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4 (アレクサンダー視点)

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あの後どうやって自室に戻ってきたのかわからない。


ソファーに座って放心している僕をみた従者が、



「殿下、さっきの照れ隠しやばいですよ!あれはない!笑いをこらえるの必死でしたよ。ははっ。思い出しても笑えます!」



と、にやにや笑ながら言う失礼な男の名は、フランツ。僕が3歳の頃から従者として使えてくれていて、実際は年の離れた兄弟のような関係だ。この性格には難あるが腕が立つ。年は20歳の色男。女性のことはこいつに聞けばいろいろ教えてくれるらしく、城で働く若い男から頼りにされている。

フランツは甘いマスクをもち、話も上手いので、かなりモテるらしい。縛られたくないからと特定の恋人はつくらず、自由な感じだ。そこに魅力を感じる女性が多い。しかし、そこが欠点でもありいつもフラれている。


なんだその態度は!といつもなら言い返すところだが、今はそんなことを言ってられない。
癪に障るが、こういうことはフランツに聞いた方が良いよな。

「……。」


「…もしかして、俺にアドバイスもらおうとしてます?」


「……。」


「ははっ。しかたないっすね。」


「お前のどの立場で言っているんだ?」


「ん?まぁ、恋愛の大先輩ですよね?女のことならなんでも聞いてください!」


「それ言ってて恥ずかしくないのか?」


「…言っておきますが、このことなら俺の方が立場上ですので生意気なこというと何も教えませんからね。」


「…教えて下さい。」


「まぁ、いいでしょう。殿下があんな態度だったから、ヴィオラ嬢引きつった笑顔でしたもんね。あ、殿下は顔みれてなかったな。ははっ。」


「……。」


いちいち腹が立つ。


「本当はこういうのは早く直接謝罪した方がいいんですが、先程のようになりかねませんからね。」


…その通りだ。自分でもわかっている。


「殿下のようなタイプでしたら花を早急に送りましょう!謝罪の気持ちをこめた…うーん…カンパニュラなんてどうですかね?確か花言葉は謝辞、感謝だったはずです。」


謝辞、感謝…


ひどいことを言った謝罪と、婚約者になってくれてありがとうと両方伝えられる!ぴったりだ!!


「わかった。すぐに手配しよう。」


「優秀な従者がいてよかったすね。」


「フランツ…その……ありがとう。」


フランツは僕をみながらにやにやしていた。


イラッとする気持ちもあるが、解決策がみつかって安堵する気持ちが方が大きかった。

よかった…


カンパニュラを送ったら早くまた会いたいな。










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