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第29話
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次の日の朝、早めに起きた俺はキョウヘイから返信が着ているか確認するため、スマホを手に取った。スマホを見てみると、昨日の夜11時半ぐらいにキョウヘイから返信が来ていた。(俺がメッセージを送ったのは11時くらいだった。)
キョウヘイからは、「分かった。」とだけメッセージが来ていた。
俺はその返信を見て、急いで朝ご飯を食べにリビングへ向かった。一昨日も早めに起きて登校したので、母さんが「何かあるの?」と聞いてきたが、本当のことを話すわけにはいかないので、「いや、別に何もないよ。ただ早く目が覚めただけだよ。」と言って、誤魔化した。(誤魔化せたかどうかは分からないが。)
朝ご飯を食べて、身支度を整えてから学校へ登校した。天気が良かったので幸先がいいなと思いながら登校した。
学校に着いて教室に入ると俺が一番乗りかと思っていたら、もうすでにキョウヘイが教室にいた。先に学校に来て誠意を見せようと思っていたが、うまくは行かないものだな。と考えていると、キョウヘイが、「何か話があるんだろう?いつもより早く学校に来てやったんだから、くだらないことだったら許さないぞ。」と言ってきた。
声のトーンは普段と変わらないが、俺に対して苛立っていることは分かった。俺はこれ以上キョウヘイを苛立たせないように誠心誠意で、「キョウヘイ!キョウヘイが俺に対して苛立っているのは分かる。カジワラと付き合うためにナツキを形ばかりの彼女にするなんてナツキに対して失礼だもんな。でも、信じてくれ!俺は形ばかりの彼女だからってナツキをぞんざいに扱ったりしない!本当の彼女のように扱うし、傷つけるようなことはしないから許してくれないか?」と伝えた。
キョウヘイはしばらく何も言わず、複雑な気持ちを整理しているのか苦しそうな表情をしていたが、しばらくすると俺の目をジッと見つめ、「本当にナツキを傷つけないんだな?」と確認してきた。「ああ。本当だ。」と俺が答えると、「分かった。許すよ。」と返答してきた。
「本当か?」と俺が確認すると、キョウヘイはこくんと頷いて、「本当だよ。それに本来俺にセイを怒る権利はないんだよ。ナツキがセイの提案にOK出した時点で。」と答えた。
「そうか。ありがとう。」
「カジワラかハタケに言われたのか?」
「え?」
「俺と仲直りするように言われたんだろ?放課後4人で漫画の話ができないから。」
「いや、言われてないけど。」
「え?じゃあ、セイが親友の俺とギクシャクした関係のままが嫌だったからか?」
「うん。それもあるけど、一番の理由は期末試験が近いから、また勉強を教えてほしいからなんだ。」
「はぁ?何だよそれ?」
キョウヘイは声のトーンは少し怒っている感じだが、顔は笑いながら文句を言っていた。
俺はキョウヘイと仲直り出来たみたいで心から喜んでいた。
「カジワラと付き合ってもう3日も経つのにデートをするどころか一緒に帰ってすらいないのか?」
「ああ。実はそうなんだ。カジワラが『何か私を楽しませることを思いつくまで一緒には帰らない。』って言ってきたんだ。だから、一昨日と昨日はナツキと帰ったんだ。」
昼休み、俺は人があまり来ない第3特別教室で弁当を食べながらキョウヘイに今日までのカジワラとのことやナツキとのことを話していた。
「それで何か思いついたのか?」
「たいしたことは思いつかなかったけど、帰り道の途中でどっかのお店に寄って何か食べながら会話するのはいいんじゃないかと考えたんだけど、キョウヘイはどう思う?」
「う~ん、ただ歩きながら会話するよりはいいと思うけど、それでカジワラが納得するかは分からないな。ごめん。」
「いや、キョウヘイの意見を聞きたかっただけだから、全然大丈夫だよ。」
「それにしても、一緒に帰ってすらくれないとはカジワラは少し厳しい奴だな。これじゃ、デートしてもらうのも大変なんじゃないのか?」
「そうなんだよ!デートしてほしかったら、ナツキとまずデートして、カジワラを楽しませられるプランを立ててからじゃなきゃダメなんだよ!厳しいよな~?」
「そうか。でも、カジワラは恋人じゃなくて愛人としてセイと付き合っているわけだから、楽しい思いだけしたいのかもしれないな。」
「うん。きっとそうなんだろうけど、やっぱり厳しい気がする。」
「なぁ、セイ?まだ付き合って3日で聞くことじゃないけど、カジワラと付き合ってみて良かったと思ってるか?俺からすると愛人として付き合ってもらう前の方がマシのように感じるんだが。」
キョウヘイがジッと俺の目を見つめて真剣なトーンで俺に質問してきた。
確かにまだ付き合って3日とはいえ、お付き合いしている関係とは全く思えない動きをさせられている。これならキョウヘイの言う通り、付き合う前の方が一緒に居られてよかったのかもしれないと少しは思う。だけど、やっぱり愛人としてでも付き合ってもらっている今の方が良かったと思える。なぜなら……。
「キョウヘイからすると、そう思って当たり前だと思うけど、俺は付き合う前よりも愛人として付き合ってもらっている今の方が幸せだぞ!なぜなら、愛人としてでも付き合ってもらってさえいれば、誰かにカジワラを取られる心配が減るからな!」
俺はジッと見つめるキョウヘイの目をジッと見つめながら正直な気持ちを答えた。
キョウヘイは微笑みながら、「そっか。それならいいんだ。」と返答してきた。
そろそろ昼休みが終わりそうだったので、弁当の残りを急いで食べて、俺とキョウヘイは教室に戻った。
放課後、久しぶりにキョウヘイがすぐに帰らず、漫画談義をするため教室に残っていたので、カジワラとハタケがキョウヘイから離れた所に俺を連れて行き、「仲直りしたの?」と聞いてきた。
俺はカジワラとハタケが俺とキョウヘイの関係がこじれていたことに気が付いていたのにもかかわらず、あまり追及してこなかったことをありがたく感じた。
「実はそうなんだ。」
「『なんで喧嘩してたの?』って聞いてもいい?」
ハタケがおずおずと質問してきた。
「ごめん。それはあまり答えたくないな。」
「そっか。それなら答えなくていいよ。ごめんね。」
「まあ、喧嘩の理由はどうあれ、仲直りしたのなら問題ないよ。今日からは4人で漫画の話ができるんだし。」
カジワラがそう言ってくれたので、俺の気も少し晴れた。
「おーい。俺をのけ者にするなよ。」
キョウヘイが寂しそうな顔をして俺たちの方にやって来たので、「ごめんごめん。」と謝った。
久しぶりにいつも通りの4人で漫画の話をしたので、かなり盛り上がった。あっという間に5時になってしまった。
「5時になったし、そろそろ帰ろうか?」
キョウヘイがそう切り出すと、俺とカジワラとハタケは「そうだな。」と言って、帰宅の準備を始めた。今日もカジワラは俺を待つことなくハタケと下校しようとしていたので、俺は「カジワラ、ちょっと待ってくれ!」と言って、カジワラを呼び止めた。
「どうかした?トツカくん?」
「カジワラを楽しませることを思いついたから、今日は一緒に帰ってくれないか?」
「そうなんだ?それでどんなことを思いついたの?」
「えーと、帰り道の途中でどっかお店に寄って何か食べながら話すというのはどうでしょうか?」
俺は緊張からか、いつもよりも丁寧な聞き方をしてしまった。
カジワラは少し考えこむような表情をしたが、すぐに、「ごめん。その案は却下だね。」と返答してきた。
「え?どうして?」
「理由は2つあって、1つ目は5時40分の電車に乗って、すぐに家に帰りたいから。2つ目は何か食べたいと思うほどお腹がすいていないから。」
「そんなぁ。じゃあこの案じゃ、ずっと一緒に帰ってくれないってことか?」
「う~ん、そこまで悪いって訳じゃないよ。ただ今日はタイミングが悪いってだけだよ。明日は土曜日で授業は午前中までだから、明日ならいいよ。」
「ホントか?」
「ホントだよ。」
「分かった!明日を楽しみにしてるよ!」
「うん。私も楽しみにしてるよ。私を満足させてくれるようなお店に連れて行ってくれるんだよね?」
「え?……うん。もちろんだよ。」
「それなら良かった!じゃあミーちゃん帰ろうか?じゃあね。トツカくん。イチノミヤくん。」
カジワラはそう言い残すと、ハタケと一緒に下校していった。俺はカジワラと一緒に行くお店なんて決めていなかったので狼狽えていると、キョウヘイがポンッと肩を叩き、「頑張れよ!」と言い残して下校していった。
俺は教室で1人ポツンと佇んでいた。
キョウヘイからは、「分かった。」とだけメッセージが来ていた。
俺はその返信を見て、急いで朝ご飯を食べにリビングへ向かった。一昨日も早めに起きて登校したので、母さんが「何かあるの?」と聞いてきたが、本当のことを話すわけにはいかないので、「いや、別に何もないよ。ただ早く目が覚めただけだよ。」と言って、誤魔化した。(誤魔化せたかどうかは分からないが。)
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学校に着いて教室に入ると俺が一番乗りかと思っていたら、もうすでにキョウヘイが教室にいた。先に学校に来て誠意を見せようと思っていたが、うまくは行かないものだな。と考えていると、キョウヘイが、「何か話があるんだろう?いつもより早く学校に来てやったんだから、くだらないことだったら許さないぞ。」と言ってきた。
声のトーンは普段と変わらないが、俺に対して苛立っていることは分かった。俺はこれ以上キョウヘイを苛立たせないように誠心誠意で、「キョウヘイ!キョウヘイが俺に対して苛立っているのは分かる。カジワラと付き合うためにナツキを形ばかりの彼女にするなんてナツキに対して失礼だもんな。でも、信じてくれ!俺は形ばかりの彼女だからってナツキをぞんざいに扱ったりしない!本当の彼女のように扱うし、傷つけるようなことはしないから許してくれないか?」と伝えた。
キョウヘイはしばらく何も言わず、複雑な気持ちを整理しているのか苦しそうな表情をしていたが、しばらくすると俺の目をジッと見つめ、「本当にナツキを傷つけないんだな?」と確認してきた。「ああ。本当だ。」と俺が答えると、「分かった。許すよ。」と返答してきた。
「本当か?」と俺が確認すると、キョウヘイはこくんと頷いて、「本当だよ。それに本来俺にセイを怒る権利はないんだよ。ナツキがセイの提案にOK出した時点で。」と答えた。
「そうか。ありがとう。」
「カジワラかハタケに言われたのか?」
「え?」
「俺と仲直りするように言われたんだろ?放課後4人で漫画の話ができないから。」
「いや、言われてないけど。」
「え?じゃあ、セイが親友の俺とギクシャクした関係のままが嫌だったからか?」
「うん。それもあるけど、一番の理由は期末試験が近いから、また勉強を教えてほしいからなんだ。」
「はぁ?何だよそれ?」
キョウヘイは声のトーンは少し怒っている感じだが、顔は笑いながら文句を言っていた。
俺はキョウヘイと仲直り出来たみたいで心から喜んでいた。
「カジワラと付き合ってもう3日も経つのにデートをするどころか一緒に帰ってすらいないのか?」
「ああ。実はそうなんだ。カジワラが『何か私を楽しませることを思いつくまで一緒には帰らない。』って言ってきたんだ。だから、一昨日と昨日はナツキと帰ったんだ。」
昼休み、俺は人があまり来ない第3特別教室で弁当を食べながらキョウヘイに今日までのカジワラとのことやナツキとのことを話していた。
「それで何か思いついたのか?」
「たいしたことは思いつかなかったけど、帰り道の途中でどっかのお店に寄って何か食べながら会話するのはいいんじゃないかと考えたんだけど、キョウヘイはどう思う?」
「う~ん、ただ歩きながら会話するよりはいいと思うけど、それでカジワラが納得するかは分からないな。ごめん。」
「いや、キョウヘイの意見を聞きたかっただけだから、全然大丈夫だよ。」
「それにしても、一緒に帰ってすらくれないとはカジワラは少し厳しい奴だな。これじゃ、デートしてもらうのも大変なんじゃないのか?」
「そうなんだよ!デートしてほしかったら、ナツキとまずデートして、カジワラを楽しませられるプランを立ててからじゃなきゃダメなんだよ!厳しいよな~?」
「そうか。でも、カジワラは恋人じゃなくて愛人としてセイと付き合っているわけだから、楽しい思いだけしたいのかもしれないな。」
「うん。きっとそうなんだろうけど、やっぱり厳しい気がする。」
「なぁ、セイ?まだ付き合って3日で聞くことじゃないけど、カジワラと付き合ってみて良かったと思ってるか?俺からすると愛人として付き合ってもらう前の方がマシのように感じるんだが。」
キョウヘイがジッと俺の目を見つめて真剣なトーンで俺に質問してきた。
確かにまだ付き合って3日とはいえ、お付き合いしている関係とは全く思えない動きをさせられている。これならキョウヘイの言う通り、付き合う前の方が一緒に居られてよかったのかもしれないと少しは思う。だけど、やっぱり愛人としてでも付き合ってもらっている今の方が良かったと思える。なぜなら……。
「キョウヘイからすると、そう思って当たり前だと思うけど、俺は付き合う前よりも愛人として付き合ってもらっている今の方が幸せだぞ!なぜなら、愛人としてでも付き合ってもらってさえいれば、誰かにカジワラを取られる心配が減るからな!」
俺はジッと見つめるキョウヘイの目をジッと見つめながら正直な気持ちを答えた。
キョウヘイは微笑みながら、「そっか。それならいいんだ。」と返答してきた。
そろそろ昼休みが終わりそうだったので、弁当の残りを急いで食べて、俺とキョウヘイは教室に戻った。
放課後、久しぶりにキョウヘイがすぐに帰らず、漫画談義をするため教室に残っていたので、カジワラとハタケがキョウヘイから離れた所に俺を連れて行き、「仲直りしたの?」と聞いてきた。
俺はカジワラとハタケが俺とキョウヘイの関係がこじれていたことに気が付いていたのにもかかわらず、あまり追及してこなかったことをありがたく感じた。
「実はそうなんだ。」
「『なんで喧嘩してたの?』って聞いてもいい?」
ハタケがおずおずと質問してきた。
「ごめん。それはあまり答えたくないな。」
「そっか。それなら答えなくていいよ。ごめんね。」
「まあ、喧嘩の理由はどうあれ、仲直りしたのなら問題ないよ。今日からは4人で漫画の話ができるんだし。」
カジワラがそう言ってくれたので、俺の気も少し晴れた。
「おーい。俺をのけ者にするなよ。」
キョウヘイが寂しそうな顔をして俺たちの方にやって来たので、「ごめんごめん。」と謝った。
久しぶりにいつも通りの4人で漫画の話をしたので、かなり盛り上がった。あっという間に5時になってしまった。
「5時になったし、そろそろ帰ろうか?」
キョウヘイがそう切り出すと、俺とカジワラとハタケは「そうだな。」と言って、帰宅の準備を始めた。今日もカジワラは俺を待つことなくハタケと下校しようとしていたので、俺は「カジワラ、ちょっと待ってくれ!」と言って、カジワラを呼び止めた。
「どうかした?トツカくん?」
「カジワラを楽しませることを思いついたから、今日は一緒に帰ってくれないか?」
「そうなんだ?それでどんなことを思いついたの?」
「えーと、帰り道の途中でどっかお店に寄って何か食べながら話すというのはどうでしょうか?」
俺は緊張からか、いつもよりも丁寧な聞き方をしてしまった。
カジワラは少し考えこむような表情をしたが、すぐに、「ごめん。その案は却下だね。」と返答してきた。
「え?どうして?」
「理由は2つあって、1つ目は5時40分の電車に乗って、すぐに家に帰りたいから。2つ目は何か食べたいと思うほどお腹がすいていないから。」
「そんなぁ。じゃあこの案じゃ、ずっと一緒に帰ってくれないってことか?」
「う~ん、そこまで悪いって訳じゃないよ。ただ今日はタイミングが悪いってだけだよ。明日は土曜日で授業は午前中までだから、明日ならいいよ。」
「ホントか?」
「ホントだよ。」
「分かった!明日を楽しみにしてるよ!」
「うん。私も楽しみにしてるよ。私を満足させてくれるようなお店に連れて行ってくれるんだよね?」
「え?……うん。もちろんだよ。」
「それなら良かった!じゃあミーちゃん帰ろうか?じゃあね。トツカくん。イチノミヤくん。」
カジワラはそう言い残すと、ハタケと一緒に下校していった。俺はカジワラと一緒に行くお店なんて決めていなかったので狼狽えていると、キョウヘイがポンッと肩を叩き、「頑張れよ!」と言い残して下校していった。
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