影の薄い悪役に転生してしまった僕と大食らい竜公爵様

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　えっと、とりあえず魔法見てみようかな。どうすればいいんだろう。確かこういう異世界ものではステータスオープンとかいっ……
　目の前に、画面みたいなものが浮かんだ。ステータスオープンであっていたみたいだ。

【ルイス】　　人族　男性
【魔力量】　　♾
【魔法属性】　聖属性
【スキル】　　無限収納　鑑定

　魔力量とか属性とか、気になるところはあるけど、無限収納と書いてあるところががぼんやり光っていたので、つっついて見る。
　中になにか入ってるみたいだ。見てみると、

[お守りゴーレム]　[すけるくん]　
[色変え魔法薬]　[増血剤]

の、4つが入っていた。神様が入れてくれたのかな。説明もあった。

　[お守りゴーレム]は自分とそっくりな姿になって、分身ができるアイテムらしい。再現度は神のお墨付き！との事。

　[すけるくん]文字どうりスケスケに！透明になったり、壁や縄も抜けられる優れもの！

　[色変え魔法薬]目と髪の色を変えられるよ！効き目はバッチリ！どんな色でも自由自在！

　[増血剤]神の作った増血剤。不足分を速やかにチャージ！

　増血剤……神様、アフターケアもバッチリですね。ありがとうございます。心の中でお礼を言った。
　そうそう、魔法！魔法には適正があって、火、水、風、土、の4つだ。
　でも僕は聖属性、どういう魔法なんだろう。

　というかルイスって魔力なかったよね。
　この世界では生まれてすぐに教会で魔力の色を見てもらう。水晶玉に手を置くと色が変わり、その色で適性をはかって光の強さで魔力量も図ることができるのだ。
　だけどルイスは4つのうちのどの色になることもなかったし、光ることもなかった。
　それもルイスが嫌われている原因のひとつなのだ。魔力を持っているのが当たり前で、魔力を持っていない、ということはかなりイレギュラーだから。

　色々あったけど僕は今ルイスなわけで……いきなり魔法使ったらおかしいよね。もしかして魔法使えないのかな……魔法を使ってみたかった僕はしょんぼりしてしまった。

　でっでも、神様だって使えない魔法を使えるようにするなんてしない、はずだし、なにか、きっとなにか意味があるはず。
　うーむむむ。手紙を読み返してみたり、アイテムの説明をよく読んだり、考えた僕は閃いた！

　僕の考えた計画はこうだ。僕は罪を着せられて死んでしまう。それを逆に利用しちゃうのだ。もちろん本当に死にはしない。捕まった時にお守りゴーレムで分身を作ってすけるくんで牢屋から脱出、違う国に行って髪の色と目の色を変えて、琉依として生きるのだ。

　神様はそのためにこのアイテムをくれたってことかな。自由に生きてくださいってそういうことか！ありがとうございます。神様。
　
処刑されるまでの1年間、立派にルイスを演じきって、目指すは自由な異世界ライフ！
　こうして、僕の自由をかけた1年が、幕を開けた。