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悩んでいても明日は来るもので、ベットで悶々としているうちにいつの間にか窓から朝日が差し込んでいた。
「眩しい……もう朝なの」
結局眠れなかった……もうすぐラトさんが朝ごはんを持ってきてくれる時間だ。コンコン、ノックの音がする。
「ルイス様、お目覚めでしょうか」
「おはよう、起きてるよ」
「では失礼いたします」
コトリ、ラトさんが朝ごはんのプレートをテーブルに置いてくれた。今日も美味しそうだ。着替えはまだ済んでないけどせっかくだから食べちゃおう。もそもそとベットを出てテーブルに向かう。
「う……」
寝不足のせいか頭が重くてふらりと体が傾き、ベットで丸まっていて痺れた足では踏ん張れずそのまま倒れ込んでしまった。
「ルイス様!」
ラトさんが僕を助け起こそうとしたまま固まっている。近づかないように配慮してくれてるんだろう。これ以上困らせちゃいけないな。
「大丈夫、自分で起きれるから……」
「その、大丈夫ですか。お顔の色も良くないようですし、なにかお心当たりはありますか?」
心当たり……ある、めっちゃある、けど初めて恋をして悶々と一晩中眠れませんでした!なんて恥ずかしくて言えないっ
「ちょっとふらついちゃっただけだから大丈夫」
「そうですか……なにか違和感などがありましたらすぐに私に教えてくださいね」
ラトさんに今日はベットで食べましょうかとか、あったかいスープをお付けしましょうかとか心配されるも、大丈夫だからとテーブルで朝ごはんを食べていると、ラトさんから衝撃のお知らせが告げられた。
なんとお米のレシピのことで王様直々に表彰されるそうだ。これからはなるべくひっそり部屋で過ごそうと思ったのに……もうレシピ公開した時点でひっそりじゃないのはわかってたけど!まさか公式の場で大々的に表彰とかされるなんて思ってなかった。
「お召し物を用意しなければなりませんね。ルイス様に着て頂くのですから最高に素敵なものをご用意しなくては。」
服?結構クローゼットにあった気がするけど……はっ!そっかルイスは10年くらいろくに部屋から出てないんだった。公の場に出る服とかはもう全部ちっちゃくなってるよね。
「採寸は難しいでしょうからサイズは既存のものになってしまいますが、デザインはオーダーメイドでルイス様の魅力をより引き立てるものにしましょう!」
心無しか僕よりラトさんの方がルンルンしてる?音符が周りに見えるような気さえしてきた。
「なんだか楽しそうだね」
「もちろんです!普段もお美しいのですがさらに違う魅力がでるかと、みな釘付けになりますよ!」
大袈裟だよっと言いかけたけれど、そうだルイスってめちゃめちゃ美形だったんだ。僕も最初に鏡を見た時天使みたいだと思ったくらいだもの。さらふわの薄い金髪に碧眼、何から何まで神様の最高傑作って言っても過言じゃないくらい。
天使の顔をした悪魔なんて呼ばれちゃっているけど……ちょっと僕も衣装の出来上がりが楽しみになってきた。
表彰まで時間が無く、こんな納期で受けてくれるところはなかなか見つからず……けれど一つだけ是非にと返事があったお店の方にお会いすることになった。
いつもの部屋と違う来客用の部屋でドキドキしながら待つこと数分……ドアがノックされ入ってきたのは綺麗なお兄さんだった。い、色気がすごい……
「あら~!なんって可愛いの!噂を信じて来てよかったわ!これは作りがいがあるわね~!」
……お兄さん、顔と口調のキャップが凄かった。
予想以上にグイグイくるお兄さんに戸惑っているとラトさんがビシッと制してくれた。
「ごめんなさいね…ついつい興奮しちゃって。可愛い子を見ると服を作りたい欲が止まらなくなるのよ。」
しゅん……しおしおと小さくなったお兄さん。
「あの、少しびっくりしただけで離れてくれれば大丈夫なので」
「分かったわ!アタシはレイン、これでも国一番のデザイナーよ!お客は……選ぶけどね♡」
パチリ、ウィンクまでされてしまった。ちょっと変わった人だけど、明るくて面白い人だな。クスリと笑うと、
「その表情!いいわよいいわよ~インスピレーションが湧いてきたわぁ!」
「触れないで一定の距離を保てば大丈夫なのよね、アタシに任せてちょうだい!こんな可愛い子の採寸なら目で十分よ♡ミリ単位で測ってあ・げ・る♡」
……やっぱりちょっと変な人かもしれない。
レインさんが頑張ってくれて、何とか表彰に間に合わせることができた。ちょっとハッスルしちゃった♡との衣装は白い生地に金の刺繍、所々に青い宝石がちりばめられ、ルイスにとてもよく似合っていた。ラトさんがべた褒めしてくれてちょっと恥ずかしかったけど、綺麗な衣装に僕もテンションが上がってしまった。
ちなみにサイズはぴったりでした。
レインさん……恐るべし!
さぁいよいよ明日だ!本当にギリギリセーフだった……ほっとしたらどっと疲れが押し寄せ、ベットに倒れ込むなり寝てしまった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
書きたいところは表彰式からの展開だったのに新キャラが出てきてしまいました…( ́ཫ`)
かなり好きなんですこういうキャラ笑笑
容姿について言及していないので皆様思い思いの色気のすごいお兄さんをご想像頂ければなと思います( * . .)"
今日は少し遅刻してしまいましたがなるべく毎日投稿しようと思いますので良かったら読んでいただけると嬉しいです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*
「眩しい……もう朝なの」
結局眠れなかった……もうすぐラトさんが朝ごはんを持ってきてくれる時間だ。コンコン、ノックの音がする。
「ルイス様、お目覚めでしょうか」
「おはよう、起きてるよ」
「では失礼いたします」
コトリ、ラトさんが朝ごはんのプレートをテーブルに置いてくれた。今日も美味しそうだ。着替えはまだ済んでないけどせっかくだから食べちゃおう。もそもそとベットを出てテーブルに向かう。
「う……」
寝不足のせいか頭が重くてふらりと体が傾き、ベットで丸まっていて痺れた足では踏ん張れずそのまま倒れ込んでしまった。
「ルイス様!」
ラトさんが僕を助け起こそうとしたまま固まっている。近づかないように配慮してくれてるんだろう。これ以上困らせちゃいけないな。
「大丈夫、自分で起きれるから……」
「その、大丈夫ですか。お顔の色も良くないようですし、なにかお心当たりはありますか?」
心当たり……ある、めっちゃある、けど初めて恋をして悶々と一晩中眠れませんでした!なんて恥ずかしくて言えないっ
「ちょっとふらついちゃっただけだから大丈夫」
「そうですか……なにか違和感などがありましたらすぐに私に教えてくださいね」
ラトさんに今日はベットで食べましょうかとか、あったかいスープをお付けしましょうかとか心配されるも、大丈夫だからとテーブルで朝ごはんを食べていると、ラトさんから衝撃のお知らせが告げられた。
なんとお米のレシピのことで王様直々に表彰されるそうだ。これからはなるべくひっそり部屋で過ごそうと思ったのに……もうレシピ公開した時点でひっそりじゃないのはわかってたけど!まさか公式の場で大々的に表彰とかされるなんて思ってなかった。
「お召し物を用意しなければなりませんね。ルイス様に着て頂くのですから最高に素敵なものをご用意しなくては。」
服?結構クローゼットにあった気がするけど……はっ!そっかルイスは10年くらいろくに部屋から出てないんだった。公の場に出る服とかはもう全部ちっちゃくなってるよね。
「採寸は難しいでしょうからサイズは既存のものになってしまいますが、デザインはオーダーメイドでルイス様の魅力をより引き立てるものにしましょう!」
心無しか僕よりラトさんの方がルンルンしてる?音符が周りに見えるような気さえしてきた。
「なんだか楽しそうだね」
「もちろんです!普段もお美しいのですがさらに違う魅力がでるかと、みな釘付けになりますよ!」
大袈裟だよっと言いかけたけれど、そうだルイスってめちゃめちゃ美形だったんだ。僕も最初に鏡を見た時天使みたいだと思ったくらいだもの。さらふわの薄い金髪に碧眼、何から何まで神様の最高傑作って言っても過言じゃないくらい。
天使の顔をした悪魔なんて呼ばれちゃっているけど……ちょっと僕も衣装の出来上がりが楽しみになってきた。
表彰まで時間が無く、こんな納期で受けてくれるところはなかなか見つからず……けれど一つだけ是非にと返事があったお店の方にお会いすることになった。
いつもの部屋と違う来客用の部屋でドキドキしながら待つこと数分……ドアがノックされ入ってきたのは綺麗なお兄さんだった。い、色気がすごい……
「あら~!なんって可愛いの!噂を信じて来てよかったわ!これは作りがいがあるわね~!」
……お兄さん、顔と口調のキャップが凄かった。
予想以上にグイグイくるお兄さんに戸惑っているとラトさんがビシッと制してくれた。
「ごめんなさいね…ついつい興奮しちゃって。可愛い子を見ると服を作りたい欲が止まらなくなるのよ。」
しゅん……しおしおと小さくなったお兄さん。
「あの、少しびっくりしただけで離れてくれれば大丈夫なので」
「分かったわ!アタシはレイン、これでも国一番のデザイナーよ!お客は……選ぶけどね♡」
パチリ、ウィンクまでされてしまった。ちょっと変わった人だけど、明るくて面白い人だな。クスリと笑うと、
「その表情!いいわよいいわよ~インスピレーションが湧いてきたわぁ!」
「触れないで一定の距離を保てば大丈夫なのよね、アタシに任せてちょうだい!こんな可愛い子の採寸なら目で十分よ♡ミリ単位で測ってあ・げ・る♡」
……やっぱりちょっと変な人かもしれない。
レインさんが頑張ってくれて、何とか表彰に間に合わせることができた。ちょっとハッスルしちゃった♡との衣装は白い生地に金の刺繍、所々に青い宝石がちりばめられ、ルイスにとてもよく似合っていた。ラトさんがべた褒めしてくれてちょっと恥ずかしかったけど、綺麗な衣装に僕もテンションが上がってしまった。
ちなみにサイズはぴったりでした。
レインさん……恐るべし!
さぁいよいよ明日だ!本当にギリギリセーフだった……ほっとしたらどっと疲れが押し寄せ、ベットに倒れ込むなり寝てしまった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
書きたいところは表彰式からの展開だったのに新キャラが出てきてしまいました…( ́ཫ`)
かなり好きなんですこういうキャラ笑笑
容姿について言及していないので皆様思い思いの色気のすごいお兄さんをご想像頂ければなと思います( * . .)"
今日は少し遅刻してしまいましたがなるべく毎日投稿しようと思いますので良かったら読んでいただけると嬉しいです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*
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