異世界おまんこ天国!

あやきち

文字の大きさ
4 / 25
勇者パーティー結成編

散策

しおりを挟む
 しばらくして話がひと段落し、僕は所長室をあとにした。サクラさんに依頼への答えを聞かれてたが、「ちょっと考えさせてください」とだけ言っておいた。
 帰り道のエレベーターを降りてから元の部屋に戻るまで、またおまんこの大盤おおまん振る舞いを目にしたが、「ああ、ここの女の人たちはみんなエッチなことが好きなんだなあ」などと意味不明なことを考えていた。ていうかアリサさんもエッチなことが好きなんだろうか。呆然と歩いているともう目の前が部屋で、そこには「客室」と日本語が添えられた鈍色のネームプレートがあった。
 面談はかなり長くなったがまだ昼食までは時間があったので、「またあとで」とアリサさんは言い残して退室した。僕はベッドに横になって天井を見つめた。

 サクラさんと話をしてわかったことがいくつかある。
 まず、この建物ーー遺跡研究所ーーに女性しかいない理由だが、そもそもこの世界には女性しかいないのだという。記録の上でも男性が存在していたのは千年以上前だったか……細かい数字は聞き逃してしまったが、ものすごく昔の話だ。それ以来、女性は科学的な手法を用いて子孫を残してきた。ときに子宮で子どもを育て、ときに試験管で子どもを育て……。それどころか健康管理と寿命の操作が可能になって、人が命を落とすことはごく稀だし、新しい命が生まれることもあまりないらしい。
 その結果ーーというにはあまりに短絡的かもしれないが、女性だけの世界での性への向き合い方はオープンな娯楽としてのものへと変わっていったそうだ。そのことを一言で表したのが先のアリサさんの言葉というわけだ。

「平たく言うと、この世界の女性はみんなエッチなことが好きってことです」

 それは女性同士のエッチなことって意味か?と疑問に思ったが、サクラさんがすぐ「みんな女性同士でエッチなことしてるけど、男性の存在は記録で知ってるし、『実際に男性がいたらエッチしてみたいね』なんてよく聞くしな」と言っていた。ほんまかいな。しかも生殖器の機能がすでに変更されていて、男性の精液で妊娠することもないという。マジかよ。
 とはいえ、僕はこの状況が嫌じゃなかった。人並みにエッチなことには興味があるし(経験はないけど)、ていうか男子ならみんなこのシチュエーションに喜ぶことだろう。しかし、そんな僕の心も見透かされていたかのように、サクラさんは補足した。

「ササキさんは、この我々の要望を喜んで引き受けてくれそうな男性として選ばれた」

 はい、僕がエッチなクエストを喜びそうってことで意味ですね。なんでも魂を呼び寄せるにあたってそういった条件に合致する魂を探すことができたらしい。

「もっとも、それは我々の技術ではない。クエストの内容のうち、ササキさんが選ばれるまでの内容においては『祠』に備えられていた機能を使っただけだ」

 祠とは、ある洞窟の奥にある、世界の呪いやクエストの発生源で、この世界の科学力をもってしても解明することのできない力を秘めているという。そして、僕がそのクエストを達成しなければ、祠はこの世界を滅ぼしてしまう。
 サクラさんは僕にクエストの期限を伝えなかった。世界そのものを人質にとって僕の意思を強制したくないというのが理由だそうだが、そこまでしてもらわなくてもと思う。むしろこの危機が差し迫ったものだったらどうしようと焦りすら感じる。あるいは、期限は実はものすごく先で、それで僕がやる気を無くしてしまうことを恐れているのだろうか?
 同じ理由で、僕以外の異世界人を呼んでくることができるスパンについても教えてもらえなかった。僕が拒否したら他の人を呼べるまで待つだけだ、というサクラさんの言葉はどこまで楽観的なものか分からない。

 昼食を終えた僕のところにアリサさんがきて、午後の予定をどうするか訊かれた。今までどおりのリハビリの延長でフィットネスを楽しんでもいいし、アリサさんの案内でこの建物やその周りを観光してもいいそうだ。僕は後者を依頼した。

「このペンダントをつけてください。自動翻訳機能があって、周りの音声を日本語に、カエデさんの音声をここの言語に変換します」

「アリサさんやサクラさんが日本語を話せるのは特別なんですか?」

「私たちは事前に準備をしていたので、機械の支援を受けながらこうして話すことができています」

「そうですか、わざわざありがとうございます」

「いえいえ。あと、これがコンタクトレンズ型のデヴァイスです。視界にある文字を日本語に変換します」

 コンタクトレンズをつけたことのなかった僕はアリサさんにそれを装着してもらい(顔が近くてちょっとドキドキした)、二人で部屋の外へ出た。
 僕らはまず災害研究所の玄関ホールに向かった。僕は乳首とおまんこの露出している格好の人々を初めて「正面から」見ることになった。エレベーターを降りると開けた空間に円形の広場があって、中心ほど段が低くなっている。数十人の人々がそれぞれ話していたが、僕らを見ると一斉に視線を向けて歓声を上げた。「ようこそ」とか「歓迎します」とかの言葉が翻訳機を通して聞こえてくる。僕が視線をどこに(おっぱいに、あるいはおっぱいでないところに)向けたらいいのか迷ってドギマギしていると、アリサさんが僕の方に手を向けて、自然と拍手が起こった。まるで僕が勃起したことに対して起こったような拍手だと思った。
 広場を抜けると、研究所から出たところは歩道になっていた。乗り物に乗っている人はいなくて、平らな面の上に商店街らしきものが広がっている。出店が気になって僕が見ていると、アリサさんが気を利かせて紹介してくれた。

「何か、食べてみたいものはありますか?」

「そうですねぇ……」

 僕がワゴンの中を覗き込むと、見たことのない果物が所狭しと並んでいる。赤や緑、白と黒。カラフルな、しかし自然から飛び出してきたみたいに瑞々しい見た目をしていた。商品名と値札が付いていて翻訳がレンズを通して見えているが、「ウーラ、1個3400アグリヴァ」「セブレゼ、1個1800アグリヴァ」といった具合でほとんど意味がない。悩みながら唸っていると「いらっしゃい!」といきなり後ろから声をかけられた。ここの店主だろうか。振り向くと、目の前におっぱいが勃っていた。
 僕の視界がおっぱいで覆われている。豊満なそれを支えて持ち上げるようなコルセット状の服も一応は視界の端に見え隠れする。もう少しで乳首に鼻先が触れそうだ。真っ赤な乳首は何故か勃起していた。ものすごくいい匂いがしたけれどそれは果物の匂いなのかあるいは目の前の女性の匂いを妄想しているのか分からなくなりそうだった。

「カリン、こんにちは」

「あ、アリサのツレだったか。この辺の食べ物は初めて見るかい? 甘いのも酸っぱいのもあるよ? 好きな味のものを見繕ってあげようか」

「あ……ありがとうございます。好きなのは甘いやつですが、持ち合わせが……」

「大丈夫、私が払いますから。カリン、甘いのをいくつか、二つずつもらってもいい?」

「まいど!」

 カリンと呼ばれた店主はおっぱいをブルンと震わせて店の奥に戻っていった。背の高い後ろ姿が在庫の箱から商品を袋に入れようと前屈みになると、これまた大きなお尻の間から穴がきれいに見えて、僕は目が離せなかった。
 顔が真っ赤になったのを感じた。アリサさんがそれを見て少し笑っているような気がしてさらに恥ずかしかった。強いて言えば甘酸っぱい気持ちになった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...