【R18】【拠点設営】で守る乙女達の尊厳 〜世界を救うのは聖剣じゃなくて、清潔なお風呂と愛し合う夜〜

のびすけ。

文字の大きさ
65 / 74
最終章 超銀河級統合リゾート、ラス・ベガス・ドリーム~ ~魔王(幼女)も骨抜きにします~

世界丸ごとマイホーム ~勇者でも魔王でもなく、ただの「家族」として~

しおりを挟む
魔王ルルを「わからせ」てから数日後。 
かつては常に雷雲に覆われ死の瘴気が漂っていた魔の大陸は、今や世界で最も輝かしい場所へと変貌を遂げていた。

「ん……ふわぁ……。よく寝たのじゃ……♡」

超銀河級統合リゾート要塞『ラス・ベガス・ドリーム』の最上階、ロイヤル・スイート。 
キングサイズのベッドで小さな塊がモゾモゾと動き出した。 

元・魔王にして、現在は僕の愛すべき「ペット兼恋人」となったルルだ。 
彼女はシルクのシーツから顔を出し僕の腕に頬ずりをした。

「おはよう、オーナー。……今日もいい天気じゃな」
「おはよう、ルル。……そうだね、最高に晴れているよ」

僕、相田ミナトはベッドから起き上がりバルコニーへと出た。 
眼下に広がる光景は何度見ても圧巻だった。 

朝日に照らされた巨大なカジノタワー、観覧車、そして広大なテーマパーク。 
そこには、早朝から行列を作る魔物たちの姿があった。 

オークの親子がポップコーンを分け合い、ハーピーが人間の冒険者と談笑し、ドラゴンが観光バスの代わりに乗客を乗せて飛んでいる。 
噂を聞きつけた人間の商人や観光客も海を越えて続々とやってきていた。

「人間も魔族も関係ない。……みんなここではただの『お客さん』だ」

「相田くん、起きてたの?」

背後から声がかかる。
振り返ると、バスローブ姿の一ノ瀬清花(いちのせ さやか)を筆頭に、ヒロインたちが続々と起きてきた。 

相崎莉奈(あいざき りな)、江藤(えとう)くるみ、日向莉央(ひなた りお)、王美鈴(ワン・メイリン)、星奈歌恋(ほしな かれん)、牧野樹里(まきの じゅり)、滝川(たきがわ)ののか、そして既にエプロン姿の篠原真美(しのはら まみ)。 

全員が朝の光の中でキラキラと輝いている。

「みんな、おはよう」
「おはよう、あなた♡」
「おはようネ!」

全員に囲まれ朝のキスを交わす。
これこそが僕が手に入れた最高の「日常」だ。

その時だった。

カッーーーーーーーーーーッ!

天空から、リゾートのネオンすら霞むほどの神々しい黄金の光が降り注いだ

 「な、なんだ!?」
「敵襲!?」

莉央と美鈴が即座に身構える。
光はバルコニーの一点に収束し、そこから一人の女性が姿を現した。 

純白のドレスに背中には大きな翼。 
この世のものとは思えない美貌を持ちながらどこか機械的で冷ややかな瞳。 

見間違えるはずがない。 
物語の始まり、あの何もない荒野に僕を放り出した張本人。

「……女神」

『お久しぶりですね、異世界からの来訪者・相田ミナト』

女神は地面に足をつけず、ふわりと浮いたまま鈴を転がすような声で告げた。

『そして、その伴侶たちよ。……見事でした』

彼女は眼下のリゾートを見下ろし、感心したように、あるいは呆れたように微笑んだ。

『魔王を討伐しろとは言いましたが……まさか魔王城を乗っ取り、魔族を経済と娯楽で支配するとは。私の想定を遥かに超える結果です』

「……褒め言葉として受け取っておくよ」

僕は警戒を解かずに答えた。

「で、何の用だ?まさか観光しに来たわけじゃないだろ?」

『ええ。貴方たちに「報酬」を与えに来ました』

女神は厳かに手を広げた。

『貴方たちの使命は達成されました。よって、特例として……「元の世界」への帰還を認めましょう』

「えっ……?」

ヒロインたちの間にどよめきが走る。

『ゲートを開けば、貴方たちは日本の、召喚される直前の時間に戻れます。……この世界での記憶を持ったままね。平和で、安全で、文明的な元の生活に戻れるのです』

女神はそれが最高の慈悲であるかのように告げた。

『さあ、選びなさい。この野蛮な異世界か、懐かしき故郷か』

一瞬の静寂。
僕はみんなの顔を見た。

みんなも僕を見た。
そして全員が同時に吹き出し、笑った。

「あはははは!」
「ふふっ、何言ってるのかしらね」

「……答えは決まってるだろ」

僕は女神に向き直りきっぱりと言い放った。

「帰らないよ。……僕たちはこの世界で暮らす」

『……ほう?』

女神が眉をひそめた。

『正気ですか?そちらの魔王(ルル)はともかく、貴方たちは現代人でしょう?エアコンも、インターネットも、コンビニもない世界ですよ?』
「あるよ」

僕は指を鳴らした。
パチン。
背後の部屋で大型テレビが点き、全自動エスプレッソマシンが極上のコーヒーを淹れ始め、エアコンが快適な風を送り出した。

「僕の【拠点設営】スキルを舐めないでほしいな。……この『ラス・ベガス・ドリーム』の生活水準は、現代日本を超えてるんだ」

「そうよ。それに……」
清花が一歩進み出て僕の腕を抱いた。
「向こうの世界にこんなに素敵な『家族』はいないもの」

「そうネ!あっちに帰っても狭いアパートで一人暮らしヨ。……でも、ここにはみんながいるアル!」
美鈴が胸を張る。

「アタシ、向こうじゃただの孤独なギャルだったけど……ここでは『世界のファッションリーダー』だからね」
くるみが髪を払う。

「私は……相田くんがいない世界なんてもう考えられないわ」
歌恋が僕に寄り添う。

『……なるほど。物質的な豊かさだけでなく精神的な充足も得た、と』

女神は少しつまらなそうに、しかし納得したように頷いた。

『まあ、いいでしょう。個人の自由意志を尊重します』

女神の姿が徐々に薄れ始める。 
だが消える直前、彼女はその美しい顔を歪め、冷ややかな警告を残した。

『ただし……一つだけ忠告しておきます』

彼女の視線が鋭い剣のように僕を貫いた。

『貴方は今、魔王を倒し、その力を取り込み、世界最強の存在となりました。……それはつまり、貴方が「新たな魔王」になったということです』
「……何が言いたい?」
『力が大きすぎれば、世界は歪む。……もし貴方が堕落し、暴君となり、世界に害を成すようなら……』 

女神はクスクスと笑った。

『私が、新たな異世界から「勇者」たちを召喚し貴方を討伐させますよ?』

それは明確な脅しだった。
僕がラスボスとなり、次の主人公に倒される未来。 
だが。

「……ふん、笑わせるな」

ルルが僕の前に立ちはだかった。
小さな体で、しかし威風堂々と女神を睨みつける。
「余のオーナーをそこらの有象無象が倒せると思うてか?……返り討ちにしてくれるわ!」

「そうだよ!」
ののかが弓を構えるポーズをとる。
「もし勇者が来ても……私の『必中』の矢で、入り口で追い返すから!」

「ウチらの回復魔法があれば、相田くんは不死身だしね~♡」
莉奈が舌を出す。

「迷い込んだら、私のセンサーで即発見して……捕まえちゃうもんね」
樹里が悪戯っぽく笑う。

「勇者だろうが神だろうが、相田くんに手を出したら……アタシたちがぶっ飛ばすよ!」
莉央が拳を鳴らす。

「それに……相田さんは暴君になんてなりません」
真美が優しい声で、しかし芯のある声で言った。
「だって……相田さんは誰よりも『みんなの幸せ』を考えてくれる、優しいパパですから」

ヒロインたちの言葉。
それは単なる強がりではなく僕への絶対的な信頼だった。

「……聞いた通りだ、女神様」

僕は肩を竦めた。

「僕は世界を支配するつもりなんてないよ。……ただ、自分の『家』と『家族』を守りたいだけだ。でも、もし僕の家族に手を出そうとするなら……」

僕はリゾート全域のシステムを掌握し、魔力を解放した。

「神様相手でも全力で迎撃(おもてなし)させてもらうよ」

『……フフッ、威勢がいいこと』

女神は満足げに笑った。

『いいでしょう。その言葉忘れないように。……精々長生きしなさい、最強の「マイホームパパ」さん』 

光が弾け女神の気配は完全に消滅した。 
後に残ったのは突き抜けるような青空だけ。

「……行っちゃったな」
「脅かしやがって。……でも、逆に燃えてきたわ」

清花が眼鏡を直しニヤリと笑った。

「これからは、このリゾートの運営と……『外敵』への防衛、両方頑張らないとね」
「うむ!余も手伝うぞ!……スロットの合間にじゃがな」

ルルが胸を張る。

こうして僕たちの本当の「異世界生活」が始まった。 
それぞれの役割(ジョブ)もリゾートに合わせて進化している。

真美は『食い倒れコロシアム』の総料理長として、毎日数万食の料理を振る舞っている。 
彼女の料理を食べた魔物たちは、争うことを忘れ笑顔でテーブルを囲んでいる。

「おかわりはたくさんありますからね~!」

という彼女の声が今日も響く。

歌恋は『ギャラクシー・ライブドーム』の専属アイドル。
人間界の歌だけでなく、魔界の伝統音楽も取り入れた新曲は大ヒット。 
ファンクラブ会員数は魔王軍の総数を超えたとか。

莉央と美鈴は『バトルアリーナ』の看板ファイター兼インストラクター。
血の気の多い荒くれ者たちにスポーツマンシップと筋肉の素晴らしさを叩き込んでいる。

「拳で語り合えばみんな友達ネ!」

ののかと樹里はカジノとセキュリティの責任者。
樹里の探知能力でイカサマを摘発し、ののかの狙撃でトラブルを未然に防ぐ。

「お客様、ルールは守ってくださいね?(チャキッ)」

くるみはファッションブランド『KURUMI』のデザイナー。
魔族の特異な体型に合わせた服が大流行し、魔界にオシャレブームを巻き起こした。

莉奈と清花はリゾート全体の運営と、医療・福祉を担当。
莉奈の回復魔法によるスパは予約3年待ち
清花の完璧な経営手腕によりリゾートの利益はうなぎのぼりだ。

そして、ルルは……。

「オーナー!大当たりじゃ!777じゃ!」

相変わらず僕の膝の上で遊び呆けている。 
まあ、可愛いから許そう。
彼女の魔力がこのリゾートの動力源になっているのだから。

夜。 
リゾートの灯りが地上の星空のように輝き出す頃。 
僕はオーナーズルームのソファで10人の最愛の妻たちに囲まれていた。

「相田くん、あーん♡」

真美がフルーツを食べさせてくれる。

「今日は一緒に寝よ?」

樹里が甘えてくる。

「順番よ、順番。……でも、今日は特別に『全員』でもいいわよ?」

清花が妖艶に微笑む。

「幸せか?オーナー」

ルルが僕の顔を覗き込む。
僕は彼女の頭を撫でながら、窓の外の景色――僕たちが作り上げた最高の楽園を見つめた。

「ああ、幸せだよ」

僕は心からの言葉を口にした。

「ここには僕の大好きなものと、大好きな人たちが全部ある」

拠点設営。
それは単に壁を作り、屋根を作ることではない。

そこに住む人々の笑顔を守り、帰るべき場所を作ること。
その意味で、僕のスキルは世界最強の魔法なのかもしれない。

「さて……」

僕は立ち上がり愛する家族たちを見渡した。

「明日はどんな施設を作ろうか?……温泉を拡張してもいいし、遊園地を大きくしてもいい」
「あ、私、水族館が欲しいです!」
「学校も作りましょうよ、子供たちのために」
「ウチは新しいお風呂!」

次々と上がるリクエスト。
夢は尽きない。
欲望も尽きない。 
だからこそこの拠点は無限に進化し続ける。

「わかった、全部作ろう!」

僕は高らかに宣言した。

「この世界丸ごと、僕たちの『マイホーム』にするまで……設営は終わらないぞ!」

「「「おーっ!!!♡」」」

ヒロインたちの歓声が夜空に響き渡る。
僕たちの愛と冒険の「拠点生活」は、まだ始まったばかりだ。

いつか勇者が来ようが、神が来ようが、関係ない。
ここにある「愛」と「快適さ」ですべて返り討ち(おもてなし)にしてやるだけだ。

ようこそ、僕たちの最強拠点へ。 
ここは銀河一楽しくて、エッチで、幸せな場所だ。

(FIN)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

処理中です...