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◆だって推しなんだもの!◆

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「シャルロットはジャンクと恋仲だった。それを周囲に反対されて、対策として俺がシャルロットの婚約者にと白羽の矢が立ったんだ」

「対策?」

「シャルロットに婚約者を作れば、シャルロットもジャンクも諦めて別れるだろうと、な。俺も二十五だ。結婚しろと再三言われてきたが興味がなくすべて断ってきた。そんな感じだから、シャルロットがジャンクを好きならそれでいい。婚約者になったからといって、俺のことを好きにならなくてもいいと思っていた」

そこにアズールの感情はなかった。
こんなに可愛くて華奢で可憐な王女様だったのに、アズールはシャルロットのことを好きではなかったんだ。

「シャルロットの婚約者になれば俺もまわりからうるさく言われなくなる。シャルロットも俺を盾にして好きにできるだろう?そう思ってシャルロットにもそう進言したのだが、シャルロットは気に入らなかったようだな」

至って真面目そうな顔をして言うので、私は思わず苦笑いだ。

「えー、そりゃそうでしょ?例え好きじゃなかったとしても、仮にも婚約者にそんなこと言われたらそれはちょっと引くよね」

「そう、なのか?」

「そうでしょう?」

シャルロットもお気の毒様だよ。
婚約者に好きにしていいって言われてもね。いくら不本意な婚約だったとしても、好意くらいは持ってもらいたいものだ。
アズールったら、乙女心わかってないね。
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