その出会い、運命につき。

あさの紅茶

文字の大きさ
13 / 71
雨がくれた出会い

13

しおりを挟む
毎日、あの時間帯に胡桃さんが薬局の前を通らないか、私はドキドキしながら待っていた。

仕事中は外を見る機会があまりないので、胡桃さんが通ったかどうか確認できない。
だから仕事終わりに、“まだ帰ってなかったら”という言い訳のような理由を付けて、薬局の前で少しの時間待ち伏せをしていた。

もしかしたらこの道を通らないかもしれない。
あの日はたまたまここを通っただけかもしれない。

だけど。

わずかな期待を込めて、私は胡桃さんの傘を持って待っていたのだ。

そんな私の想いを嘲笑うかのように、何日も肩透かしをくらった。
諦めたいのに諦めきれないのは、何でなんだろう。

今日も、薬局の前で仕事終わりから三十分待ってみたけど会えなかった。

まあ、そうだよね。
何の仕事をしているか知らないし、絶対にこの時間にここを通るなんて保証も何もないのだ。

私はため息ひとつ、駅まで歩き出す。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

隣の夫婦 ~離婚する、離婚しない、身近な夫婦の話

紫さゆり
恋愛
オムニバス形式です。 理解し合って結婚したはずの梓、同級生との再会が思わぬことになる雅美、年下の夫のかつての妻に引け目を感じる千晴、昔の恋の後悔から前向きになれない志織。 大人の女性のストーリーです。

伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい

瑞原唯子
恋愛
だから、きっと、恋を知らないままでよかった。 伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。 --- 本編完結しました。番外編も書きたかったエピソードはひとまず書き終わりましたが、気が向いたらまた何か書くかもしれません。リクエストなどありましたらお聞かせください。参考にさせていただきます。

旦那様の愛が重い

おきょう
恋愛
マリーナの旦那様は愛情表現がはげしい。 毎朝毎晩「愛してる」と耳元でささやき、隣にいれば腰を抱き寄せてくる。 他人は大切にされていて羨ましいと言うけれど、マリーナには怖いばかり。 甘いばかりの言葉も、優しい視線も、どうにも嘘くさいと思ってしまう。 本心の分からない人の心を、一体どうやって信じればいいのだろう。

すべてはあなたの為だった~狂愛~

矢野りと
恋愛
膨大な魔力を有する魔術師アレクサンダーは政略結婚で娶った妻をいつしか愛するようになっていた。だが三年経っても子に恵まれない夫妻に周りは離縁するようにと圧力を掛けてくる。 愛しているのは君だけ…。 大切なのも君だけ…。 『何があってもどんなことをしても君だけは離さない』 ※設定はゆるいです。 ※お話が合わないときは、そっと閉じてくださいませ。

処理中です...