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第七章 王都の休日
プロローグ「王都の図書館、眠れる真実」
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陽光が差し込む王都の朝。旅を終えて戻ってきたイッセイ一行は、束の間の休息を過ごしながらも、次なる使命を胸に秘めていた。仮面の男が最期に残した一言――「魔王」――その不穏な言葉は、仲間たちの間に静かな緊張を呼んでいた。
「魔王……それが真実なら、放ってはおけないな」
イッセイは呟きながら、王都の石畳をゆっくりと歩く。その隣を歩くクラリスが、緊張した面持ちで頷いた。
「王立図書館なら、何か記録が残されているかもしれないわ。わたし、父にお願いして、特別閲覧許可を取っておいたの」
「流石、クラリスだな」
「当然でしょ。イッセイくんの役に立てるなら、なんでもするわ」
照れ隠しのようにそっぽを向いたクラリスに、ルーナが肩を寄せて茶化すように囁いた。
「ふふ~ん、クラリスちゃんってば、ずいぶん積極的じゃない? まるで“できる女”アピールだね」
「う、うるさいわね! ルーナこそ、なによ、その嬉しそうな顔!」
「えへへ、だって王立図書館って、わたし初めてなんだもん。なんかこう……トキメクよね?」
そうして軽口を叩き合いながらも、一行は王都の中心部に聳える巨大な石造りの建物――王立図書館へと足を踏み入れた。
荘厳な柱と高い天井、壁一面にびっしりと収められた古文書や魔導書。静寂と紙の匂いが満ちた空間に、イッセイは思わず息をのむ。
「すごい……まるで知の迷宮みたいだ」
「これは王族専用の特別室よ。案内してくれるのは……あ、いたわ」
クラリスが呼びかけた先には、上品な老年の司書が控えていた。彼は深々と頭を下げ、一行を特別閲覧室へと案内する。
やがて、一冊の厚い革表紙の古文書が机の上に運ばれてきた。その表紙には、金文字でこう記されていた。
『千年魔王記』――
「これが……」
「魔王について記録されている最古の書物らしいわ。開いてみて」
イッセイがページをめくると、そこには驚くべき記述が並んでいた。
『魔王は千年の周期で目覚める。
その魔は大地を蝕み、人々を絶望に染める。
ただ一人、それを封じる聖なる存在あり――“聖女”と呼ばれし者なり』
「……聖女?」
ルーナが小さく呟いた。
「この文献には、聖女は代々、聖教会の本拠地にて、封印の要として存在していると……」
「それって、まさか今も?」
「可能性はあるわね。もし本当に魔王の封印が緩みかけているのなら……聖女が危険にさらされているかもしれない」
フィーナが真剣な顔で口を開いた。
「王都を出て、聖教会の本拠地――“セラフィア王国”へ向かうべきウサ!」
「セラフィア……そこなら僕、古代魔法の研究で少し関わりがあるにゃん。案内は任せてにゃん♪」
ミュリルが胸を張って微笑み、シャルロッテも静かに頷いた。
「この大地の精霊たちも、ざわついています。何か……大きな脅威が近づいている」
イッセイは古文書の最後のページに、かすれた筆跡で記された一文を見つけた。
『魔王の影、再び。されど導きの剣は、選ばれし者の手に宿る』
その言葉に、イッセイはゆっくりと拳を握った。
「――よし。次の目的地は決まったな。聖教会本部、セラフィアへ」
そして仲間たちは、再び歩き始める。
世界の命運を握る、新たな旅路が、今まさに開かれようとしていた。
「魔王……それが真実なら、放ってはおけないな」
イッセイは呟きながら、王都の石畳をゆっくりと歩く。その隣を歩くクラリスが、緊張した面持ちで頷いた。
「王立図書館なら、何か記録が残されているかもしれないわ。わたし、父にお願いして、特別閲覧許可を取っておいたの」
「流石、クラリスだな」
「当然でしょ。イッセイくんの役に立てるなら、なんでもするわ」
照れ隠しのようにそっぽを向いたクラリスに、ルーナが肩を寄せて茶化すように囁いた。
「ふふ~ん、クラリスちゃんってば、ずいぶん積極的じゃない? まるで“できる女”アピールだね」
「う、うるさいわね! ルーナこそ、なによ、その嬉しそうな顔!」
「えへへ、だって王立図書館って、わたし初めてなんだもん。なんかこう……トキメクよね?」
そうして軽口を叩き合いながらも、一行は王都の中心部に聳える巨大な石造りの建物――王立図書館へと足を踏み入れた。
荘厳な柱と高い天井、壁一面にびっしりと収められた古文書や魔導書。静寂と紙の匂いが満ちた空間に、イッセイは思わず息をのむ。
「すごい……まるで知の迷宮みたいだ」
「これは王族専用の特別室よ。案内してくれるのは……あ、いたわ」
クラリスが呼びかけた先には、上品な老年の司書が控えていた。彼は深々と頭を下げ、一行を特別閲覧室へと案内する。
やがて、一冊の厚い革表紙の古文書が机の上に運ばれてきた。その表紙には、金文字でこう記されていた。
『千年魔王記』――
「これが……」
「魔王について記録されている最古の書物らしいわ。開いてみて」
イッセイがページをめくると、そこには驚くべき記述が並んでいた。
『魔王は千年の周期で目覚める。
その魔は大地を蝕み、人々を絶望に染める。
ただ一人、それを封じる聖なる存在あり――“聖女”と呼ばれし者なり』
「……聖女?」
ルーナが小さく呟いた。
「この文献には、聖女は代々、聖教会の本拠地にて、封印の要として存在していると……」
「それって、まさか今も?」
「可能性はあるわね。もし本当に魔王の封印が緩みかけているのなら……聖女が危険にさらされているかもしれない」
フィーナが真剣な顔で口を開いた。
「王都を出て、聖教会の本拠地――“セラフィア王国”へ向かうべきウサ!」
「セラフィア……そこなら僕、古代魔法の研究で少し関わりがあるにゃん。案内は任せてにゃん♪」
ミュリルが胸を張って微笑み、シャルロッテも静かに頷いた。
「この大地の精霊たちも、ざわついています。何か……大きな脅威が近づいている」
イッセイは古文書の最後のページに、かすれた筆跡で記された一文を見つけた。
『魔王の影、再び。されど導きの剣は、選ばれし者の手に宿る』
その言葉に、イッセイはゆっくりと拳を握った。
「――よし。次の目的地は決まったな。聖教会本部、セラフィアへ」
そして仲間たちは、再び歩き始める。
世界の命運を握る、新たな旅路が、今まさに開かれようとしていた。
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