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第1章
14.
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翌朝、田中が出勤すると、成島がどこかの地図を広げていた。
「何を調べているんだ?」
田中の問い掛けに成島が顔を上げる。
「田中さん、いらしてたんですか。これ、今、都内の地図を見ていたんです。谷本さんの言っていた駅付近に学校があるんじゃないか、と思って」
「確かに学生という線も大有りだな」
「朝のラッシュ時間帯に、都心方面に移動しているんですから、通学か通勤でしょう。男の風貌からすると、大学生か、専門学校生の可能性が高いのではないでしょうか」
「そうだな。防犯カメラの映像だけじゃ、埒が明かないしな。俺は、昨日の続きに入る前に、目撃情報呼びかけの看板を頼みに行ってくるよ」
男が通勤か通学のためにあの駅を使っていることは大いに考えられた。ならば、またあの同じ場所を通るのではないか。もし、気にしているなら、看板を見て、自ら名乗り出てくる可能性だってある。どんな内容にしたらよいか、田中は考えていた。
出来上がった看板を持って、北千住駅へと出向いた。事故現場から見える位置に設置してほしいと、駅員に頼んでいるところで、携帯電話が鳴った。区内で強盗傷害事件が発生したとの内容だった。応援要請の呼び出しの電話だ。刑事の仕事は気ままにこなせるものではない。仕事中だろうが、たまの休日であろうが、緊急を要する事態が起これば、とにかく駆け付けるしかない。
持って来た看板を駅員に託すと、田中は千住署へと踵を返した。
「何を調べているんだ?」
田中の問い掛けに成島が顔を上げる。
「田中さん、いらしてたんですか。これ、今、都内の地図を見ていたんです。谷本さんの言っていた駅付近に学校があるんじゃないか、と思って」
「確かに学生という線も大有りだな」
「朝のラッシュ時間帯に、都心方面に移動しているんですから、通学か通勤でしょう。男の風貌からすると、大学生か、専門学校生の可能性が高いのではないでしょうか」
「そうだな。防犯カメラの映像だけじゃ、埒が明かないしな。俺は、昨日の続きに入る前に、目撃情報呼びかけの看板を頼みに行ってくるよ」
男が通勤か通学のためにあの駅を使っていることは大いに考えられた。ならば、またあの同じ場所を通るのではないか。もし、気にしているなら、看板を見て、自ら名乗り出てくる可能性だってある。どんな内容にしたらよいか、田中は考えていた。
出来上がった看板を持って、北千住駅へと出向いた。事故現場から見える位置に設置してほしいと、駅員に頼んでいるところで、携帯電話が鳴った。区内で強盗傷害事件が発生したとの内容だった。応援要請の呼び出しの電話だ。刑事の仕事は気ままにこなせるものではない。仕事中だろうが、たまの休日であろうが、緊急を要する事態が起これば、とにかく駆け付けるしかない。
持って来た看板を駅員に託すと、田中は千住署へと踵を返した。
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