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神様とクリスマス会
01
しおりを挟む街はクリスマス一色に溢れ、色とりどりのネオンが人々の目を楽しませる。
私の働く花屋も例に漏れず店先の飾りはクリスマス仕様だ。アレンジメントのリースやツリーには赤い花がふんだんに使われ、通りがかる人たちが目をキラキラさせていく。時々、恋人に贈るクリスマスの花束を注文する男性もいるくらい。きっとロマンチックな夜を過ごすのだろう。
私は忙しく働きながら他人を羨んだ。
「望月さん、お先に失礼するね」
「はーい、お疲れ様でした」
うちの花屋は早番と遅番のシフト勤務だ。クリスマスは恋人や家族と過ごしたい人ばかり。お一人様の私は必然的に遅番を当てがわれている。
十二月の花屋はクリスマスよりもお歳暮やお正月関係のことで忙しい。今日が終われば、店先のクリスマスリースもツリーも全てお正月用の花に変わる。それはまるでクリスマスなんてなかったかのように。
ま、お一人様の私には関係ないかな。でもやっぱり少し寂しい気持ちになるので、帰りにコンビニでスイーツでも買って帰ろうと思った。
閉店間際、店先のリースに釘付けになっているお客さんがいた。ずいぶん長くその場にいる気がする。
「望月さん、そろそろシャッター閉めようか」
「あ、はい。でもお客さんが……」
「お客さん?」
「ずっとリース見てて……」
店長に目配せをするが、店長は不思議そうに首を傾げた。
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