転生令嬢は年下の婚約者を可愛がる

青井陸

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アレク様と婚約した年は週に2度お茶をしたりピクニックをしたりして過ごした。

お茶の時は、手作りの焼き菓子を、ピクニックでは、サンドウィッチを持っていって、アレク様にあーんして食べてもらったわ。

でも、3日に1度はお兄様も来て邪魔してくる。優しいのは良いが、妹離れしてほしい!まだ婚約者がいなかったお兄様のために、父に早急に決めるようお願いした。


あ、あの時も良かったわ。
二人でボートに乗った時……

「このままずっと二人だったらいいのに」

と言ってみたら、ボートがひっくり返りそうなくらい動揺されて大変だったわ。さすがにそれをみていたフランツ様に「やりすぎです」と言われたけれど……でも、アレク様の真っ赤な顔、可愛いからついついからかって遊んでしまうのよ。私は好きな子はいじめるタイプだったみたいね。


そして、翌年から王妃教育が始まった。
厳しかったわ。この世界にきてから勉強、マナー、ダンスなど、前世ではなかった分野もあって、最初は楽しかったけれど、王妃教育は、ほぼ毎日よ?
癒し=アレク様よ。癒しが欲しくなるじゃない!
アレク様も忙しくなって、週に2度会っていたのが、週に1度、2週に1度、1ヶ月に1度……14歳になる頃には3ヶ月に1度と、会える日が減ってしまった。
会っても私が何を言っても、「あぁ。」や「そうか。」大好きな顔を真っ赤にさせるアレク様の姿は長いこと見ていない。
私がやりすぎたのか……フランツ様が何度か哀れみの目で私を見てきてたものね。



私は15歳になり、王妃教育もほぼ終了し、人脈をつくるために、王立学園に入学した。そしてその頃には、アレク様と会えなくなり……


アレク様の前にピンク頭の守りたくなるような、男爵令嬢が現れたと聞いた。




ヒロイン……よね?
私は悪役令嬢か当て馬だったのかしら……



そして2年が経ち、いよいよ明日からアレク様とヒロイン?が入学してくる。

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