86 / 106
昇級試験
しおりを挟む
魔族問題が解決して一週間が経ったころ。
毎日薬草採取や、手伝い系の依頼をこなしてきた。
今日もいつものように依頼をこなそうと、ノーナと掲示板を眺めていたら
「シズヤさん、冒険者カードのランクアップに挑戦しませんか?」
「ランクアップですか?銀級になってまだ、一月と少し位しか経ってませんよ?」
「たしかに、そこまで時間もたってませんけど、重要なのは能力と資質ですから。」
「妾もそのランクアップに参加できるかの?」
「ノーナさんは、今は木級なので、石級のランクアップ試験が受けられますよ。資格も十分ございますので、受けられますよ。飛び級試験はあまりおすすめ致しませんよ。」
「何故?」
「飛び級試験に失敗しますと、半年の間は冒険者カードが使えなくなり、級位が一級下がります。また、失敗したことによって罰金もございます。」
「成るほどの…では、妾は安全マージンとやらで普通にランクアップ試験にするかの。」
ノーナはランクアップ申請書にサインをする。
元々知性の高いノーナは言語習得を軽々とやってのけたため、会話や読み書きが完璧に出来る。
受け付け嬢も感心してしまう程の綺麗な文字でサインを終え、静也の方を見るとどうだ、と言わんばかりの顔を見せる。
静也は笑みを返し、ノーナの頭を撫でる。
自分は子供ではないと言うも、満更でもない表情だ。
ランクアップ試験は三日後、相手は元金級冒険者ダンだ。
以前組合の試験で倒したことがある。
その時は手加減をするのにてこずったが、今の静也はその心配はない。
ノーナは石級冒険者の『オーリン』が相手だ。
オーリンは女性冒険者だ。石級で、試験官をするのは珍しく、普通は銀級だが、例外、イレギュラーと言えるのだ。
オーリン自身、依頼達成数は多く、実戦経験もあり、人柄も良いので推薦が来たらしい。
試験の内容は、筆記、実技だ。
筆記は冒険者のルールがほとんどだ。あとは、狩ったあとの魔物の処理の仕方など、一般問題が出題される。
実技は試験官との手合わせだ。
石級昇格審査は、試験官との武器あり魔法ありの点数制、金級昇格審査は試験官との武器あり魔法ありの実戦型式だ。
三日後、試験当日。
体調は万全、気力は溢れるような感覚がする。
つまり、ベストコンディションだ。
コンディションの良し悪しで、アスリートなどは勝負が別れる時が多々ある。
コンディションが良いことに越したことはない。
朝早くからティアが来てくれて、朝食を作ってくれていた。
ノーナも手伝っていたようで、なにやら楽しそうに話していた。
「ねぇ、シズヤの兄ちゃん、あの、できるなら、お泊まりできるかなー、なんて思ってて……ダメ?」
「いいよ!」
「シズヤよ、返答が早くないかの?もう少し悩まんかの…」
上目遣いと、ティアの可愛さに一発ノックダウン、いや、食らう前に負けていた。
ティアの嬉しそうな顔にノーナも何も言えないようだ。
「空き部屋があるから、そこを貸すよ。家具とか既にあるから、自由に使ってくれていいよ。泊まりたいときにはちゃんとアンに言うんだよ。でないと心配させるから。」
「うん!ありがとう!シズヤの兄ちゃん!だいすき!」
「むっ?!な、なにをぅ!妾もシズヤが好きだぞ!」
「あの、凄く恥ずかしいんですが…」
賑やかな朝食を取り、準備を済ませ、組合へと向かう静也とノーナ。
ノーナの基本的な得物は槍、静也のアンブレランスとは違い棒状のやつだ。
槍は基本的に扱いやすい武器だ。
刺突においてはどの武器よりも遥かに勝り、リーチは近接戦武器の中では最長だろう。
構えは流派や、個々の実力によって変わってくるので、初手で読まれにくい。
しかし、その槍はサブである。
強力な武器だが、相手が超近接で、自分の間合いに入られたなら対策がとりにくい。
なので、さらにサブに双剣を使っていた。
いずれにしても、それらの武器は出会った当初虚無に飲まれ無くなっていたので、武器屋で買った。
今、静也達は組合の裏にある広場で試験を受けていた。
筆記はある程度依頼をこなしていれば解ける問題だ。
報酬の受け取り方法、依頼者が失踪している場合、他人の冒険者カードを取得した場合などだ。
ノーナは頭が良く、冒険者の手引きを目を通しただけで理解してしまう。
天才というやつだ。
実技は石級昇格審査から始まるため、それまでは自由、しかし招集に遅れた場合は失格になるため、殆どの者は組合からそこまで離れない。
ノーナの招集が入り、観客席で見守ることにした。
毎日薬草採取や、手伝い系の依頼をこなしてきた。
今日もいつものように依頼をこなそうと、ノーナと掲示板を眺めていたら
「シズヤさん、冒険者カードのランクアップに挑戦しませんか?」
「ランクアップですか?銀級になってまだ、一月と少し位しか経ってませんよ?」
「たしかに、そこまで時間もたってませんけど、重要なのは能力と資質ですから。」
「妾もそのランクアップに参加できるかの?」
「ノーナさんは、今は木級なので、石級のランクアップ試験が受けられますよ。資格も十分ございますので、受けられますよ。飛び級試験はあまりおすすめ致しませんよ。」
「何故?」
「飛び級試験に失敗しますと、半年の間は冒険者カードが使えなくなり、級位が一級下がります。また、失敗したことによって罰金もございます。」
「成るほどの…では、妾は安全マージンとやらで普通にランクアップ試験にするかの。」
ノーナはランクアップ申請書にサインをする。
元々知性の高いノーナは言語習得を軽々とやってのけたため、会話や読み書きが完璧に出来る。
受け付け嬢も感心してしまう程の綺麗な文字でサインを終え、静也の方を見るとどうだ、と言わんばかりの顔を見せる。
静也は笑みを返し、ノーナの頭を撫でる。
自分は子供ではないと言うも、満更でもない表情だ。
ランクアップ試験は三日後、相手は元金級冒険者ダンだ。
以前組合の試験で倒したことがある。
その時は手加減をするのにてこずったが、今の静也はその心配はない。
ノーナは石級冒険者の『オーリン』が相手だ。
オーリンは女性冒険者だ。石級で、試験官をするのは珍しく、普通は銀級だが、例外、イレギュラーと言えるのだ。
オーリン自身、依頼達成数は多く、実戦経験もあり、人柄も良いので推薦が来たらしい。
試験の内容は、筆記、実技だ。
筆記は冒険者のルールがほとんどだ。あとは、狩ったあとの魔物の処理の仕方など、一般問題が出題される。
実技は試験官との手合わせだ。
石級昇格審査は、試験官との武器あり魔法ありの点数制、金級昇格審査は試験官との武器あり魔法ありの実戦型式だ。
三日後、試験当日。
体調は万全、気力は溢れるような感覚がする。
つまり、ベストコンディションだ。
コンディションの良し悪しで、アスリートなどは勝負が別れる時が多々ある。
コンディションが良いことに越したことはない。
朝早くからティアが来てくれて、朝食を作ってくれていた。
ノーナも手伝っていたようで、なにやら楽しそうに話していた。
「ねぇ、シズヤの兄ちゃん、あの、できるなら、お泊まりできるかなー、なんて思ってて……ダメ?」
「いいよ!」
「シズヤよ、返答が早くないかの?もう少し悩まんかの…」
上目遣いと、ティアの可愛さに一発ノックダウン、いや、食らう前に負けていた。
ティアの嬉しそうな顔にノーナも何も言えないようだ。
「空き部屋があるから、そこを貸すよ。家具とか既にあるから、自由に使ってくれていいよ。泊まりたいときにはちゃんとアンに言うんだよ。でないと心配させるから。」
「うん!ありがとう!シズヤの兄ちゃん!だいすき!」
「むっ?!な、なにをぅ!妾もシズヤが好きだぞ!」
「あの、凄く恥ずかしいんですが…」
賑やかな朝食を取り、準備を済ませ、組合へと向かう静也とノーナ。
ノーナの基本的な得物は槍、静也のアンブレランスとは違い棒状のやつだ。
槍は基本的に扱いやすい武器だ。
刺突においてはどの武器よりも遥かに勝り、リーチは近接戦武器の中では最長だろう。
構えは流派や、個々の実力によって変わってくるので、初手で読まれにくい。
しかし、その槍はサブである。
強力な武器だが、相手が超近接で、自分の間合いに入られたなら対策がとりにくい。
なので、さらにサブに双剣を使っていた。
いずれにしても、それらの武器は出会った当初虚無に飲まれ無くなっていたので、武器屋で買った。
今、静也達は組合の裏にある広場で試験を受けていた。
筆記はある程度依頼をこなしていれば解ける問題だ。
報酬の受け取り方法、依頼者が失踪している場合、他人の冒険者カードを取得した場合などだ。
ノーナは頭が良く、冒険者の手引きを目を通しただけで理解してしまう。
天才というやつだ。
実技は石級昇格審査から始まるため、それまでは自由、しかし招集に遅れた場合は失格になるため、殆どの者は組合からそこまで離れない。
ノーナの招集が入り、観客席で見守ることにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる