傘使いの過ごす日々

あたりめ

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傘とは一体

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気づけば酒場の丸テーブルに突っ伏して寝ていた。
頭はガンガンして痛みが走る。
目の前にはアレンがイビキをかきながら寝ていた。

看板娘がこちら来る。
「お客様、今度は宿に帰れるくらいにしておいてくださいね。」

怖い笑顔があることを初めて静也は知った。そしてもう酔いつぶれないと決心した。

「お、お勘定をお願いします」
「はい、530ルターです、お支払お願いします。」
(そんなに?!なにを食ったんだ俺たちは…)
「はい、600ルターからお願いします。」

看板娘がカウンターへ行きお釣りを取りに行ってる間にテーブルの上にある皿の残り物をちょいとつまんだ。
昨日のことはほとんど覚えていないので、料理の味なんて覚えているはずがない。

「はい70ルターです。お連れの方は?」
「あ、彼は寝かしておいてください。起きたら会計は済んでるのと飲みすぎないようにいっておいてください。」

70ルターのチップを渡し覚束無い足で酒場を出る。


―アレンside―

「あれ、俺寝てたのか。…頭痛い。飲みすぎだな…あれ?シズヤはどこだ?もしかして先に帰ったか?」
「起きましたか?お連れの方は先にお帰りになられましたよ。ふらふらしながらですが。あと言伝ても頼まれております。」

看板娘が水の入ったコップを持ってテーブルの上に置いた。

「会計は済んでいるのと飲みすぎないようにとのことです。次からは宿に帰れるくらいにしておいてくださいね。」
「は、はいぃっ!」

看板娘の笑顔に全身に戦慄が走った。
女の人って怖いんだな…もう女の人を怒らせないようにしよう。
そうアレンは決心した

―アレンside end―


酒場を出て約10分、落ち着きが戻っていた。恐ろしく早く復元するのはスキル<傘の極意>からきている。
流石に早すぎるのに不信感を抱かずにはいられなかった。
宿に戻ったら<自己開示>を行うつもりでいる。
遅すぎるがやっとのこと気づきつつある。
スキルの異常性を。


とっておいた宿の自室で<自己開示>を行う。
いつのまにか知らないスキルが増えているのに眉をひそめる。

所持スキル一覧

パッシブスキル
<傘使い><傘の極意><転生者><常時警戒・傘><双槍使い・傘>
アクティブスキル
<傘><バーサークモード・傘><位置把握・傘><傘突き>
システム
<自己開示><■■■■><傘ストレージ確認>
その他
<アンブレランスモード>

知らないものがたくさんある。
新しく習得したスキルをつついて詳細を見ると

<常時警戒・傘>
傘を装備、もしくは常備している場合にのみ効果を発動する。
敵意、殺意に反応できる。危険も察知できる。
視界に入る範囲なら確実性は高い。

未発動

<双槍使い・傘>
傘を両手に装備時、もしくは槍と同じような攻撃をした場合、高い補正がかかる。
また、槍使いと同様のスキルを習得することができる。

未発動

<バーサークモード・傘>
バーサークモードの傘派生。
狂気に染まり、他人に手加減なしで襲いかかる。
傘を装備している時に任意、もしくは感情の爆発で発動する
発動中は理性を失うので使用は計画的に。

<位置把握・傘>
いったことのある場所ならば傘に連れていって欲しいと願えば傘の手元が目的方向へ倒れる。
別世界の所の場合使用者のいる世界を示すため使用は不可能。

<傘突き>
攻撃スキルの一種、貫通力が高く鎧をも貫く。
所有者のテクニックに依存する。
アンブレランスモード時には貫通力と攻撃力を上げる。

<■■■■>
ある神の権限の乱用により与えられたもの。
とある制限と恩恵を授けられた。
神のきまぐれで情報を公開するかもしれない。

ただいまの公開可能情報
傘以外の武器を触れることを禁じる。ただし、ナイフは可。

以上

<傘ストレージ確認>
傘の能力のひとつ、傘ストレージ内のものの在庫の確認をする。

<アンブレランスモード>
傘の形状変形のひとつ、攻撃に向いている。特に貫通力はずば抜けて高い。
このモードでは傘ストレージからアイテムを取り出せない。



だんだんとスキルについてわかってきた。
しかし、いつのまにこんなに習得していたんだと、疑問を抱いていた静也だった。


もちろん静也が気づいていないものが多い。
ここまで来るともはや救いようがない。
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