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しおりを挟む巡業初日は順調だった。人々はルイスとシャルの診察を喜び、そういう機会を心待ちにしていたと言っていた。
20時を回った頃、二人は城下町の港付近に宿を取った。
「シャル様、本日は大変お疲れ様でした。先にバスルームをお使い下さい」
「お前こそ、いい働きだったな。しかし、考えさせられることが多すぎる。あんなにも病に苦しむ国民がいたなんて、今まで知らなかった……」
ルイスからバスタオルを受け取ると、シャルは物憂(ものう)げに言う。
「国の医療制度は全国民に行き届いているのだとばかり思っていた」
「城下町は物価も高いですし、病院側も生き残りを賭(か)けて治療費を高くするしかなくなるのです。病にかかった人々も皆が皆治療費を捻出(ねんしゅつ)できるわけではありませんから、病状を無視してごまかしたり、自宅にこもることで自然回復を待ったり、様々な形で対応するしかなくなるのです」
「今後の課題だな」
あいなを探し城に戻ったら、さっそく問題解決に取りかからなくては。シャルは改めて決意する。執事を辞めた身なので、ルイスはそれについて言葉を挟まなかった。シャルは、ルイスの心情に気付いていないフリをする。
「思ったんだが、巡業しながら情報収集できる機会を待つより、ハロルドを付けた方が早いんじゃないか?アイツはあいなの居場所を知ってるんだし、あの二人は絶対どこかで会ってるだろ?」
「ハロルド様が普通の人間でしたらそうしていましたが、あいにくそれは無理です」
ハロルドは、一度出会った人間のオーラ(気配)を24時間前まで遡(さかのぼ)って察知する能力を持っている。
「尾行などしたらすぐに気付かれてしまいます。そうなったら最後。ハロルド様はあいな様を私達からさらに遠ざけるような手助けをなさる可能性があります」
「そうだったな……。なんてもどかしいんだ…!」
歯を食いしばることで、シャルは苛立ちをこらえる。行動すればすぐにあいなの目撃情報を得られると考えていたが、それは甘かった。
「ハロルドはなぜああも頑(かたく)なに口を閉ざす?あいなと仲がいいとはいえ、俺達とも幼なじみだというのに……。不自然というか、アイツらしくない感じがしないか?」
「それは私も気になりました。以前のハロルド様なら、すんなりあいな様の居場所を教えて下さったでしょうしね。シャル様にご執心(しゅうしん)でいらっしゃいましたし」
「そうだが、そういう意味で言ったんじゃないっ。お前は、よく恥ずかしげもなくそういうことをサラリと言えるな」
「それはともかく」
シャルの反応をまたもやスルーし、ルイスは深刻な面持ちで自分の推測を口にした。
「ハロルド様は、ヴィクトリア様が占ったというあいな様の過去をお知りになったのかもしれません。それにより、彼女への友情が愛情に変わった、私はそう考えます」
「何だって!?」
シャルは、信じられないといった面持ちで視線を泳がせる。
「何もおかしなことではありません。たしかにハロルド様はシャル様を深くお慕いしてみえましたが、人の思考や気持ちなんてものの一瞬で変わるものです」
ルイスの言葉には実感がこもっていた。
「それに、先日私達がバロニクス城に滞在した際、ハロルド様は幾度(いくど)となくあいな様への好意を示すような言動を取ってみえました。ご本人すら無自覚なのでしょうが」
「……そうだな。認めたくなかったが、それは俺も薄々感じていた」
あいなに惚れた二人がハロルドの心情に理解を示すのは容易(たやす)いことだった。
「何でハロルドなんだ?俺もあいなに頼られたかった。いや、俺だけが、アイツの支えでありたい……」
「ヴィクトリア様がおっしゃっていたのはこういうことですよ、シャル様。あいな様を支えるのは並大抵の心意気では不可能ということです。宝物庫の鍵を壊しエトリアの指輪を盗み出すくらいです、あなたにはその覚悟があると思っていたのですが?」
「お前はどうなんだ?」
「あいな様に想いを告げたその瞬間から覚悟はできています。傷付き傷付ける覚悟。泣き泣かせる覚悟を」
「……やっぱり、俺はお前には敵わないのか?仮の恋人になったと言われた時点で、すでに負けていたのかもしれない」
「そのような生温(なまぬる)い事を言っている段階ではありませんよ、もう。同じ屋根の下で過ごしたというだけで甘ったれ弱音を口にする男にあいな様の婚約者を名乗られるのは、心底腹立だしい」
ルイスは壁際までシャルを追いつめると、彼の耳元で強く壁に手をついた。ルイスの方がわずかに背が高いので、シャルを見下ろす形になる。
「戦線離脱したいのならお好きにどうぞ。甘く楽しいだけの恋愛がしたいのなら今すぐ城に帰られては?あなたを慕う女性は数知れないのですから、選(よ)り取(ど)りみどり、お望みの生活が送れますよ。何なら、今からあいな様に代わる別の女性を見繕(みつくろ)って結婚したらいい。婚約発表も済ませていることですしね」
「なっ……!」
「恋敵が居なくなるのは、私にとって願ってもない好都合です」
「ははっ……。いつにも増して容赦(ようしゃ)ない。痛いところをグザグサと……。ずいぶんハッキリ物を言うようになったな」
悔しげに両手を握りしめていたシャルは、ようやく笑みを見せる。
「ええ。私はもうあなたの執事ではありませんからね。行動を共にしてはいますが、あなたを出し抜きたいと常に考えていることをお忘れなく。もちろん、このままハロルド様の好きにさせておくつもりもありませんが」
ルイスは挑発的な眼差しと口調で微笑し壁から手を離すと、シャルをバスルームに促した。
「焦(あせ)るお気持ちは私も同じですが、急(せ)いては事を仕損(しそん)じると言います。大切なことですし、時間がかかっても確実な方法で攻めましょう。
シャル様がご入浴なさっている間、私は龍河(りゅうが)様と秋葉(あきは)様に報告の電話をいたします」
「何から何まですまない。助かる。あの二人にもかなり心配をかけてしまったしな……」
浴室に足を向けたシャルは一度だけ振り返り、告げた。
「未練がましいことを言うが、俺は今後、お前以上の執事に出会える気がしない」
「シャル様……」
「頭の中にある色々なこと隠さず話してくれるのお前の優しさだと思ってるし、厳しい言葉の裏にも愛情を感じる。卑怯なやり方でライバルを蹴落(けお)とすようなヤツはわざわざそんなこと言わないし、隠れて卑怯な手を使うものだろ?お前はそういうヤツじゃない。
ありがとな。ハロルドのこともあるしあいなも見つからないしで焦(あせ)って自分の気持ちを見失いかけてたけど、お前のおかげで軌道(きどう)修正完了だ!目が覚めたっ」
専属執事に戻ってほしい。そう願うシャルの心を感じ取り、ルイスは言葉を失った。
(あなたは、どうしてそこまで懐(ふところ)が深いのですか……。その思考はもはや、鈍感や皮肉の域を越えています。)
一言で言い表せない様々な感情が混ざった敗北感で、涙腺(るいせん)がゆるむ。
気を取り直し、ルイスは今夜借りることになった部屋の電話で秋葉の客室に連絡を入れた。
「秋葉様。こんばんは。連絡が遅くなってしまい大変申し訳ありません。ルイスです。龍河様もご一緒でしょうか?」
『はい、今同じ部屋に居ます。あいなは見つかったんですか!?』
「はい。信用できるお方にあいな様の無事を確認しました。そのお方は現在も引き続きあいな様の保護をして下さっています。私達も近いうちにあいな様と会う予定ですので、どうかご安心下さい」
出来るだけ秋葉を不安にさせないよう、ルイスは言葉を選んだ。
『……そうなんですね。あいな、無事なんですね。良かった……』
秋葉は、今まで泣いていたような声をしている。
「そこで、秋葉様と龍河様にお伝えしておきたいことがあるのですが……。このような時に申し上げづらいことなのですが、あいな様の書き置きにもあったよう、あなた方は一刻も早く地球にお戻り下さい」
『こんな時にあいなを置いて帰るなんて出来ません!』
「お気持ちは重々承知の上で申し上げています」
『……何か、理由があるんですね?』
「詳しいことはお話出来ませんが、お願い致します。あなた方のためにも、あいな様のためにも」
ルイスは考えていた。シャルを伴って自分が城を出た今、シャルとあいなの結婚に反対したカロスが、秋葉や龍河を駒にシャルを連れ戻そうとする可能性を。かといって、自分は今、秋葉や龍河を守れる立場にないし状況的にもそれは難しい。カロスが良からぬ策を打ち出す前に秋葉と龍河を安全な場所に避難させたかった。地球まで行けば、さすがのカロスも秋葉達に手出しはできない。
『分かりました。それがあいなのためになるなら。書き置きにもそう書いてあったし……』
長い沈黙の後、秋葉はルイスの指示にうなずいた。
「勝手を申し上げ心苦しいですが、ご理解、感謝致します」
『いえ。感謝するのはむしろ私の方です。ルイスさんに話を聞いてもらった後、龍河君と気持ちを確かめ合うことができました』
「それはそれは!おめでとうございます。本当に良かったですね。お祝いして差し上げられないのが残念です」
『お気持ちだけで充分ですよ。こうなったの、ルイスさんのおかげです。掴(つか)める手を離すなんて御免(ごめん)だ――。あなたの一言で自分の怠慢(たいまん)に気付くことができたんです』
「行き過ぎた発言になってはいないかと反省していたのですが、良い方向に転じたようで安心致しました」
『本当に、ありがとうございました。今まで隠してきた分、貪欲(どんよく)になります』
前向きな秋葉の言葉からは、ルイスの恋に対する気遣いも感じられた。
『シャル王子のことがあるのにこんなこと言ったらいけないかもしれないけど……。ルイスさんがあいなの本当の恋人になれるのを、私は心から願ってます』
「……ありがとうございます。龍河様と、末永くお幸せに」
疎外(そがい)感と祝福の気持ちを半々に柔らかく言葉を告げ、ルイスは電話を切った。
シャルとの結婚は無くなった。もう婚約者でも何でもない自分が、仮の恋人とはいえシャルの専属執事をしているルイスに甘えたり、シャルの告白を前向きに検討するわけにいかない。カスティタ城での出来事全てを忘れるように、あいなはがむしゃらに働いていた。皿洗い、調理、接客、掃除。指示されるがまま何でもやった。
けれど、ふとしたことで二人のことを思い出してしまうから困る。
例えば、店のメニュー。うどんを注文されるとシャルに看病された優しい時間を思い出してしまうし、甘党の常連客にサービスのスイーツを運ぶよう店長から指示されるとルイスのことが頭を過(よぎ)ってしまう。
(シャルの手作りうどん、美味しかったな。心まで深く染み込むような味だった。色々、話も聞いてくれて……。
ルイスにはお菓子作りを教えてもらう約束をしたのに、結局果たせなかったな……。昔から私が甘い物好きだってこと、覚えててくれたんだよね。関心持ってれて、本当に嬉しかったな。)
来る客全員に明るい接客をすることで、あいなは二人のことを意識しないようにした。
(元々、あの二人は別世界の人達だったんだよ。色んな意味で……。)
夜が深まるにつれ、酒場モードの店内は賑(にぎ)わいを増した。客のフリをしてひそかにあいなを護衛するバロニクス城の執事二人が混ざっているが彼らの身なりは一般人に馴染むものだったため、あいなはそれに気付かない。他にも、他国から派遣された傭兵(ようへい)が数人、若い男女のカップル、旅の団体一組で満席である。
カウンターで創作料理を食べつつ、ハロルドはあいなの様子を視界に入れていた。途中から飲み物をソフトドリンクに変えたのは、万が一の時にあいなを守るためだった。一人、怪しい男性客がいるから気になってしまう。何もなければいいのだが……。
仕事帰りに立ち寄ったと話す二十代なかばのその男は、来店時からとどまることなくガブガブと酒を飲み、注文のたびに接客係のあいなに絡んでいる。
「お待たせしました。ウォッカになります」
仕事だと割り切っているのか、あいなは嫌な顔ひとつせず、他の客に対する時と同様、笑顔で男の元に酒を運んだ。
新人?初々しいね。君、男いるの?いなかったら俺と付き合わない?住み込みで働いてるの!?この後、行っていい?俺、胸小さい子好きだよ!抱かせて?女と別れたばっかで、たまってんだよねー。
酔いが回るほど加熱していくセクハラ発言。最初はどうしたらいいのか分からず戸惑っていたあいなも、何回か繰り返し同じことを言われたせいで慣れたのか、笑顔で明るくかわしている。
「あいなちゃん、ホント可愛いね」
「そんなこと初めて言われましたよ」
「嘘だぁ。ねぇ、頼むよ、今夜抱かせて?毎晩一人寝で寂しいんだよぉ」
「寂しいのは分かりますけど、そういうのは軽々しくしたらダメですよ~」
明るくサバサバした口調で接客をこなす。やんわり突き放されたことに気付いてもあいなを嫌いにならなかったその客は、あいなと話したいがために何度も酒を注文した。
「あいな、ちょっといい?」
あいなの手が空いたのを見計らい、ハロルドは彼女を呼んだ。
「ごめんね、ハロルド。せっかく来てくれたのに全然話せなくて」
「それは大丈夫。僕が勝手に来てるだけだから。そんなことより、あのお客さん大丈夫?下品にもほどがあるよ。それとなく外に連れ出そうか?そういうのわりと得意だし」
「ううん、いいの。お客さんだし、適当にかわしてればそれ以上ひどくなることないから。いざとなったら、蹴(け)りと拳で対抗するし。クビになりたくないから、それは最終手段だけど」
元気に答えつつ、あいなが無理をしているのも分かる。額にはうっすら汗をかいていた。さきほどに比べたら顔色はいいが、それは客のいやらしい発言に顔を赤くせざるを得ない状態だったからだと、ハロルドは分かっていた。
「あいなちゃん、これ持っていってくれるかい?」
「はい、分かりました。ハロルドごめん、また後でっ」
老人男性の店主・ロンに呼ばれ、あいなは仕事に戻った。店内のあちこちを行ったり来たり、忙しく動き回るあいなを、性的な眼差(まなざ)しで見る男性客は少なくない。メイド衣装風の制服は上半身部分の生地が体にフィットしており、胸の形がはっきり出てしまうのである。
(たまに来ればいいかと思ってたけど、これじゃ執事達だけに任せておけないよ。)
ハロルドは、毎日ここへ通うことにした。
(シャルやルイスがこんなところを見たら、怒るどころじゃ済まないだろうね……。)
シャルやルイスのように魔法は使えないけれど、いざとなったらその時はあいなを守りたい。ハロルドはいつになく凛々しい眼差しをした。
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