影の薄い悪役に転生してしまった僕と大食らい竜公爵様

佐藤 あまり

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 気づけばこの世界に来てからもう半年以上もたっていた。ここを離れる準備も進めなくちゃ。
 もうすぐでラトさんともお別れなんだ…なにかお礼できることはないかな?部屋にあった宝石類とか譲ろうかな。僕はもう使わないし、10年以上務めてくれたしね。
 感謝の気持ちとお礼のことを書いて、それといきなりこんな手紙を渡したら混乱させちゃうから、この手紙は僕がここを去った後に読んで欲しいんだよね。処刑(仮)される時に置いていく訳にはいかないし…どうやって渡そう。さり気なく僕が居なくなった時に読んでねって言うしかないかな。

 ばふりとベットに倒れ込み、もそもそと天井を見上げた。この世界に来て初めて見た景色だ。
 どうしてこんなに泣き出したいような気持ちになるんだろう。処刑を回避して他の国で憧れの魔法を使って…冒険もしてみたいしやりたいことは沢山あるはずなのに全くと言っていいほど心が晴れない。

 ふっとディヴィス様の顔が浮かんだ。
 ああ…他の国に行ったらもう遠くから姿を見ることさえ叶わなくなるんだ。やだな…
 ずきずきと傷んでいた胸の違和感のピースがはまってしまいそうで僕は布団を被ってまるまった。だってそんなの、こんな気持ち恋しているみたいだ。恋……いやいや、恋だなんて、確かにディヴィス様は素敵な人で、僕の憧れだけど……
 そう、僕の作った料理を美味しそうに食べてくれて、大きな背中は安心できて、それで……
 気づいてしまえばあとは簡単だった。
 僕はディヴィス様に恋をしている。
 叶わない、恋を。
 




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
 お久しぶりです。近況ボードにまた続き書きたいと書いたのになかなか投稿出来ず…そうでした1年前の私は感情書くのが難しすぎて筆を、もといスマホをぶん投げたのでした。
 久々一発目が短くなってしまいましたが次の展開も下書きはちょこちょこ出来上がっております。
 とりあえず出して読んで頂こう!という気持ちで投稿しますので温かい目で見守って頂けたら嬉しいです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*
 

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