異世界おまんこ天国!

あやきち

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勇者パーティー結成編

散策

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 しばらくして話がひと段落し、僕は所長室をあとにした。サクラさんに依頼への答えを聞かれてたが、「ちょっと考えさせてください」とだけ言っておいた。
 帰り道のエレベーターを降りてから元の部屋に戻るまで、またおまんこの大盤おおまん振る舞いを目にしたが、「ああ、ここの女の人たちはみんなエッチなことが好きなんだなあ」などと意味不明なことを考えていた。ていうかアリサさんもエッチなことが好きなんだろうか。呆然と歩いているともう目の前が部屋で、そこには「客室」と日本語が添えられた鈍色のネームプレートがあった。
 面談はかなり長くなったがまだ昼食までは時間があったので、「またあとで」とアリサさんは言い残して退室した。僕はベッドに横になって天井を見つめた。

 サクラさんと話をしてわかったことがいくつかある。
 まず、この建物ーー遺跡研究所ーーに女性しかいない理由だが、そもそもこの世界には女性しかいないのだという。記録の上でも男性が存在していたのは千年以上前だったか……細かい数字は聞き逃してしまったが、ものすごく昔の話だ。それ以来、女性は科学的な手法を用いて子孫を残してきた。ときに子宮で子どもを育て、ときに試験管で子どもを育て……。それどころか健康管理と寿命の操作が可能になって、人が命を落とすことはごく稀だし、新しい命が生まれることもあまりないらしい。
 その結果ーーというにはあまりに短絡的かもしれないが、女性だけの世界での性への向き合い方はオープンな娯楽としてのものへと変わっていったそうだ。そのことを一言で表したのが先のアリサさんの言葉というわけだ。

「平たく言うと、この世界の女性はみんなエッチなことが好きってことです」

 それは女性同士のエッチなことって意味か?と疑問に思ったが、サクラさんがすぐ「みんな女性同士でエッチなことしてるけど、男性の存在は記録で知ってるし、『実際に男性がいたらエッチしてみたいね』なんてよく聞くしな」と言っていた。ほんまかいな。しかも生殖器の機能がすでに変更されていて、男性の精液で妊娠することもないという。マジかよ。
 とはいえ、僕はこの状況が嫌じゃなかった。人並みにエッチなことには興味があるし(経験はないけど)、ていうか男子ならみんなこのシチュエーションに喜ぶことだろう。しかし、そんな僕の心も見透かされていたかのように、サクラさんは補足した。

「ササキさんは、この我々の要望を喜んで引き受けてくれそうな男性として選ばれた」

 はい、僕がエッチなクエストを喜びそうってことで意味ですね。なんでも魂を呼び寄せるにあたってそういった条件に合致する魂を探すことができたらしい。

「もっとも、それは我々の技術ではない。クエストの内容のうち、ササキさんが選ばれるまでの内容においては『祠』に備えられていた機能を使っただけだ」

 祠とは、ある洞窟の奥にある、世界の呪いやクエストの発生源で、この世界の科学力をもってしても解明することのできない力を秘めているという。そして、僕がそのクエストを達成しなければ、祠はこの世界を滅ぼしてしまう。
 サクラさんは僕にクエストの期限を伝えなかった。世界そのものを人質にとって僕の意思を強制したくないというのが理由だそうだが、そこまでしてもらわなくてもと思う。むしろこの危機が差し迫ったものだったらどうしようと焦りすら感じる。あるいは、期限は実はものすごく先で、それで僕がやる気を無くしてしまうことを恐れているのだろうか?
 同じ理由で、僕以外の異世界人を呼んでくることができるスパンについても教えてもらえなかった。僕が拒否したら他の人を呼べるまで待つだけだ、というサクラさんの言葉はどこまで楽観的なものか分からない。

 昼食を終えた僕のところにアリサさんがきて、午後の予定をどうするか訊かれた。今までどおりのリハビリの延長でフィットネスを楽しんでもいいし、アリサさんの案内でこの建物やその周りを観光してもいいそうだ。僕は後者を依頼した。

「このペンダントをつけてください。自動翻訳機能があって、周りの音声を日本語に、カエデさんの音声をここの言語に変換します」

「アリサさんやサクラさんが日本語を話せるのは特別なんですか?」

「私たちは事前に準備をしていたので、機械の支援を受けながらこうして話すことができています」

「そうですか、わざわざありがとうございます」

「いえいえ。あと、これがコンタクトレンズ型のデヴァイスです。視界にある文字を日本語に変換します」

 コンタクトレンズをつけたことのなかった僕はアリサさんにそれを装着してもらい(顔が近くてちょっとドキドキした)、二人で部屋の外へ出た。
 僕らはまず災害研究所の玄関ホールに向かった。僕は乳首とおまんこの露出している格好の人々を初めて「正面から」見ることになった。エレベーターを降りると開けた空間に円形の広場があって、中心ほど段が低くなっている。数十人の人々がそれぞれ話していたが、僕らを見ると一斉に視線を向けて歓声を上げた。「ようこそ」とか「歓迎します」とかの言葉が翻訳機を通して聞こえてくる。僕が視線をどこに(おっぱいに、あるいはおっぱいでないところに)向けたらいいのか迷ってドギマギしていると、アリサさんが僕の方に手を向けて、自然と拍手が起こった。まるで僕が勃起したことに対して起こったような拍手だと思った。
 広場を抜けると、研究所から出たところは歩道になっていた。乗り物に乗っている人はいなくて、平らな面の上に商店街らしきものが広がっている。出店が気になって僕が見ていると、アリサさんが気を利かせて紹介してくれた。

「何か、食べてみたいものはありますか?」

「そうですねぇ……」

 僕がワゴンの中を覗き込むと、見たことのない果物が所狭しと並んでいる。赤や緑、白と黒。カラフルな、しかし自然から飛び出してきたみたいに瑞々しい見た目をしていた。商品名と値札が付いていて翻訳がレンズを通して見えているが、「ウーラ、1個3400アグリヴァ」「セブレゼ、1個1800アグリヴァ」といった具合でほとんど意味がない。悩みながら唸っていると「いらっしゃい!」といきなり後ろから声をかけられた。ここの店主だろうか。振り向くと、目の前におっぱいが勃っていた。
 僕の視界がおっぱいで覆われている。豊満なそれを支えて持ち上げるようなコルセット状の服も一応は視界の端に見え隠れする。もう少しで乳首に鼻先が触れそうだ。真っ赤な乳首は何故か勃起していた。ものすごくいい匂いがしたけれどそれは果物の匂いなのかあるいは目の前の女性の匂いを妄想しているのか分からなくなりそうだった。

「カリン、こんにちは」

「あ、アリサのツレだったか。この辺の食べ物は初めて見るかい? 甘いのも酸っぱいのもあるよ? 好きな味のものを見繕ってあげようか」

「あ……ありがとうございます。好きなのは甘いやつですが、持ち合わせが……」

「大丈夫、私が払いますから。カリン、甘いのをいくつか、二つずつもらってもいい?」

「まいど!」

 カリンと呼ばれた店主はおっぱいをブルンと震わせて店の奥に戻っていった。背の高い後ろ姿が在庫の箱から商品を袋に入れようと前屈みになると、これまた大きなお尻の間から穴がきれいに見えて、僕は目が離せなかった。
 顔が真っ赤になったのを感じた。アリサさんがそれを見て少し笑っているような気がしてさらに恥ずかしかった。強いて言えば甘酸っぱい気持ちになった。

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