よるの王様

よこいみさと

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よるの王様

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よるのおうさま えらいおうさま
ひとりぼっちで はたらきもの

よるのおうさま えらいおうさま
ひとりぼっちで おくびょうもの

みんながよるに ねむるころ
よるのおうさま おきだして

みんながよるに ねむるころ
よるのおうさま しごとする

よるのおうさま よるのくにで
みんなのゆめを えがいてる

よるのおうさま よるのくにで
みんなのゆめを まもってる

よるのくには みんなのゆめを
みんなにとどけるのがしごと

よるのおうさま ゆめがすき
みんなにえがくのもっとすき

きょうのゆめは どんなかな
みんなのゆめを かかせてね

あのこのゆめは おいしいゆめ
あま~いおかし たべほうだい

あのこのゆめは そらとぶゆめ
つばさをつけて とびほうだい

あのこのゆめは かぞくのゆめ
あえないひとと あいほうだい

よるのおうさま ゆめをかいて
けらいにわたす

ねむるみんなの ゆめをかいて
どんどんわたす

けらいがもてなくなるくらい
いっぱいのゆめ
おうさまひとり たいへんだ

でもねおうさま いえないの
てつだって、が いえないの

だっておうさま おくびょうだから
てつだって、が いえないの


よるのおうさま えらいおうさま
ひとりぼっちで はたらきもの

よるのおうさま えらいおうさま
ひとりぼっちで おくびょうもの

よるのおうさま きょうもひとり
みんなのゆめを えがいてる

よるのおうさま きょうもひとり
てつだいなしで えがいてる

だけどあるとき けらいがいった
わたしにゆめを かかせてほしい

おうさまとてもよろこんで
けらいにゆめを えがかせた

けらいはかいた
おうさまよりも きれいなゆめを
おうさまよりも すてきなゆめを

おうさまそれもよろこんで
けらいにゆめを まかせてた

しかしあるとき けらいはにげた
みんなのゆめを ほうってにげた

ほうったゆめは かぜにとばされ
よるのしろから とんでった

よるのおうさま いっぱいないた
ごめんなさいも いっぱいいった

するとみんなが

よるのくにの みんながゆめを
あつめてくれた

よるのくにの はしからはしまで
ゆめをおって あつめてくれた

くにのあのこは はなしじょうず
ゆめのありかを たずねまわった

くにのあのこは じまんのあしで
ゆめのありかを さがしまわった

くにのあのこは こころやさしい
なみだをながす おうさまなでた

よるのおうさま いっぱいないた
ありがとうって いっぱいいった

よるのおうさま えらいおうさま
みんなのおかげで はたらきもの

よるのおうさま えらいおうさま
みんなのおかげで しあわせもの
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