上 下
1 / 17

しおりを挟む
私はヴィオラ。公爵家の娘。
私には8年前、10歳の時から婚約者がいる。
この国の王太子アレクサンダー様だ。
それゆえ、私は婚約者になってからこの8年厳しい王妃教育をしている。それはもう厳しいってもんじゃなかったわ。
それでもここまで頑張ってこれたのはアレクサンダー様こと、アレク様をお慕いしているから。
アレク様の年齢は私より2つ下。アレク様と近い年齢で身分の合う令嬢が私しかいないため、私の方が年上だけれど婚約者になった。

アレク様との初めての顔合わせのときに

「誰がこんなブスと婚約するか!」

と言われたけれど、私はにまにましてしまいましたわ。
普通だったら落ち込んだりいくら殿下でも婚約するのは嫌だと思われるのでしょうけど、私は違う。

なぜなら私には前世の記憶があるのだ。日本という国でOLをしていた27歳。前世の私は2次元ショタが大大大好きだったので金髪にアイスブルーのくりくりな目をしためたくそ完璧ショタのアレク様に暴言ともいえることをいわれても

(か、か、可愛い!!!!)

しかなかった。

それに、耳が真っ赤でしたの。怒った顔も照れてるように見えましたし、母性本能をくすぐるっていうのかしら?とにかくとても可愛かったの。

つい「可愛い」って言ってしまったら怒ってプイッとされて目も合わせてもらえなかったし、会話もしてくれなかったので、その日はお開きになった。
しおりを挟む

処理中です...