セカンドコンタクト

アカネラヤ

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セカンドコンタクト2

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『開けてもええよ~~。開けたらすぐ閉めるんやで』
「分かりました」
 しばらくしてセカイさんからOKサインがきたのを合図に、俺は宅内にお邪魔した。

 玄関にはサンダルとセカイさんの靴?と思われる履物が二足。
 それ以外は何も出ていなかった。
 ……そういえば家族旅行って言ってたっけ。

「セカイさん、スリッパ借りますよ」
『ええからはよ二階に来いッ』
「ふふ、はいはい」
 『この一大事になに笑とんねん』と、電話の奥でぶつくさ言うセカイさんに微笑みつつ。
 下駄箱の真横に置かれていたスリッパを一足頂戴し、二階への階段を登る。
 二階には複数の扉があったけど。
 俺を導くようにたったひとつの部屋へ続く扉のみが開いていて。
 おかげでセカイさんのいる部屋に迷わず向かうことが出来た。
 役目を終えたスマホの通話を切り、その部屋へと足を踏み入れる。
「この部屋ですね。セカイさん、俺来まし────ぐおぁっ、よ……」
 明かりのついた部屋に到着したとたん、俺はセカイさんからの猛タックルに悶絶しそうになる。
「うええぇぇぇっ、ヤクトオォォオ!!俺どないしたらええねん、なあ俺、どないしよおぉぉッ!!」
 タックルしてきたセカイさんは俺とは違って上下白色のジャージという、とてもラフな格好で。
 そして。
 もっと驚いた事はその身長差。
 今までにも通話中に。
 実は一度だけ話題にはなったものの、なんだかんだではぐらかされて、結局のところ身長を知る事は出来なかったが。
 ……俺の頭一個分小さいのかな?
 単純計算で、俺より十センチくらい低いってことか。
「セカイさん。一体どうした…ん…です、か……?って。なにその耳」
 すんすんと俺にすがりついて泣きじゃくるセカイさんの頭にはピルピルと振るえる、これまた愛らしい大きな獣耳がついていて。

 え。
 なにこれ。
 すげぇ可愛いんだけど。

 セカイさんの髪色と同じくやわらかな茶色の耳はまさしく猫?耳で。
 それがまたセカイさんにとてもよく似合っていて。
 耳の大きさはちょうど俺の手の握りこぶしサイズといったところか。
 かなり大きな猫耳だ。
 もしやと思って本来人間についているべき耳の箇所をチラリと見てみると、しっかりと人間の耳もついていたので俺はホッと胸を撫で下ろす。
「これが通話で言ってた猫耳ですね」
「ううぅぅぅ、ううぅぅぅっ」
 今までの不安と寂しさをぶちまけるがごとく、セカイさんはずっと泣いている。

 …でっかい瞳。
 ……ちっさい鼻。
 
 セカイさんの容姿は、聞いていた年齢よりも遥かに幼く見える整った顔立ちで。

 え。
 想像以上にすげえ可愛いんだけど。

「え……っと、コレ取れないんですよね?」
「……うん。何度取ろうと思ぅても痛くてしゃぁないねん」
 どうしたものか、と。俺はふいにセカイさんについている猫耳を触ってみる。
「ぅんぁ…っ!?」
「んぇ!?」

 なんか。
 今。

 ──すごいエロい声が聞こえたような。

 いやまさかな?
 でもたしか猫って耳と尻尾が弱点っていうし……いやまさかそんな。
 
「セカイさん、ちょッッと、すいません」
「ん?どないしたんヤクト……、あっ…んッ」
 俺が耳を触るたびにセカイさんが卑猥な声をあげる。
 セカイさんが声をあげるたびにその猫耳は小さくふるふると可愛くゆれる。
 獣耳の触り心地はまさしく猫のそれであり。
 やはりよく見ると付け耳などでは一切なく、彼の頭髪からしっかりとその獣耳は生えていて。
「これ付け耳じゃないですね?完全に生えてますよ。もしかして尻尾もそうなんじゃないんですか?」
 よく見ると尻尾もまさしく猫のそれと同じで、ふるふると震えている。
 太さは俺の手首くらいで、長さはセカイさんの足首までは届かないものの、かなりの長さとみた。
「ヤ、ヤクトォ……、コレもう嫌やぁ、助けて、助けてぇっ」

 ──だから。

 上目遣いでしかも泣き顔って。
 それ反則ですってセカイさん!!

 俺は迫りくる欲望を抑えるのに必死なのに。
 セカイさん堪忍してください。
 
 俺の防波堤結構脆いんすよ。

「あ~~。あぁと、その。セカイさん、尻尾のほうも見せて貰えませんかね?」
 目を泳がせながら適当な事を言う。こうでもしないと理性がもたない。
 緊張からか、つい声高になってしまう自分。
 俺はとにかくこの上目遣いから逃れたくて。
 
 逃れたくて。

 ……いや本音はすっっげえ可愛いからずっと見てたいんだけど。
「ん?ええよ?」
 簡単に了承したセカイさんは俺の意図とは正反対に、俺に背を向いた状態で突如床に座り。
 なんとそこから四つん這いになってさらにその状態でこっちを見る。
「ほら、これのが見やすいやろ?」
 たぶん彼としては早く原因究明をして、この耳と尻尾を取ってしまいたい一心の行動なのは分かる。
 すごく判る。
 
 解かる……んだけど……っ!!

 俺は目をつぶり、天を仰ぐ。
 少しでも理性を回復させるために。
 ちょっとでも気を紛らさせようと、着ていたコートを脱ぎつつ適当に折りたたむ。
 
 でもその行動もセカイさんの無慈悲な一言で崩壊する。
 
「ヤクト……はよぅ。はよして?」


 ────……。

[#ページの左右中央]
 さようなら、俺の理性。
 そして今までよく頑張った俺の理性。
 お前の事は多分一生忘れない。
[#改ページ]
 俺は畳んだコートを傍に置きつつ、セカイさんのちょうど真後ろに腰掛ける。
 そこはまさしく目の前が尻、じゃなくて尻尾。
 この尻尾はどうやって生えてんだろ。服突き破ってる感は見られないけど。
 よく見ると尻のあたりに尻尾の付け根のようなところが見える。
 ああ、こっから生えてるのか。それにしてもよく破らずにこれたなぁ。
「セカイさん、よくジャージ破らずに尻尾出せてますね?」
 俺は妙なところで感心していた。
「ん?ああ、でもな。ソレのおかげでパンツよう履かれへんねん。どうしても半ケツになってまうねん」
「あ~~。なるほど、半ケ…ツ──……」
 尻尾の付け根をさらによく見てみると。
 付け根の真下にセカイさんのお尻が少しだけあらわになっていて。
 彼がいうように尻尾のせいでズボンが完全に寸止めになっていた。
 
 え、何この神光景。

 そして。
 いろんな感情と葛藤している俺を嘲笑うかのように、セカイさんの尻尾がゆらゆらと視界を遮る。
 俺は目の前でふわふわ踊る尻尾が気になってしまい、つい右手でやさしく掴んでしまった。
「…っひぃんッ」
「あ、すんません。目の前でゆらゆらしてたもんでつい」
 そう言いながら俺は掴んでいる尻尾をやさしくさすってみる。
「……いや、別にええ、ねん……ぁっ、や、んやゃ、やっぱ駄目っ、なんか、おかし、なる……ッ」
 やっぱり耳と同じで、しっかりと神経通ってるみたいだな。
「んゃ、やっ、ひっ、……ィィ…っ」
 喘ぐセカイさんは妄想をはるかに超えた可愛いさで。
 声を発するたびに腰が軽く飛び跳ねる。
 そして少しずつだが段々と腰の位置が高くなっていて。
 
 気がつけば。
 股下からもセカイさんの可愛い真っ赤な顔が拝めるほどになっていた。
 
「なんか、本物の猫みたいですね」
 素直に反応するセカイさんが可愛くて、尻尾の付け根を重点的に攻めてみる。
 猫はたしか、ここが弱い。
「んゃああぁぁんっ!ぁ、ゃ、んやぁ、やゃ、んやぁッ」
 案の定セカイさんの反応が変わった。俺が付け根をいじるたびに腰が面白いように跳ねる。
「ひっ、ひぃっ、んぃぃっ」
 感じすぎて怖いのか、セカイさんの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。

 その顔ですら。──可愛いくて仕方がない。
 腰が、もう上がるところまで上がりきってて足が爪先立ちで。
 そんな体勢のせいで、もともとしっかりとはけていなかったズボンがスルスルと下に降りてくる。
 そこであらわになったものは。
 セカイさんの無駄のない筋肉で構成された綺麗な脚と。
 黒を基調としたピンクで縁取られた、ワンポイントにスカルがあしらわれたボクサーパンツ。
「い、いややぁ、ヤクト、見んなぁっ!」
 セカイさんの股間部分に染みが出来ている事を発見。
 そこはもうすでに勃ち上がっていて、ふるふると震えていた。
「セカイさん……すっげ、可愛いですよ」
「いややあっ!!アホッ!!見んなあああっ!!」
 セカイさんが悲痛な眼差しで俺に懇願する。
 
 すんませんセカイさん。
 俺我慢できません。

 セカイさんの忠告を無視してボクサーパンツに手をかけて、一気に下へとずり下ろす。
「ぅにゅ…っ!!」
 擦れる感覚すら気持ち良いのか、セカイさんが小さくビクつきながらもうめき声をあげる。
「ややぁ……、もうっ、見んなてぇ!」
 ボクサーパンツからあらわにされたソレは、見事に反り返って赤く充血してビクビクと脈打っている。
 同じ男だからこそ見れば解る。
 これはもう爆発寸前だ。

 先端部分はパンツに染みを付けた原因であろう先走りの汁が溢れていて。
 その汁は真下の絨毯に滴りさらに染みを作っていた。
「はぁっ、はぁ……ッ」
 肩で息をするセカイさんも可愛い。
 息をするたびにピルピルと猫耳も動く。
 それもまた可愛い。
 顔を蒸気させて目がとろんとして、涙と鼻水とヨダレまみれの愛しい人。
「すんませんセカイさん。つい悪乗りしてしまって」
「ふっ……うぅぅぅ……ッ」
 セカイさんは余程悔しかったのか、声を殺して泣いている。
 そんな姿ですら今の俺には愛おしくて
 
 こんな俺でごめんなさい。

「でもなんかもうココ、あとちょっとでイきそうですよね?」
 俺の右手が。
 吸い込まれるように彼の股間に伸びてゆく。
 ゆっくりと。
 ゆっくりと。
 セカイさんにとっては恐怖の時間。
 ゆっくりと、俺の手が伸びてゆく。

 ──ゆっくりと。

「ひっ、ひぃぃっ、やめっ…、触、んなあぁっ!!」
 中指に滴る先走り汁。
 ぽたっ、ぽたっと生暖かい汁が落ちてくる。
「すっげぇエロい」
 そんな俺を真っ赤になって見つめるセカイさんの顔は、恐怖と羞恥心で震えている。
「滴ってますよ」
「…っ!!うっさいわボケッ!!」
 その勝気な発言に俺の黒い部分が顔をのぞかせる。
 
 中指を。
 可愛く震える先走る先端に、ツンと触れてやる。
「んひぃッ!?」
 一番敏感な箇所を触られてセカイさんの身体が今までになくビクンッと跳ね上がった。
「はい、喘ぎ声頂きましたぁ」
「殺す、あとで絶対殺す……!」
 真っ赤な顔をしてまだ生意気な発言をするセカイさんを尻目に。
 何度も先端をツンツンしてやると、その度に腰が面白いように跳ね上がる。
「んっ、ふ、んにぃっ、ぃん、ゃあっ……」
 顔がまたとろんとしてきた。
 かわいいなぁ。
 今度はセカイさん自身を先端から睾丸まで、ツツツツと中指で伝ってやる。
「はあぁぁぁん…ッ」
 ふるふるっと先端がゆれる。可愛らしくゆれるソレを右手でやんわりと握りしめる。
「んあっ…」
 そしてそのまま上下にこする。
 こする。
 こする。
「ぁっ、あっ、ヤクト、それっ、だめ、だ……っ、んあぁっ!」
 声の質がだんだんと高くなっていて。
 俺がこする度にセカイさんの腰がビクビクとうねる。
 俺がこする度にセカイさん自身の鼓動も早くなる。
「ぃやや、ヤクトぉ!これ以上はあかん!ぃややぁァァ……ッッ!!」
 すごく熱い。
 イけ、早くイけ。
 イッたセカイさんが見たい。

「やばいからっ!…や、あか、もあかん、イク、イッちゃううゥゥ~~……ッッ!!」
 身体を大きく弾ませてセカイさんは盛大に射精した。
 ボタタッと絨毯に飛び散る白く粘っこい液体。
「……あれ、もしかしてセカイさんここ最近シてなかったんですか?」
「うっさい……!そんなヒマある訳ないやろが……っ!」
 ゼエハアと余韻の痙攣をしながらもセカイさんはまだ強がりを言う。

「ふふ、可愛いですよセカイさん。気持ちよかったですか?」
「ぅ……。ょ、よかったよ、よかったけどもやなぁっ!!お前いきなりはないやろ!?俺めっちゃ、めっっっちゃ怖かってんぞっ!?」
 セカイさんの目に涙が溜まっている。顔がふるふると震えている。
 痙攣のおさまった身体をゆっくりと起こしつつ、セカイさんは俺を睨んだ。
「なんか俺、処女を犯した人みたいになってますね」
 そう言いながら俺の目はセカイさんの下半身に釘付けで。
 なにあれエロすぎじゃね?
 上も脱がしたいなぁ。
 乳首とかすげー見たいんだけど。
「実際犯しとるやんけっ!俺、もう、もう……ッ」
 ううぅぅっ、と泣き出すセカイさん。
 その可愛い泣き顔に俺は面食らう。
 すんませんこんな俺で。
「可愛すぎるセカイさんがいけないんですよ。四つん這いとか、あんな格好して俺を誘うからいけないんです」
「は?俺が誘っとるわけないやろ!?お前が尻尾見たいゆうから見やすいようにしたっただけやんけ!」
 あと、最後の一言も破壊力ありましたよ?
「そういう無防備なとこが誘ってるっていってるんです」
「は!?なんやのもう、訳解らんわ!お前はよ帰れやもうッッ!!」
 セカイさんはなかばキレ気味で。
 泣きべそをかきながらも少しずつ俺との距離を稼ごうと後ろに後ずさる。
「呼び出したのセカイさんじゃないですか」
「せ、せやけど。……こんなんされる為に呼んだんとちゃうわ!はよ出てけやもうッ!!」
「耳と尻尾、一人でどうするつもりなんですか?」
 改めて耳と尻尾を見る。
 嗚呼ほんと、セカイさんにこれ以上はないってくらいに似合ってる。可愛い。
 
 
 ──あれ?
 でも。
 なんか違和感がある、ような……?

「せやかて、お前といてもチンコいじられるだけやんけ──……って、なんやのいきなり黙り込んで」
「…いや、気のせいか耳と尻尾がさっきより小さくなってるような気がして……」
 セカイさんが先ほどの俺を警戒して少し遠くに離れている今では遠近法の誤差かもしれないけど。
「え、マジで!?」 
 今までの悲痛な顔はどこへやら、セカイさんの顔は希望に満ちた表情に変わる。
 でもまだ泣き顔。これはこれで可愛らしい。
 俺の言葉を聞いたセカイさんは部屋の隅にあるスタンドミラーへ一直線にダダダダッと駆けてゆく。
「おお、おおっ!!……ほんまや!ほんまに小さくなっとるっ!…え、なんでやろ、何が原因なんやろ!?」
 己に生えた耳と尻尾をふさふさと触って大きさを確かめている。
 もう、セカイさん。
 そのペタン座りなにそれ反則。
 すっげえ可愛いんですけど。
「ヤクト、俺の耳と尻尾ちっさくなっとる!!なっとるよぉぉっ!!」
 俺に報告するために満面の笑みで振り返り嬉しさを隠しきれないセカイさんの顔。
 あまりの感動に今度は嬉しくて涙目になっている。
 だから可愛すぎですって。
 小さくなった耳と尻尾をよく見せるために、今度はスタンドミラーから俺の目の前まで嬉しそうに四つん這いで駆け寄ってきた。

 なにこの可愛い生き物。

「ヤクトっ!ほら見て見てっ!俺の耳と尻尾ちっさくなっとるっ!ほれほれっ!」
 確かにセカイさんに生えている耳はひとまわり分小さく、尻尾は若干短くなったような気がする。
 だが、いまだにピルピルと動くことに変わりはなく。
 相変わらず神経は通っているのだなと改めて確信する。
「ええ。それにしてもなんで小さくなったんですかね?」
 当たり前の疑問を発言した俺を見て「せやなぁ…」とセカイさんも腕を組み考える。
「ほんまなんでやろ。ちっちゃくなる前に俺らがなんかしたって事か。それが原因なんかな」

 その可能性は高い。
 
 では。
 それまで俺達は何をしていたのか?という事になるわけで。

「多分そうじゃないですかね、その前まで全く変化なかった訳ですから。となると……」
「てなると──……」
 みるみるセカイさんの顔が赤くなる。

 あ、湯気出そう。

 あ、爆ぜた。

「い、いやいや、いやややや。そんな訳ないやろ、そそそそんなまさか……っ」
「いやでもアレ以外俺ら何もしてませんよ」
 セカイさんは壊れたロボットのように「やややや…」と首を震わせ否定しようとするが。
 やはり彼自身も原因はアレしかないと思ったらしく、俺の顔を見てさらに顔が赤くなる。
 口がぱくぱくと鯉がエサを欲しがる様に震えている。

 先ほどよりも少しずつ理性の戻ってきている俺に、今のセカイさんの表情はやはり堪える。
 ……すんません。
 俺さっき暴走して無理強いさせちゃいましたね。

「もしかしたら別の方法もあるかもしれませんから。それは最後の手段くらいに考えときましょか。俺さっきは暴走しちゃってセカイさん怖がらせちゃいましたから。ホント、すいません」
「あ……いや、俺の方こそ怖がったりしてごめんな。なんかあん時のお前、目が怖かってんもん。いつものヤクトじゃなかってん。というても初対面やけど」
「すんませんセカイさん。俺ホンッットに最低です」
「いや、……ん~~、まあええよええよ。もう。今はいつものヤクトやさかい、な。俺も気持ちよかったし、済んだ事やさかい、もうええって」
 セカイさん。
 こんな時にまで俺を気遣ってくれるのか。
「ほんとに。──俺、マジですんませ……っ」
 本当に俺は先程の行動が恥ずかしくなって、目の前で泣き出してしまった。
 そんな俺を「しゃーないなぁ」と言うとセカイさんは俺を優しく抱き寄せる。
「ほんまは俺が泣きたいくらいやのに、そないお前に泣かれたら俺もう泣かれへんやんけ」
 もう一度「しゃーないなぁ」と言いながら俺の頭をぽんぽん、と優しく叩く。
「セカイさん……っ…俺、もうしませんから……っ」
 俺の涙の懇願に。
 セカイさんはなぜか困ったような顔をしていて。
「あ~~。いや、それなんやけどなヤクト」
「……はい?」
 俺の問いかけにセカイさんは少し顔を赤らめてそっぽを向く。
「そのな。さっきのアレ、……もっかい俺にしてみぃひんか?」
 突然の提案に俺は耳を疑った。
 そりゃ当前だ。
 さっきのアレ=セカイさん強姦事変である。
「は?……いやいやあなたさっき泣いてたじゃないですか。それにめちゃくちゃ怒ってたでしょ?」
「それはお前が俺に無理強いしたからやろ。今からはそうやなくて合意の上や。それならええやろ」
「え、そりゃ俺は構わないですけど……セカイさんの方は大丈夫なんですか?」
「そりゃ男同士つったらヘドが出るけどな、ヤクトやったら俺いけると思うねん。それに俺、お前の事好きやし」
「好き……ねぇ」
 
 その「好き」は確実に。
 俺の「好き」とは違うんだよなぁ。


「せやからヤクト、次は優しくしてな?」


 ──だからセカイさん、上目遣いのその台詞は反則ですって!! 
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