好きになった女子が愛人にしかなる気がないと言っていたので、形だけの彼女を作って愛人として付き合ってもらった。

無自信

文字の大きさ
42 / 60

第42話

しおりを挟む
 早めに家を出てしまったので、午前8時40分ぐらいに駅前についてしまった。

やることもないのでスマホで漫画を読んでいると、あっという間に時間が過ぎ、気付くと午前9時前になってしまった。

もうカジワラも来てるかな?俺がキョロキョロと辺りを見回すと、駅の出入口からちょうど出て来るカジワラを見つけた。俺が手を振って近づくと、カジワラも俺に気付いたらしく俺の方へ小走りで近づいてきた。

「待った?」

「いや、今来たとこ。」

「そっか。じゃあ行こうか?」

「ああ。」

俺とカジワラはバス乗り場に向かって歩き始めた。

うおー!今の会話、なんかカップルっぽいよな。ナツキとは駅で待ち合わせじゃなかったから、こんな会話なかったもんな。カジワラが肩からかけてるバッグは小物ぐらいしか入りそうにないくらい小さいから、ナツキみたいにお弁当を作って来てはくれなかったみたいだな。少し残念だが、それにしてもカジワラの今日の服はスカートコーデか!

別にカジワラのスカート姿なんて制服で見慣れてるけど、私服のスカート姿は制服とは違う可愛さがあるよな。ナツキのスカート姿はムズムズしてあまり見てられないけど、カジワラのスカート姿はずっと見てられるな。あ!こういうことはちゃんと本人に伝えた方がいいんだよな。よーし!

「カジワラ!今日の服装可愛いと思うよ。」

「ありがとう。デートだからそれなりな格好しなくちゃいけないと思ったからね。トツカくんは……なんか無難な格好だね。」

「あ……そう?ははは。」

カジワラの服装を褒めることはできたが、俺の服装に対する微妙な意見を聞かされて苦笑いするしかなかった。

そのあとはバスに乗って水族館の最寄りの停留所に向かった。この日も先週と同じく親子連れの方が多かった。バスの中での会話は、せっかくこの日のために推理小説を読んで話題作りをしたというのに、カジワラを待ってる間に読んだ漫画の話をしてしまった。

この前は怒っていたのに、この日のカジワラは特に嫌な顔もせずに一緒に漫画の話をしてくれた。もしかしたらデートが始まったばかりで場の空気を悪くするのは良くないと思ってくれたのかもしれない。


 水族館に着くとすぐにチケット窓口に並んだ。この日もそれなりに人が並んでいて6組くらい前に並んでいる人たちがいた。俺たちの番が来て学生証を見せて高校生2人分の料金を払ったが、ナツキとは違い、カジワラは財布を出す素振りさえ見せなかった。もちろん、カジワラの分は俺が払うつもりでいたし、カジワラは愛人だから払わないのは分かっていたが、ふりぐらいはしてほしかった。

水族館に入ると最初にこの水族館の目玉である大きな水槽が見えた。ナツキと一緒に来ていたので俺の感動は薄れたが、カジワラは少し感動しているようだった。それから10分くらい俺とカジワラは水槽を眺めてた。一緒にいる相手がカジワラじゃなかったら、3分も見てられないと思うが、この前ナツキが言ってたみたいに、こういうのは誰と見るかが大事なのかもしれない。

「それじゃ、次行こうか?」

「え?うん。」

ナツキは30分くらい眺めていた水槽を、カジワラは10分ほどで見るのをやめてしまったことに少し驚きつつも、俺はカジワラの提案を受け入れて次の展示物を見に行った。

次のタカアシガニやミズダコ、チンアナゴといった展示物もカジワラは少し見ただけで、次の展示物へと移動してしまった。カジワラとナツキは別の人間だから感性が違ってもしょうがないのだが、少し寂しく感じるとともに、俺とカジワラが似ていることに少し親近感を感じた。

すぐに別の展示物へ移っていったから、ナツキの時よりも早くイルカショーの会場まで来てしまった。あと10分ほどでイルカショーが始まるので席もだいぶ埋まっていた。それを見て焦った俺はカジワラに、「カジワラ、どの席に座る?前の席に座るのなら水しぶきで濡れないようにかっ……。」と言ったところで、カジワラが食い気味に、「後ろの席に座ろ!濡れるの嫌だし。」と言ってきた。

「後ろの席でいいのか?まだ少し前の席も空いてるけど……。」

「後ろの席がいいの!ほらほら早く座ろ!」

カジワラに促されるままに最後列に座ってイルカショーを見た。俺はこれで3度目なので感動はかなり薄かったが、カジワラはそれなりに楽しんでいるようだった。

イルカショーが終わると、また展示物を見に行った。アザラシやペンギンといった魚以外の展示物はカジワラも興味があったらしく、それなりの時間眺めていた。午前11時くらいになると混雑しないうちにという理由で、フードコートでお昼を食べた。お昼を食べ終えるとまだ見てない展示物を見たあとお土産物売り場に行った。

俺は(気持ちだけは)何でも買ってあげるつもりでいたが、カジワラは何も欲しがらなかったので懐事情では助かったが、記念になるものを買わなかったので少し残念だった。

午後12時半には全部の展示物を見たので、これからどうするかカジワラに聞いてみると、「もう帰ろうか?」と提案してきた。

「え?どこかのカフェとかに入ってお茶とかしない?」

「ヒナタさんともそうしたの?」

「いや、ナツキとは行ってないけど……。」

「じゃあ、私も行かない。」

「ちょっとだけでもダメ?奢るからさ。」

「私はトツカくんの彼女じゃなくて愛人なんだよ。しかも、お金ももらってないのにデートしてあげてるんだから、楽しそうじゃなければお茶にはいかない。」

確かにカジワラの言うことも一理あるように感じたが、その理屈なら俺にも言いたいことがある!

「それじゃあ、カジワラは本物の愛人みたいにお金を払えば手をつないだり、キスとかしたりしてくれるのか?」

俺はちょっとカッとなって聞いてはいけないことを聞いてしまった。

すぐに俺は自分の発言を後悔した。カジワラに否定も肯定もされたくない!と思った俺は、「ごめん!今の嘘!なかったことにしてくれ!カジワラも真面目に答えなくていいから!」と自分の発言を撤回して、カジワラに質問に答えないように頼んだ。

するとカジワラはにっこり笑いながら、「うん。私が納得する金額を払ってくれたら、手をつなぐのもキスするのもOKだよ。でもそれ以上のことは、いくらお金を積まれてもいやかなぁ。」とはっきりとした声で答えた。

「え?何で?俺答えなくていいって言ったよね!」

「え?でも、トツカくんホントは知りたかったんだよね?曖昧にしておくのも良くないかなぁと思ってさ。」

「でも、それじゃまるでホントの愛人みたいじゃん!」

「ホントも何も私はトツカくんの愛人でしょ?お金を払ってくれれば、ある程度の要望には応えるよ。」

「でもカジワラは俺が愛人として付き合ってくれって言った時、お金を請求しなかったじゃないか!だから、カジワラも少しは俺に好意を持っているのかなって思っていたんだけど……。」

「ああ、それはトツカくん以外に私に愛人になってくれって言ってくる人がいなかったから、私を楽しませてくれるならデートを時々するくらいの関係ならいいかなって思っただけだよ。トツカくんよりいい条件を出してくれる相手が現れたら、そっちに乗り換えるよ。」

「……。」

「それでどうする?このまま帰る?それとも私にお金を払ってお茶しに行く?」

「……今日は帰ろう。」

「分かった。」

このあとバスを待つ間もバスに乗って駅に向かう間もカジワラとは特に会話らしい会話はしなかった。カジワラから聞きたくないことをこれでもかというくらい聞かされて、ショックを受けていたからだ。

カジワラにお金を払えば要望をある程度聞いてくれることや俺よりいい条件の相手が現れたら俺は捨てられることを聞いたからショックを受けたというのもあるが、一番ショックなのはカジワラがお金さえもらえばキスしてもいいと思える相手に俺が入っていることが少し嬉しいと思ってしまったことだった。

だが分かってほしい!好きな相手からお金をもらってもキスしたくないと言われるよりは、お金をもらったらキスしてもいいよと言われた方が嬉しいだろうということを。

そんなショッキングなことを口に出したカジワラは全く気にする様子もなく、窓からたいして面白いとも思えない景色を見ていることにもショックを受けた。


 バスが駅に着くと、本当は今すぐにでも家に帰ってベッドに潜り込みたい気分だったが、一応改札口まではカジワラを送っていくことにした。カジワラと駅の改札口に向かって行く途中で、「トツカ?」と俺の名前を呼ぶ声が聞こえたので後ろを振り向いた。

するとそこには髪を茶髪に染めてピアスを付けた、俺と全く関わりを持つことはないような男性が立っていた。俺はちょっと身構えたが、その男性はにっこり笑って、「やっぱりトツカだ!久しぶり!俺だよ!俺!」と話しかけてきた。すぐには思い出せなかったが、その笑顔に見覚えがあった。

「……もしかして小関か?」

「そうだよ!やっと思い出したのか?俺はすぐに気付いたってのに。」

「分かるかよ!中学の時と雰囲気変わってるし、身長もすっげえ伸びてるじゃん!」

俺に話しかけてきたのは中学の時同じクラスだった小関優斗コセキ・ユウトだった。中学時代はよく他愛もない会話をした友だちだったのだが、高校が別々になったので段々と疎遠になっていった奴だった。中学時代は身長が150センチ台だったはずだが、今は俺と同じくらいの170センチ台になっていたので最初は全然気が付かなかった。

「こんなところで何してるんだ?コセキ?」

「俺?俺はこれから友だちと映画見に行くんだよ。トツカは?」

「えーと?俺は……その……。」

何て言おうか迷っていると、カジワラが、「ねぇ?トツカくん、この人だれ?」と尋ねてきた。

「あ!ごめん、カジワラ!こいつは俺と同じ中学のコセキだよ。」

「そうなんだ?初めまして。カジワラです。」

「初めまして。コセキです。カジワラさんはトツカとはどういう関係?」

俺はコセキの質問を聞いて息をのんだ。というのもカジワラが他人に俺との関係をどう説明するか分からなかったからだ。

するとカジワラはにっこり笑いながら、「私はトツカくんの彼女です。今日は2人でデートなんです。」と答えた。

俺はカジワラの発言にホッとするとともに、俺の愛人だと言う訳がないかとさっきまで心配していた自分に笑ってしまいそうになった。

「そうなんだ?羨ましいぞ!トツカ!こんなかわいい彼女とデートなんて!」

「あははは……。」

「それじゃ、俺は友だちと約束があるからそろそろ行くな。トツカまたな!」

「ああ、またな。」

俺はコセキが見えなくなるまで見送ったあと、カジワラに、「ありがとな。カジワラ。」とお礼を言った。

「私が『愛人です。』って言うと思った?」

「実は少しだけ……。」

「そんな非常識じゃないよ!それじゃ私も帰るね!またね、トツカくん。」

「ああ、また明日。」

今度はカジワラが改札口を通って見えなくなるまで見送った。

愛人という関係は非常識ではないのかな?と疑問に思ったことは口に出さないでおいた。さーて!俺も帰るか!と帰宅の途に就こうとすると、見覚えのある三つ編み姿の女子の後ろ姿が視界に入ったような気がしたが、特に気にせず家に帰った。


 カジワラとのデートを終えて家に帰るとすぐに自分の部屋に向かいベッドに倒れ込んだ。

ナツキとのデートよりも2時間ぐらい早く帰宅したのだが、ナツキとのデートよりもはるかに疲れていた。このまま少し眠ってしまおうか?と考えたが、ふとカジワラとデートする前にキョウヘイに口裏を合わせてくれるようにメッセージを送ってたことを思い出した。眠る前に返信が来てるか確認しようと、デート中は一切見なかったスマホを見てみると、
「了解。」
「その代わり、カジワラとのデートがうまく行ったかどうかあとで教えろよ。」
と2件のメッセージが来ていた。

キョウヘイからのメッセージを見た俺は、カジワラとのデートでの不満をキョウヘイに聞いてもらい、俺の気持ちに共感してもらいたいという思いがドッとあふれ出したために、「今から音声通話してもいいか?」とキョウヘイにメッセージを送った。

キョウヘイから返信が来るのを待っている間、俺はずっとスマホの画面を見続けていた。メッセージを送ってから数分後にキョウヘイから、「OK。」と返信が来た。

それを見るとすぐに俺はキョウヘイに音声通話をかけた。

「もしもし。」

「キョウヘイ!聞いてくれよ!カジワラの奴、ひどいんだぜ!ちゃんと事前にナツキとデートしていろいろ準備したのにもかかわらず、早目にデートを切り上げるし、ナツキとのデートではお茶してないからって、一緒にお茶したかったら金払えって言ってくるんだぜ!ひどいと思わないか?」

俺は早口でカジワラとのデートの不満点をキョウヘイが聞き取れるかどうかも気にせずに言い切った。するとキョウヘイは、「そうか。でもナツキとカジワラは別の人間だから、同じデートコースを行ったとしても同じ時間がかかるわけじゃないし。恋人ではなく愛人として付き合ってもらってるんだから、やりたくないことをしようと言われたらお金を請求されるのは仕方ないんじゃないか?」と俺のカジワラに対する不満点をちゃんと聞きとって的確な指摘をしてきた。

「そ、それはそうだけど……。」

「セイの気持ちは分からないでもないよ。だから助言するけど、カジワラがお金を払えば何かをしてくれるのなら、それを利用すればいいじゃないか?手をつなぐとかキスをするとか、それ以上のことも金を払えばしてくれるんだろう?相手は愛人なんだから開き直って愛人らしい付き合いをしたらどうだ?」

「キョウヘイ。実は俺も今日カッとなって似たようなことを聞いちゃったんだよ。そしたら手をつないだりキスしたりするのはいいけど、それ以上はダメだってさ。」

「キスまではいいんだろう?だったらしてもらえばどうだ?キスしたあともやっぱり好きだ!と思うんだったら愛人の関係を続ければいいし、キスで満足してカジワラを諦められるのなら別れればいいと思うんだけど。」

「そう簡単にはできないよ!キスとかはやっぱり相手にも自分のことを好きになってもらってからしたいじゃん!」

「現実は理想通りにはいかないこともあるんじゃないか?漫画とか見たいにキスから始まる恋愛もあるかもしれないぞ。」

「それは理想じゃなくて妄想だろ。」

「ハハハハ。かもな。何でそんな不満ばかりの相手と付き合ってるんだ?って思うけど、それはセイがカジワラを好きだからだよな。そもそもカジワラのどこが好きになったんだ?」

「それは……カジワラとは趣味が合うし可愛いし……それに……。」

「趣味があって可愛いならハタケでもよくないか?」

「ハタケはカジワラとは違うんだよ!」

「でも、セイが異性を好きになる理由に当てはまる人は他にもいそうだから言ってみただけだよ。そんな怒るなよ。」

あれ?そういえば、何で俺はカジワラを友だちから恋愛対象としてみるようになったんだっけ?何か理由があったような?うーん?思い出せない。

「まあ、とりあえずセイが本当にカジワラを好きかどうかというのも考え直してみたらどうだ?俺に言えるのはこのくらいだな。」

「分かった。ありがとう。ちょっと考えてみるよ。」

「うん。じゃあまた明日な。」

「また明日。」

キョウヘイとの音声通話を切ってベッドに横になりながら俺はカジワラのことが本当に好きなのか考え始めた。

ナツキとのデートの時間よりも短かったとはいえ、ナツキとのデートよりもカジワラとのデートの方がドキドキした。だが楽しさで言えば、ほんの少しだがナツキとのデートの方が楽しかったような気がする。その理由は考えたくない。考えてしまえば、今まで誤魔化してきたことに向き合わなくてはいけなくなるからだ。

キョウヘイの言う通り、俺の異性の好みに当てはまる人は他にもいそうだ。もうカジワラのことは諦めて別の人を好きになった方がいいのかもしれない。しかし、今は思い出せないがカジワラを異性として認識した出来事があった気がする。それを早く思い出すようにしなくてはいけない!

結局、俺がカジワラを本当に好きかどうかは結論が出なかった。でもすっぱりと諦められないことを考えるとカジワラを好きじゃないわけではないようだ。

俺はその事実に何故かホッとしたが、別の先送りにできないことも思い出した。デートの資金が大分心もとなくなってきたことだ。まだ手を出していないが、このままではお年玉などを貯めておいた(たいした金額ではない)貯金に手を出さなくてはいけなくなる。

明日からバイトでも探すか。そう決意して俺は晩ご飯ができるまで眠った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。

星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。 引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。 見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。 つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。 ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。 しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。 その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…? 果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!? ※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

自業自得じゃないですか?~前世の記憶持ち少女、キレる~

浅海 景
恋愛
前世の記憶があるジーナ。特に目立つこともなく平民として普通の生活を送るものの、本がない生活に不満を抱く。本を買うため前世知識を利用したことから、とある貴族の目に留まり貴族学園に通うことに。 本に釣られて入学したものの王子や侯爵令息に興味を持たれ、婚約者の座を狙う令嬢たちを敵に回す。本以外に興味のないジーナは、平穏な読書タイムを確保するために距離を取るが、とある事件をきっかけに最も大切なものを奪われることになり、キレたジーナは報復することを決めた。 ※2024.8.5 番外編を2話追加しました!

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...