベージュの生地、強固なフレーム、そして入り口から漏れる温かな光。

「……うそ……家……?」
「俺の『セーフハウス』だよ。……入りなよ。中は暖かいから」

カイトが入り口のジッパーを開けて手招きする。 
中から漂ってきたのは、乾燥した温風とラベンダーのアロマの香りだった。 
サオリの生存本能が「そこに入りたい」と悲鳴を上げた。

ーーーーー

一歩足を踏み入れた瞬間、サオリはその場に崩れ落ちそうになった。

(あったかい……!信じられない、天国……?)

外の氷点下に近い寒気が嘘のようだった。
テント内はポータブル電源に繋がれたセラミックファンヒーターによって春のような陽気に満たされている。 
床には泥除けのマットがあり、その先には毛足の長いフカフカのラグが敷き詰められていた。

「汚い……わたくし、汚いのに……」

サオリは自分の姿を見下ろして愕然とした。 
泥だらけのブーツ、水滴の垂れるローブ。

この清潔な空間を汚してしまう恐怖。 
だが、カイトは優しく彼女の背中を支えブーツを脱がせてくれた。

「掃除なんて俺のスキルなら一瞬で終わる。気にしなくていい」
「でも……」
「それより、早く温まらないと。……奥を見てごらん」

カイトが指差した先――リビングスペースのさらに奥、「寝室」にあたる場所に信じられないものが鎮座していた。

湯気だ。
白く温かな湯気が立ち上っている。 

強化ビニールと断熱材で作られた『簡易ジャグジー』。 
魔法(ガス給湯器)で沸かされた透明なお湯がなみなみと張られている。

「お、お風呂……!?」

サオリの声が裏返る。 
3日間、泥と汗にまみれ冷たい雨に打たれ続けた彼女にとって湯船とはダイヤモンドよりも価値のある宝物だった。

「入っていいよ。着替えもバスタオルも、全部そこにある」

カイトが指差したサイドテーブルには最高級の『今治タオル』と彼女のサイズに合わせた清潔な下着、そして『ブランド物のシャンプー・リンス』が並んでいた。
さらに、テントの隅には『ポータブル水洗トイレ(電動・防臭機能付き)』まで設置されている。

「……っ!」

サオリの瞳から大粒の涙が溢れ出した。
安心感と生理的欲求が満たされる予感に、理性の堤防が決壊したのだ。

「カイトさん……対価は……?」

泣き濡れた瞳で彼女は尋ねた。
もう、タダではないことは分かっている。

前回のキス以上のものを求められることも予感していた。
それでも目の前の「清潔」と「温もり」を拒否することなど今の彼女には不可能だった。

カイトは優しく微笑み、彼女の泥だらけの頬を指で拭った。

「今はいいよ。……まずは綺麗になって。お代はそのあとでたっぷりと払ってもらうから」

その「お代」の意味をサオリの本能は理解していた。けれど彼女は震える手でローブの紐を解いた。

「……はい。……ありがとうございます……」

彼女は聖女としてのプライドも、ゴウへの操立ても、脱ぎ捨てたローブと共に玄関に置き去りにした。

ーーーーー

カイトが気を利かせてリビングへ戻り仕切りを下ろしてくれた。
サオリは一人、ジャグジーの前で全裸になった。

こわばった肌が空気に触れる。
まずはトイレへ駆け込み溜め込んでいたものを全て吐き出す。
水洗の流れる音がこれほど美しい音楽に聞こえたことはなかった。

そして、お湯へ。

チャポン……。

「んぁ……っ、ぁあ……生き返るぅ……」

お湯に肩まで浸かった瞬間、サオリの口からお嬢様にあるまじき嬌声が漏れた。
温熱が毛穴の一つ一つに染み渡り、冷え切った芯を溶かしていく。 

泥が落ち、お湯が少し濁るが循環装置がすぐに綺麗にしてくれる。

(幸せ……。こんな幸せがこの世界にあったなんて)

彼女はシャンプーを手に取った。
泡立ちの良いフローラルの香り。 

ゴシゴシと頭を洗い、シャワー(電動ポンプ式)で洗い流す。
髪が、肌が、本来の輝きを取り戻していく。

自分の体を洗う手の動きが次第に艶めかしいものに変わっていくことにサオリは気付いていなかった。 清潔になることへの喜びがいつしか「誰かに見てもらいたい」「触れてほしい」という欲求へとスライドしていく。

「カイトさん……待ってるのかしら……」

サオリは自身の豊かな胸を泡で撫でながら仕切りの向こうにいる男を想像した。
この極上の環境を提供してくれた彼。
私の汚いところも、弱いところも、全部知っている彼。

(……綺麗にしなきゃ。対価を払うために。……最高の商品(わたくし)を捧げるために)

お湯の中でサオリは自身の秘部を丁寧に指で洗った。
そこは期待と興奮ですでに微かに疼き始めていた。

「サオリ、そろそろ上がらないとのぼせるよ」

外からカイトの声が掛かる。
サオリはビクリと体を震わせ立ち上がった。

水滴が滴る白磁の肌。
湯気で紅潮した頬。 

バスタオルを巻き、彼女は深呼吸をしてから仕切りを開けた。

そこには冷えたビールを用意してソファに座る「ご主人様」が待っていた。
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