【R18】【拠点設営】で守る乙女達の尊厳 〜世界を救うのは聖剣じゃなくて、清潔なお風呂と愛し合う夜〜

のびすけ。

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第2章 拡張する【拠点】、開発される処女たち

レベルアップした拠点で、君だけが綺麗になっていく

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チュン、チュン……。 

小鳥のさえずりが朝の訪れを告げていた。 
だが、僕の意識を覚醒させたのはもっと無機質で、劇的な音だった。

《――条件達成を確認》
《対象者:星奈歌恋(ほしな かれん)より最上位のエネルギー『純愛(アガペー)』および『生殖本能』の供給を確認しました》
《規定値を超過。拠点レベルアップを開始します》

「ん……?相田くん……?」

僕の腕の中で星奈歌恋がとろんとした瞳を開けた。 
昨夜僕たちは何度も求め合い、疲れ果てて泥のように眠っていた。

事後の甘い匂いが充満する個室。
シーツには僕たちが愛し合った痕跡――愛液と精液のシミが地図のように広がっている。

「おはよう、歌恋。……何か、始まるみたいだ」
「え?」

ズズズズズズズッ……!!!

突如、地鳴りのような重低音が響き渡り部屋全体が大きく揺れた。

「きゃっ!?」

歌恋が僕に抱きつく。 
だが、それは破壊の振動ではなかった。 
創造の胎動だ。 

白いコンテナの壁が、有機的に波打ち変形していく。 
無機質だった鉄の天井が高くなり、木の香りが漂い始める。 

狭かったシングルベッドが左右に拡張され、二人で寝ても余りあるキングサイズのダブルベッドへと変わっていく。

「え、うそ……なにこれ……?」

歌恋が目を丸くして周囲を見渡す。
数分もしないうちに振動は収まった。

そこに広がっていたのはもはや仮設のコンテナハウスではなかった。
壁は温かみのある白木で組まれ、床は高級なフローリングに。

窓からは柔らかな光が差し込みレースのカーテンが揺れている。

「……ログハウス?」

僕が呟くとシステムウインドウが新しいステータスを表示した。

《拠点設営 Lv.3:ログハウス風ヴィラ》
《居住スペース拡張(2倍)》
《主寝室グレードアップ》
《設備追加:ジャグジー、オーブン、食洗機、その他アメニティ》

「すごい……相田くん、お家が大きくなってる……!」

歌恋がシーツを胸元に引き寄せながら興奮した声で言った。

「ああ。君のおかげだよ、歌恋」

僕は彼女の肩を抱き寄せた。 
素肌に触れると、彼女はビクリと反応しすぐに嬉しそうに身を委ねてきた。

「私のおかげ……?」
「君がくれた愛がこの拠点を進化させたんだ。ここはもうただの避難所じゃない。僕たちの家だ」
「僕たちの……家……♡」

歌恋はうっとりとその言葉を反芻し僕の頬にキスをした。

「ふふっ、これって……私たちの愛の巣、だね?」

耳元で囁かれたその言葉は、昨夜のどんな喘ぎ声よりも甘く僕の胸を震わせた。

「きゃあああああああっ!?」

その時リビングの方から悲鳴――いや、歓声が聞こえてきた。

「なになに!?すごい、広くなってる!」
「キッチンが!これ、最新式のオーブンじゃないアルか!?」
「うそ、お風呂!ジャグジーがついてるわよ!」

他の3人も起きたようだ。

「行こうか。みんな驚いてる」
「うん。……あ、待って。着替えるから」

歌恋は恥ずかしそうに散乱していた服を拾い上げた。 
その動き一つ一つが昨日までとは違っていた。 

しなやかで、どこか余裕があり、内側から発光するような色気を纏っている。
処女を散らし、愛する男にすべてを受け入れられた女だけが持つ自信と充足感。

彼女は僕のYシャツを手に取ると、素肌の上にさらりと羽織った。

「……これ、また借りていい?」
「もちろん。一番似合ってるよ」

彼女は幸せそうに微笑みボタンを留めた。
一番上のボタンは開けたまま、昨夜僕がつけたキスマークがちらりと覗くように。

リビングに出るとそこは別世界だった。

天井が高く開放感のある吹き抜けのリビング。
中央には大きな暖炉があり(魔石で動く安全なものだ)その周りをゆったりとしたソファセットが囲んでいる。

キッチンはアイランド型になり、巨大な冷蔵庫とピカピカの食洗機が鎮座している。

「相田くん!これ、どういうこと!?」

日向莉央(ひなた りお)が信じられないものを見る目で飛びついてきた。

「おはよう、みんな。……どうやら、拠点がレベルアップしたみたいだ」
「レベルアップって……一気に変わりすぎだろ!最高じゃん!」

莉央はリビングを走り回り、新しいカーペットの感触を確かめるように寝転がった。

「ふかふかぁ~!ここで寝れるよこれ!」
「信じられないネ……。このオーブンがあれば本格的な焼き豚も作れるアル」

王美鈴(ワン・メイリン)はキッチンに立ち尽くしプロ仕様の調理器具を愛おしそうに撫でている。 

「それだけじゃないわ。洗面所を見て」

一ノ瀬清花(いちのせ さやか)が紅潮した顔で手招きした。

案内されたバスルームは高級ホテルのスパのようだった。 
広々とした脱衣所。
壁一面の鏡。 

そして何より、棚にずらりと並べられたアメニティグッズの数々。

「これ……私が使ってたメーカーの化粧水!」
「こっちはシャンプーとトリートメントのセットだわ。しかもサロン専用のやつ」
「ボディクリームもある!いい匂い……」

異世界に来てからというもの、彼女たちが最も我慢していたのが「肌のケア」だった。
水だけで顔を洗い、日に焼けた肌を放置するしかなかった日々。

それが、ここでは現代最高峰のケアができる。

「すごい……夢みたい……」

美鈴が震える手で化粧水の瓶を手に取る。

「これがあれば肌荒れも治るネ……。武術家だからって諦めてたけど、やっぱり女の子でいたいアル……」 「私も!日焼け止めもあるよ!これなら外でも怖くない!」 

莉央も大はしゃぎだ。

歓喜に沸くヒロインたち。 
その中心で僕は彼女たちの笑顔を見守っていた。

(……これで、さらに依存度は高まる)

生活レベルの向上はそのまま僕への忠誠心に直結する。
この環境を手放したくないという思いが、彼女たちを縛り付ける鎖になるのだ。 

ふと、背中に温かい重みを感じた。

「みんな、喜んでくれてよかったね、相田くん」

歌恋だ。 
彼女は皆に見えない角度で僕の背中にぴたりと寄り添っていた。

「ああ。歌恋のおかげだよ」
「ううん。……ふふ、でも、このお家で一番素敵な場所は私たちの寝室だけどね♡」

彼女は悪戯っぽく囁き、僕の腰に手を回した。

その時だった。

「……あ」

莉央がふと動きを止めた。 
彼女の視線が僕に寄り添う歌恋に釘付けになる。

「カレン、その服……」

莉央が指差したのは歌恋が着ている僕のYシャツだ。

「うん、借りちゃった。相田くんの匂いがして安心するから」

歌恋は悪びれもせず、むしろ見せつけるように胸元の襟を正した。
その隙間から、赤い鬱血痕――キスマークが鮮やかに見えた。

「ッ……!」

莉央が息を呑む。
それだけではない。

今の歌恋は昨日までの「可愛いアイドル」ではなかった。 
肌はゆで卵のように艶めき、瞳は潤み、全身から甘美なフェロモンを立ち上らせている。

髪もしっとりと濡れたような質感を帯び、何よりその表情。 
満たされた女の、余裕と優越感。

(……したんだ) 

莉央の直感がサイレンのように警鐘を鳴らした。
昨日の夜。

カレンは相田くんの部屋に行った。
そして今朝、この拠点の劇的な変化。
さらに、このカレンの変貌ぶり。

(キスだけじゃない。もっとすごいことを……最後までしたんだ)

「……ズルい」

無意識に莉央の口から言葉が漏れた。

「え? 莉央、何か言った?」

歌恋が小首を傾げる。

「なんでもない!」

莉央は慌てて笑顔を作ったが、その瞳の奥にはどす黒い感情が渦巻いていた。 
嫉妬。 

一週間前、自分も相田くんとしたはずだった。
口で、手で、あれだけ気持ちよくしてあげた。

相田くんは喜んでくれた。

「莉央はすごい」と褒めてくれた。 
なのに。 

カレンはそれ以上をしたのだ。 

(私より、深く。私より、長く。相田くんと繋がったんだ)

その事実が莉央の胸を焼き尽くすように痛めつけた。 
負けた。 
女としてカレンに負けた。 

そして何より――カレンだけが、あの「特別席(ダブルベッド)」で相田くんに愛されたという疎外感。 

「いいなぁ、カレンは……」
「ん? どうしたの?」
「ううん、服、似合ってるなって思っただけ」

嘘だ。 
心の中では叫んでいた。

(私だって!私だって相田くんのこと好きなのに!私だってあんな顔になりたいのに!) 

莉央の視線が、無意識に自分の下腹部へと落ちる。 
そこが、きゅん、と疼いた気がした。 

口だけじゃ足りない。
手だけじゃ足りない。 

私もカレンみたいに。 
相田くんの全部を中に入れてほしい。

(……負けたくない)

スポーツマンとしての闘争本能が歪んだ方向へと点火された瞬間だった。

一方、変化に気づいたのは莉央だけではなかった。

「……星奈さん、雰囲気が変わったネ」

美鈴が化粧水をパッティングしながらボソリと言った。

「ええ。なんていうか……一皮むけたというか、大人の女性になった感じがするわ」

清花が眼鏡の奥で鋭く観察する。 
二人は、莉央ほど直情的ではないが大人の勘で察していた。 

この拠点の進化のトリガーが何であったのか。 
そして、その対価として歌恋が何を捧げたのか。

「……この化粧水、すごく肌に馴染む」

美鈴は自分の頬を触りながら鏡の中の自分を見つめた。 
ここでの生活は快適だ。
元の世界よりも、ある意味で満たされている。 

でも、このままでいいのだろうか。 
歌恋さんだけが相田くんに「対価」を払い、この恩恵を受けている。 
私たちはただの居候(フリーライダー)なのではないか? 

(武術家として、恩義に報いないのは恥ずべきことアル) 

美鈴の生真面目な性格が奇妙な方向へ思考を誘導し始めていた。 
体を張って戦うのが私の役割。 

だとしたら、夜の戦いにおいても――? 美鈴の視線が楽しそうに笑うミナトと歌恋の背中に吸い寄せられる。 
その背中が、ひどく遠く、そして眩しく見えた。

「さあ、みんな!朝ごはんができてるよ!」

ミナトの声で全員が我に返る。

「わあ!いい匂い!」
「今日はオーブンで焼いたパンと、キッシュだよ」

ダイニングテーブルにはホテルのような朝食が並べられていた。 
全員でテーブルを囲む。

「いただきます!」 

美味しい料理。
清潔な空間。
楽しい会話。 

その完璧な幸福の中で、それぞれの胸中に芽生えた「焦燥」の種が、静かに、しかし確実に根を張り始めていた。

食事中、莉央はパンをかじりながらテーブルの下で足を動かした。 
コツン。 

向かいに座るミナトの足に自分のつま先を当てる。 
ミナトが驚いてこちらを見る。 

莉央は、歌恋に気づかれないように一瞬だけ挑戦的な瞳でミナトを見つめ返し、ペロリと舌を出して唇を舐めた。

(次は、私だから)

その目は明確にそう語っていた。 
彼女の食欲(性欲)はもう限界まで膨れ上がっていた。 

歌恋への嫉妬とミナトへの渇望。 
それが混ざり合い、彼女を「ただの女の子」から「発情した雌」へと変えようとしていた。

「相田くん、このキッシュ美味しいね♡」

歌恋がミナトの腕に頭を乗せる。

「うん、莉央も食べる?あーんしてあげよっか?」

余裕の微笑み。
勝者の余裕。 
それがさらに莉央の神経を逆撫でする。

「……いらない。自分で食べる」

莉央はキッシュを大口で頬張った。

(見てろよ。今夜こそ私が一番になってやる) 

咀嚼する音がどこか獣の唸り声のように聞こえた。

拠点のレベルアップは、ヒロインたちの欲望もレベルアップさせてしまったようだ。 
この「ログハウス風ヴィラ」は、安息の地であると同時に女たちの熾烈なマウント合戦のリングとなるだろう。 

僕はコーヒーを啜りながら、甘く危険な予感に身震いした。

(……今夜は、寝かせてもらえそうにないな) 

嬉しい悲鳴を心の中で上げながら、僕は嵐の前の静けさを楽しむことにした。
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