傘使いの過ごす日々

あたりめ

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一応でもそれ相応

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素人同然の構えを晒した、ボクシングフォームと呼ばれる構えだが、ボクシングの経験など無い静也のそれは隙が多い。
格好が決まらない、既に硬直状態。ガチガチにだ。
それをみたダンは初心者だと察した。
しかし、先刻の攻撃を躱したことを思い返すと油断させているのではないかと考えた。

(もうあのスローなやつは無いだろう。あれは振りだったんだし…でも、周りの奴らまでスローになる必要はあるのか?)

未だにゆっくりに見えたことを振りだと思っている静也がいた。

「行くぞ!」

ダンの威圧的な大声をあげる。
静也はその怒声に驚いた。
その一瞬を狙ったかのようにダンは距離を詰めた。
そして無防備な静也の頭に蹴りを放つ。

しかしまたゆっくりに見える。
横から迫る脚を避けようと上体を反らして、蹴脚が過ぎた時、上体を元に戻し拳を突きだし寸止めした。

対人戦法を知らない静也の初めての対人戦。
あまりにもあっさり終わったので周りの人間からすれば地味な試合だったといえだろう。
しかし、静也は平和的に、平穏に終わったので静也は緊張が解け腰から崩れ落ちる。


―ダンside―
ダンは困惑していた。

「おかしい…引退したとはいえ、元金級冒険者だった俺の突きや蹴りを躱すのは初心者じゃあ、不可能なハズだ…」

静也が腰から崩れ落ちるのも目にくれず一人ブツブツと呟き出した。
現役ではないが現役時代とそう変わらない身体能力を持っているダンの攻撃が初心者同然の静也に避けられたことに驚きを隠せなかった。

「それなのに目の前のこいつシズヤってやつは躱しそして俺に攻撃をしてきた…スキルの恩恵だろうか?それしか考えられない。何のスキルを持っているんだ?<体術>か?<格闘術>か?」

静也の力の原因は一体何なのか思考を巡らせるが、すぐにあきらめる。

(だがまぁ、確かに一発入れられたもんだしな…)

「合格だ。おめでとう、これでお前も冒険者だ。」
あまりにもあっさりと終わり当の本人もぱっとしないままだった。

―ダンside 終わり―


「合格だ。おめでとう、これでお前も冒険者だ。」
(ん?待てよ。俺は正式な身分証を発行させたいだけで、冒険者になるって…あれ、受付のお姉さん、なにそのカード…)
「おめでとうございます。これで貴方も冒険者です。シズヤさん。こちらが冒険者カードです。」
「身分の証明になりますか?」

そう聞くと受付嬢は、

「もしかして正式な身分証を発行したかったんですか?!」

と言って凄く驚いた。

「で、ですがご心配なく冒険者カードも身分の証明になりますのでご心配なく。」
「あの、冒険者のルールみたいなのって…」
「冒険者の手引きは講習を行いますので明日来てください。」
「わかりました。で、あのお名前は…?」
「失礼しました。私は受付嬢の『エリナ』と申します。」

とりあえず身分証を発行できたので終わりよければすべて良しと考え深く考えないようにした。
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