【R18】【拠点設営】で守る乙女達の尊厳 〜世界を救うのは聖剣じゃなくて、清潔なお風呂と愛し合う夜〜

のびすけ。

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最終章 超銀河級統合リゾート、ラス・ベガス・ドリーム~ ~魔王(幼女)も骨抜きにします~

侵略とは楽しませることなり ~出現!不夜城ラス・ベガス・ドリーム~ ☆☆

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「……着いたな」
「ここが……魔王城……」

世界樹の秘湯での休息を終え、僕たち一行は再びアーク・ロイヤル(飛行モード)に乗り込み、魔王城のある大陸中央部へと到達した。
そこはまさに「地獄」と呼ぶにふさわしい光景だった。



空は常に厚い雷雲に覆われ紫色の稲妻が絶え間なく大地を叩いている。
荒涼とした大地には骨のように白い枯れ木が立ち並び、空気中には鼻をつく硫黄と瘴気が充満している。

その中心に禍々しい黒い城が聳え立っていた。 
鋭利な棘のような塔が無数に天を突き刺し、城壁には無数の魔物のレリーフが刻まれている。 

眼下には城を中心とした巨大な城下町が広がっているが、そこもまた薄暗く、活気というよりは殺伐とした空気が漂っていた。 
オーク、ゴブリン、オーガ……数え切れないほどの魔物の軍勢が蠢いているのが見える。

「すごい数……」

モニターを見つめる滝川ののか(たきがわ ののか)の声が震えた。

「数万……ううん、数十万はいるわよ。いくら私たちがパワーアップしたって言っても、この数を相手にするのは……」
「真正面からぶつかれば、消耗戦は避けられないネ」

王美鈴(ワン・メイリン)が拳を握りしめるがその表情は硬い。

「瘴気も濃いね。……私の浄化結界でも城の中までは届かないかも」

相崎莉奈(あいざき りな)が不安そうに眉を寄せる。

「大丈夫よ。……私たちには相田くんがいるもの」

一ノ瀬清花(いちのせ さやか)が努めて明るく振る舞うが、彼女の手も少し震えていた。
無理もない。
これだけの「悪意」の塊を目の前にすれば、足がすくむのが生物としての正常な反応だ。

ブリッジに重苦しい沈黙が流れる。
だが。
僕、相田ミナトだけは静かに笑っていた。

「みんな、顔を上げてくれ」

僕はキャプテンシートから立ち上がりヒロインたちを見渡した。

「怖いか?」
「……少しだけ」

篠原真美(しのはら まみ)が正直に答える。

「でも、相田さんと一緒なら……戦えます」
「戦う?……いいや、違うよ真美」

僕は首を横に振った。

「え?」
「僕たちは、戦いに来たんじゃない。……『営業』しに来たんだ」

「え、営業……?」

全員がポカンとする中、僕はメインコンソールに手を置いた。
あの温泉で9人の女神たちと身も心も一つになり、チャージされた無限の『愛(LP)』。
それが今僕の体内で熱く脈打っている。

《条件達成を確認。LP:測定不能(インフィニティ)》
《最終進化シークエンス、起動準備完了》

システムの声が脳内に高らかに響く。

「見ていてくれ。これが僕たちの愛が生み出す、最強の『家』だ」

僕は叫んだ。

「システム・オール・グリーン!……アーク・ロイヤル、最終進化(ファイナル・エボリューション)ッ!!!」

カッ!!!!!!!! 

僕の体から、そしてアーク・ロイヤル全体から目もくらむような虹色の光が放たれた。
その光は雷雲を突き抜け、魔の大陸全体を昼間のように照らし出した。

ズズズズズズズズズッ……!

大地が鳴動する。
アーク・ロイヤルの船体が光の中で分解し、再構築されていく。

これまでの「要塞」や「戦艦」といった形状ではない。
もっと巨大で、もっと煌びやかで、もっとデタラメな何かに。

「え、ええっ!?大きくなってる!?」
「横にも……縦にも!?止まらないわ!」

牧野樹里(まきの じゅり)が悲鳴を上げる。
光の塊は魔王城のすぐ隣の荒野に着地すると、そこから爆発的な勢いで増殖を始めた。

コンクリートが生成され、鉄骨が組み上がり、ガラスが嵌め込まれていく。

10階、50階、100階……。

天を摩するほどの超高層ビル群が雨後の筍のように次々と出現する。

『BINGO!』『JACKPOT!』『WELCOME TO DREAM!』

ビルの壁面には毒々しいほどに鮮やかなネオンサインが灯り、巨大なホログラム映像が空に踊る。
静寂と闇に包まれていた魔界に暴力的なまでの「光」と「音」が溢れ出した。

《最終進化完了》
《個体名:超銀河級統合(ギャラクシー)リゾート要塞(フォートレス)『ラス・ベガス・ドリーム』》

光が収まった時。
そこには、魔王城すら小さく見えるほどの巨大な「不夜城」が出現していた。
煌びやかなカジノタワー、巨大な観覧車、ジェットコースターが走るテーマパーク、そして何万人でも収容可能なスタジアム。
ありとあらゆる娯楽施設が凝縮された、究極のエンターテインメント都市。
それが、僕たちの新しい拠点だった。



「な、な、な……」

ヒロインたちは言葉を失い、窓の外に広がる光景を凝視していた。

「「「「「なんじゃこりゃあぁぁぁッ!?」」」」」

日向莉央(ひなた りお)が絶叫する。

「ここ、魔界だよね!?なんでテーマパークがあるの!?」
「あれは……カジノ?それに、ショッピングモールまであるわよ……」

清花が眼鏡をずり落とす。

「ふふん。驚くのはまだ早いよ」

僕はドヤ顔で解説を始めた。

「この『ラス・ベガス・ドリーム』はただの建物じゃない。……みんなの夢(性癖)を具現化した施設も完備している」

僕はモニターに施設案内図を表示させた。

「まず、あの中央にある巨大な黄金のドーム。あれは**『真美の食い倒れコロシアム』**だ」
「えっ、私の!?」

真美が目を丸くする。

「世界中のあらゆる食材が集まり、全自動調理ゴーレムが24時間体制で料理を提供する世界最大級のフードコートさ。高級フレンチから、魔族に人気のありそうな『デカ盛りスタミナ丼』さらには『町中華』や『焼肉食べ放題』まで完備している」
「や、焼肉食べ放題……!素敵です……♡」

真美がうっとりと頬を染める。

「その隣にあるピンク色のネオンが輝くタワーは**『歌恋のギャラクシー・ライブドーム』**」
「私のですか!?」

星奈歌恋(ほしな かれん)が身を乗り出す。

「最新の音響設備と空中に映像を投影するドローン演出が可能だ。……ここなら世界中の魔物を観客にして、最高のライブができるよ」
「魔物を観客に……!ふふっ、燃えてきましたわ……♡」

「さらに、あっちの巨大な塔は**『美鈴&莉央のアルティメット・バトルアリーナ』**」
「バトル!?そこなら思いっきり暴れていいアルか!?」
「最新のVRトレーニングルームも完備だ。魔物たちも、殺し合いじゃなく『スポーツ』として汗を流せる」

「地下には**『ののか&樹里のトレジャーハンター迷宮』。地上には『くるみのファッション・ストリート』。最上階には『莉奈&清花のロイヤル・ヒーリング・スパ』**……」

僕は次々と紹介していく。
映画館、ゲームセンター、サブカルショップ、そしてもちろん、巨大なカジノホール。 
衣食住遊、すべてがこの都市で完結する。 
しかも、そのクオリティは現代日本のそれを遥かに凌駕する「神レベル」だ。

「ど、どういうこと……?私たちは魔王と戦うんじゃ……」

江藤(えとう)くるみが混乱している。
僕はニヤリと笑い、眼下の魔王城下町を指差した。

「戦う? ナンセンスだね」

モニターには異変に気づいた魔物たちが映し出されていた。
彼らは最初こそ警戒して武器を構えていたが、リゾートから漂ってくる「焼肉の匂い」や煌めく「ネオンの光」そして楽しげな「音楽」に鼻をヒクつかせ呆然と立ち尽くしている。

飢えと恐怖と過酷な労働しかなかった魔界の住人たちにとって目の前に現れた「楽園」はあまりにも魅力的すぎた。

「侵略とは制圧することじゃない」

僕は断言した。

「相手を楽しませ、骨抜きにし、こっちの文化に染め上げることだ」
「……あ」

清花が何かに気づいたように口元を押さえた。

「まさか、相田くん……魔王軍を全員『お客さん』にする気?」
「その通り」

僕は腕を組み不敵に笑った。

「剣も魔法もいらない。必要なのはチップと食欲だけだ。……この『ラス・ベガス・ドリーム』の快適さを知れば、もう誰も湿っぽい魔王城になんて戻れないさ」

「……あはは」

莉央が乾いた笑い声を上げた。

「すごい……。相田くん、あんた最高に狂ってるよ。……魔王よりタチが悪いかも」
「褒め言葉として受け取っておくよ」

「いいわね、それ!」

歌恋が目を輝かせる。

「愛と歌で世界征服……。私の夢、ここで叶えちゃいます!」
「ウチも!魔物さんたちを温泉でトロトロにしちゃうよ!」

莉奈もやる気満々だ。

「よし、総員配置につけ!」

僕は号令をかけた。

「これより、対魔王軍・最終作戦『グランド・オープン』を開始する!……一人残らず笑顔(ほねぬき)にしてやれ!」
「「「了解ッ!!!♡」」」

アーク・ロイヤル改め『ラス・ベガス・ドリーム』の巨大なゲートがゆっくりと開かれる。
中からは食欲をそそる香りと、カジノのコインが鳴る音、そして歓迎のファンファーレが鳴り響いた。

呆気に取られていた魔王軍の先兵たち――オークの部隊が焼肉の匂いに釣られて、ふらふらとゲートへと歩き出した。

「う、うまそうな匂いだ……」
「あそこに行けば……腹いっぱい食えるのか……?」
「キラキラして……綺麗だ……」

勝負は戦う前から決まっていた。 
これは異世界史上最も平和で、最もエゲつない文化侵略の始まりだった。
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