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第43話
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次の日は休み時間になるとすぐに、スマホでバイトの求人情報を調べた。
あと1週間ほどで学校は夏休みになるので、短期で集中して稼げるものがいいかな?とか、今後もデート代が2倍かかることを考えて、長期で続けられるものがいいかな?とか、いろいろな考えが頭を巡ってなかなか決められずにいた。
俺が休み時間中ずっとスマホとにらめっこしているだけでなく、昼休みに弁当を食べている間もずっと見ているので、それを訝しんだキョウヘイが、「セイ、お前スマホでずっと何見てるんだ?漫画じゃないよな?ずっと難しい顔してるし。」と尋ねてきた。
「漫画じゃないよ。バイトの求人情報を探していたんだよ。ほら、俺さ他の人よりデート代がかかるから、毎月のお小遣いだけじゃ足りなくなったんだよ。」
俺は正直にスマホを見てる理由を答えた。ただし、「ほら」以降は周りの人に聞こえないようにできるだけ小さな声で話した。
「そっか。確かにセイの場合、他の人よりデート代かかるもんな。でも、バイトなんて始めたら一緒にいれる時間が減っちゃうんじゃないか?」
「確かにそうだけど、一緒にいるためにもお金が必要なんだよ。」
「昨日も言ったけど、セイは本当にカジワラを好きなのか?まあ、今までカジワラと付き合うために努力してきたところを見ると好きなんだろうけど、好きになっちゃダメなやつを好きになってるんじゃないか?もっと付き合って楽しいやつを好きになった方がいいんじゃないか?」
キョウヘイが疑問に思って口にしてる言葉が胸に刺さる。
確かにカジワラは付き合うと面倒なタイプだということは分かってる。でも、だからといってカジワラと付き合うのを諦められないくらい、俺はカジワラが好きなんだ。好きになった理由はまだ思い出せないが、カジワラのことが好きな気持ちは本物だ。
そのことをキョウヘイに伝えようとすると、「おーい!トツカ!お前に会いたいって言ってる女子が来てるぞ!」と八木が教室の出入口の近くから俺に大声で伝えてきた。
「分かった。今行く!」と答えて、俺はキョウヘイとの会話を後回しにして、八木の言う俺に会いたいという女子が誰か確認に行った。
教室の出入口までくると、見覚えのある三つ編みの女子がいた。
「ハナザワさん!どうしたの?俺に何か用?」
俺がそう尋ねると、ハナザワさんはおずおずとした様子で、「トツカ先輩……実はお聞きしたいことがありまして。」と答えた。
「俺に聞きたいこと?何?」
「それは……その……。」
ハナザワさんがなかなか話を切り出さないので、どうしたんだろう?と思っていると、八木を含めた3人くらいの男子がまだ俺たちの近くにいることに気付き、「ハナザワさん、場所変えようか?」とハナザワさんに提案した。
すると、ハナザワさんはこくんと頷いたので、「それじゃあ、第3特別教室に行こうか?」と提案して、ハナザワさんと第3特別教室へ向かった。
後ろから八木の、「おい、トツカ!変なことするなよ!」と言ってくる声が聞こえたので、「するか!バーカ!」と振り向いて大声で否定した。
第3特別教室にはいつも通り他に人はいなかった。
「ここなら安心して話せるでしょ?俺に聞きたいことって何?」
俺は早速ハナザワさんに本題を切り出した。すると最初はおずおずとした様子だったハナザワさんが何かを決意したような目をして、「あの!トツカ先輩が付き合っているのは、この前図書館で会ったヒナタナツキさんという方ですよね?」と尋ねてきた。
俺は今聞かれたことからどんな話になっていくのか、皆目見当もつかなかったが、嘘をつく理由もなかったので、「うん。そうだよ。」とハナザワさんの質問を肯定した。
「それじゃあ、昨日駅で一緒にいた女性は誰ですか?」
「え!それは……。」
ハナザワさんの2個目の質問の答えに窮してしまった。やっぱり、昨日見かけた三つ編みの女子はハナザワさんだったのか。カジワラと一緒にいるところを見られちゃったのかぁ。でも、待てよ。カジワラが俺の愛人かどうかなんてパッと見じゃ分からないよな。ここは友だちだとすぐに言えば、それ以上追及することはできないはずだ。
「……ああ!カジワラのこと言ってるのかな?カジワラなら俺の友だちだよ!友だち!」
よーし!自然に受け答えできたな。これ以上追及しないでくれよ!
「本当ですか?」
ハナザワさんは俺の答えに納得できないのか聞き返してきた。
「本当だよ!」
俺は語気を強めて答えることで本当のことを話してる風を装った。
「それはおかしいですね。そのカジワラさんという方はトツカ先輩と話している男性に自分はトツカ先輩の彼女だと言ってましたけど。」
ああ!俺とコセキの会話を聞かれてたのか!そうなると、もう否定することはできないな。ハナザワさんはきっと彼女であるナツキがかわいそうだ!と糾弾して来るのだろう。ここは謹んで受け入れるしかないか。変に逆ギレしたりすると俺とカジワラのことを他の人に吹聴するかもしれないからな。と俺は考えていると、ハナザワさんが、「カジワラさんは浮気相手という訳ですか?」と質問してきた。
浮気相手?ハナザワさんのように俺たちの関係を知らない人はそう思うのかもしれないけど、カジワラは俺の愛人だ。そこを勘違いされてるのは何か嫌だ!別にもう隠す必要性もないのだから、本当のことを言ってしまおう!
「浮気相手というかカジワラは愛人なんだ。」
「愛……人?」
ハナザワさんは俺の発言の意味が理解できないのかきょとんとした表情をしていた。
「そう、愛人!実は……」
俺はカジワラが愛人にしかなりたくないという考えの持ち主だということや、カジワラと愛人でもいいから付き合いたいと思ったためにナツキに形だけの彼女になってもらったことを洗いざらいハナザワさんに話した。
「……という訳なんだ。」
「そうですか。事情は分かりました。いえ、本当はよく分からないのですが、形だけの理解はできました。つまり、カジワラさんと付き合うためにヒナタさんと付き合うふりをしてるわけですよね?」
「うん。そうだよ。」
「ということは、付き合うふりをする相手はヒナタさんじゃなくてもいいわけですよね?」
「うん。まあそうだね。ハナザワさん、何が言いたいの?」
俺は不穏な空気を感じて、ハナザワさんが本当に言いたいことを自分から聞き出そうとしてしまった。
「トツカ先輩!ヒナタさんと付き合うふりをするのをやめてください!そして私と付き合うふりをしてください!お願いします!」
「は?」
俺はハナザワさんの発言の意味が理解できず、声なのか息なのか分からないものを漏らしてしまった。
ハナザワさんは何がしたいんだ?俺の形だけの彼女になって、ハナザワさんに何のメリットがあるって言うんだ?でも、ハナザワさんが付き合うふりをしてくれるなら、ナツキにこれ以上付き合うふりをしてもらわなくてよくなるな。そうなるとキョウヘイとの少し残っているわだかまりも解消されるかもしれない。俺にとって、ナツキと付き合うふりをするより、ハナザワさんと付き合うふりをした方がいいんじゃないか?
俺がハナザワさんと付き合うふりをする方に気持ちが傾きかけた時、「ちょっと待ったぁー!」と叫ぶ声が聞こえた。
俺が声のした方を振り向くと、そこにはナツキがいた。
「おい、ナツキやめとけよ!」
そして、ナツキの後ろにはナツキを止めようとするキョウヘイの姿があった。
「ナツキ、どうしてここに?」
俺は状況が理解できず、率直に疑問に思ったことを質問した。
「セイが女子と一緒に第3特別教室に行ったっていう話が耳に入ったから、ばれないように隠れて話を聞いてたんだよ。セイにも言いたいことはあるけど、今はそれよりも優先すべきことがあるから。」
そう俺に言うと、ナツキはハナザワさんに近づいて行って、「ハナザワさんだっけ?どういうつもり?セイの彼女は私なんだけど?」とナツキと知り合ってから一度も聞いたことがないような怒りを込めた声色でハナザワさんに尋ねていた。
「でも、ふりをしてるだけなんですよね?それなら私と交代してもらっていいですか?好きじゃない相手の彼女のふりなんて何のメリットもなくて嫌ですよね?」
ハナザワさんもナツキに負けず劣らず今まで聞いたことがないような強めの語気で話していた。
「別に嫌じゃないし!あんたの方こそ何のメリットがあるっていうのよ?」
「私はトツカ先輩が好きなんです!好きだからふりでもいいから付き合いたいんです!だからヒナタさん、トツカ先輩と別れてください!」
えー!ハナザワさんが俺のことが好き?マジか?全然気が付かなかった。
「はぁ~!私なんてあんたよりもずっと前からセイのこと好きだし!あんたが何て言おうと絶対別れないんだから!」
なにー!やっぱりナツキも俺のことが好きだったのか!薄々気が付いてはいたけど、本人から直接聞くとドキッとするな。
そのあともナツキとハナザワさんは言い合いをしていたが、俺は2人の女子に好きだと告白されるだけでなく、その2人から取り合いをされているという漫画のような状況が受け止めきれず、只々ポカンとしていた。
あと1週間ほどで学校は夏休みになるので、短期で集中して稼げるものがいいかな?とか、今後もデート代が2倍かかることを考えて、長期で続けられるものがいいかな?とか、いろいろな考えが頭を巡ってなかなか決められずにいた。
俺が休み時間中ずっとスマホとにらめっこしているだけでなく、昼休みに弁当を食べている間もずっと見ているので、それを訝しんだキョウヘイが、「セイ、お前スマホでずっと何見てるんだ?漫画じゃないよな?ずっと難しい顔してるし。」と尋ねてきた。
「漫画じゃないよ。バイトの求人情報を探していたんだよ。ほら、俺さ他の人よりデート代がかかるから、毎月のお小遣いだけじゃ足りなくなったんだよ。」
俺は正直にスマホを見てる理由を答えた。ただし、「ほら」以降は周りの人に聞こえないようにできるだけ小さな声で話した。
「そっか。確かにセイの場合、他の人よりデート代かかるもんな。でも、バイトなんて始めたら一緒にいれる時間が減っちゃうんじゃないか?」
「確かにそうだけど、一緒にいるためにもお金が必要なんだよ。」
「昨日も言ったけど、セイは本当にカジワラを好きなのか?まあ、今までカジワラと付き合うために努力してきたところを見ると好きなんだろうけど、好きになっちゃダメなやつを好きになってるんじゃないか?もっと付き合って楽しいやつを好きになった方がいいんじゃないか?」
キョウヘイが疑問に思って口にしてる言葉が胸に刺さる。
確かにカジワラは付き合うと面倒なタイプだということは分かってる。でも、だからといってカジワラと付き合うのを諦められないくらい、俺はカジワラが好きなんだ。好きになった理由はまだ思い出せないが、カジワラのことが好きな気持ちは本物だ。
そのことをキョウヘイに伝えようとすると、「おーい!トツカ!お前に会いたいって言ってる女子が来てるぞ!」と八木が教室の出入口の近くから俺に大声で伝えてきた。
「分かった。今行く!」と答えて、俺はキョウヘイとの会話を後回しにして、八木の言う俺に会いたいという女子が誰か確認に行った。
教室の出入口までくると、見覚えのある三つ編みの女子がいた。
「ハナザワさん!どうしたの?俺に何か用?」
俺がそう尋ねると、ハナザワさんはおずおずとした様子で、「トツカ先輩……実はお聞きしたいことがありまして。」と答えた。
「俺に聞きたいこと?何?」
「それは……その……。」
ハナザワさんがなかなか話を切り出さないので、どうしたんだろう?と思っていると、八木を含めた3人くらいの男子がまだ俺たちの近くにいることに気付き、「ハナザワさん、場所変えようか?」とハナザワさんに提案した。
すると、ハナザワさんはこくんと頷いたので、「それじゃあ、第3特別教室に行こうか?」と提案して、ハナザワさんと第3特別教室へ向かった。
後ろから八木の、「おい、トツカ!変なことするなよ!」と言ってくる声が聞こえたので、「するか!バーカ!」と振り向いて大声で否定した。
第3特別教室にはいつも通り他に人はいなかった。
「ここなら安心して話せるでしょ?俺に聞きたいことって何?」
俺は早速ハナザワさんに本題を切り出した。すると最初はおずおずとした様子だったハナザワさんが何かを決意したような目をして、「あの!トツカ先輩が付き合っているのは、この前図書館で会ったヒナタナツキさんという方ですよね?」と尋ねてきた。
俺は今聞かれたことからどんな話になっていくのか、皆目見当もつかなかったが、嘘をつく理由もなかったので、「うん。そうだよ。」とハナザワさんの質問を肯定した。
「それじゃあ、昨日駅で一緒にいた女性は誰ですか?」
「え!それは……。」
ハナザワさんの2個目の質問の答えに窮してしまった。やっぱり、昨日見かけた三つ編みの女子はハナザワさんだったのか。カジワラと一緒にいるところを見られちゃったのかぁ。でも、待てよ。カジワラが俺の愛人かどうかなんてパッと見じゃ分からないよな。ここは友だちだとすぐに言えば、それ以上追及することはできないはずだ。
「……ああ!カジワラのこと言ってるのかな?カジワラなら俺の友だちだよ!友だち!」
よーし!自然に受け答えできたな。これ以上追及しないでくれよ!
「本当ですか?」
ハナザワさんは俺の答えに納得できないのか聞き返してきた。
「本当だよ!」
俺は語気を強めて答えることで本当のことを話してる風を装った。
「それはおかしいですね。そのカジワラさんという方はトツカ先輩と話している男性に自分はトツカ先輩の彼女だと言ってましたけど。」
ああ!俺とコセキの会話を聞かれてたのか!そうなると、もう否定することはできないな。ハナザワさんはきっと彼女であるナツキがかわいそうだ!と糾弾して来るのだろう。ここは謹んで受け入れるしかないか。変に逆ギレしたりすると俺とカジワラのことを他の人に吹聴するかもしれないからな。と俺は考えていると、ハナザワさんが、「カジワラさんは浮気相手という訳ですか?」と質問してきた。
浮気相手?ハナザワさんのように俺たちの関係を知らない人はそう思うのかもしれないけど、カジワラは俺の愛人だ。そこを勘違いされてるのは何か嫌だ!別にもう隠す必要性もないのだから、本当のことを言ってしまおう!
「浮気相手というかカジワラは愛人なんだ。」
「愛……人?」
ハナザワさんは俺の発言の意味が理解できないのかきょとんとした表情をしていた。
「そう、愛人!実は……」
俺はカジワラが愛人にしかなりたくないという考えの持ち主だということや、カジワラと愛人でもいいから付き合いたいと思ったためにナツキに形だけの彼女になってもらったことを洗いざらいハナザワさんに話した。
「……という訳なんだ。」
「そうですか。事情は分かりました。いえ、本当はよく分からないのですが、形だけの理解はできました。つまり、カジワラさんと付き合うためにヒナタさんと付き合うふりをしてるわけですよね?」
「うん。そうだよ。」
「ということは、付き合うふりをする相手はヒナタさんじゃなくてもいいわけですよね?」
「うん。まあそうだね。ハナザワさん、何が言いたいの?」
俺は不穏な空気を感じて、ハナザワさんが本当に言いたいことを自分から聞き出そうとしてしまった。
「トツカ先輩!ヒナタさんと付き合うふりをするのをやめてください!そして私と付き合うふりをしてください!お願いします!」
「は?」
俺はハナザワさんの発言の意味が理解できず、声なのか息なのか分からないものを漏らしてしまった。
ハナザワさんは何がしたいんだ?俺の形だけの彼女になって、ハナザワさんに何のメリットがあるって言うんだ?でも、ハナザワさんが付き合うふりをしてくれるなら、ナツキにこれ以上付き合うふりをしてもらわなくてよくなるな。そうなるとキョウヘイとの少し残っているわだかまりも解消されるかもしれない。俺にとって、ナツキと付き合うふりをするより、ハナザワさんと付き合うふりをした方がいいんじゃないか?
俺がハナザワさんと付き合うふりをする方に気持ちが傾きかけた時、「ちょっと待ったぁー!」と叫ぶ声が聞こえた。
俺が声のした方を振り向くと、そこにはナツキがいた。
「おい、ナツキやめとけよ!」
そして、ナツキの後ろにはナツキを止めようとするキョウヘイの姿があった。
「ナツキ、どうしてここに?」
俺は状況が理解できず、率直に疑問に思ったことを質問した。
「セイが女子と一緒に第3特別教室に行ったっていう話が耳に入ったから、ばれないように隠れて話を聞いてたんだよ。セイにも言いたいことはあるけど、今はそれよりも優先すべきことがあるから。」
そう俺に言うと、ナツキはハナザワさんに近づいて行って、「ハナザワさんだっけ?どういうつもり?セイの彼女は私なんだけど?」とナツキと知り合ってから一度も聞いたことがないような怒りを込めた声色でハナザワさんに尋ねていた。
「でも、ふりをしてるだけなんですよね?それなら私と交代してもらっていいですか?好きじゃない相手の彼女のふりなんて何のメリットもなくて嫌ですよね?」
ハナザワさんもナツキに負けず劣らず今まで聞いたことがないような強めの語気で話していた。
「別に嫌じゃないし!あんたの方こそ何のメリットがあるっていうのよ?」
「私はトツカ先輩が好きなんです!好きだからふりでもいいから付き合いたいんです!だからヒナタさん、トツカ先輩と別れてください!」
えー!ハナザワさんが俺のことが好き?マジか?全然気が付かなかった。
「はぁ~!私なんてあんたよりもずっと前からセイのこと好きだし!あんたが何て言おうと絶対別れないんだから!」
なにー!やっぱりナツキも俺のことが好きだったのか!薄々気が付いてはいたけど、本人から直接聞くとドキッとするな。
そのあともナツキとハナザワさんは言い合いをしていたが、俺は2人の女子に好きだと告白されるだけでなく、その2人から取り合いをされているという漫画のような状況が受け止めきれず、只々ポカンとしていた。
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