おにいちゃんはやんでる

あた

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虚言

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 愛してるだの愛してないだの関係ないのだ。
 誠司は美月を、地獄に落としたいのだ。


 放課後の、空き教室の机の上で、誠司に犯される。

 仮にも学校だし、行為自体はすぐ終わる。だがいつ誠司が「そういう気分」になるかわからない。

 美月は始終後ろを警戒し、誠司からすぐ逃げられるように気を張っていた。
 だけど彼はどこに隠れても美月を見つける。
 旧校舎の女子トイレに隠れた時はそこでされた。

 もはや美月に人権はない。

 誠司は変わった。前だってひどいやつだったが、ここまでじゃなかった。

 触れてくるときはいつも、彼がどういう顔をしているかわかった。

 でも今はわからない。
 誠司が何を考えているかわからなくて怖い。

 だから美月は、彼から逃げる。


 ばん、と壁に手をつかれて美月はびくりとする。
 誠司が冷たい顔で美月を見下ろしていた。
 ここは階段脇のデッドスペースだ。下手したら誰かに気づかれる。

 切れ長の瞳が間近にせまった。彼は耳元で囁く。

「……なんで逃げる?」
「逃げてなんか、ん」

 誠司が唇を寄せてきた。
「んっ」
 スカートの下に手が入り込んできて、足をするりと撫でた。

「んっ、や」
 美月が肩を揺らす。

 誠司は美月の唇を食んで、ちゅう、と吸った。美月は瞳をうるませて、彼のシャツを掴んだ。
「んっ」
 だんだん身体から力が抜ける。どうしてこんなところで、こんなことをするのだろう。

 誠司は悪い意味で大胆になった。
 前は学校で手をだしてくることなんてほとんどなかった。
 今にも誰かが降りてきそうな階段を見上げる。
 スカートの中に入り込んだ誠司の指が下着をくすぐる。

「!」
 美月はぎゅうと目をつむった。

「──あ、みっけ」
 頭上から低い声が響く。美月ははっとして階段を見上げた。影山がたんたんと音を立てながら、階段を降りてくる。

「あのさー、図書委員の集まり今からに変更だってよ、いこーぜ」
「う、ん」

 慌てて誠司の側から離れると、手首を掴まれた。
 あまりの力にぞっとする。

「美月」
 低い声に震える。
「い、委員会だから」

 誠司の力が緩んだすきに階段をかけあがる。
 影山が誠司に頭をさげた。

「ちーっす、ちょっと妹さん借ります」
「返してくれるんだろうね」
「モチロンですよ、じゃっ」

 さっさか歩く影山に慌ててついていく。渡り廊下で彼が立ち止った。

「影山くん、委員会何時から?」
「ありませんよーんなもん」
「え」

「うわ、みろよこれ、やっぱりあの人はやべーわ」
 影山が手のひらを見せてくる。すごい汗だ。
「やっぱり?」
「目が笑ってないやつにろくなやつはいないってな、しかしなー、きょーだいであれこれ……漫画みてえ」
 影山がじろじろ美月を見た。

「うーん、藍川先輩って超シスコンなの?」
 なにか失礼なことを考えてるな。
「……本当の妹じゃないし」
「まじか。はあ、でさあ、お前はあの人のこと好きなの」
「まさか」
「うーん、嫌がってたもんな、誠司先輩ってイケメンなのに、なにがそんなにいやなん」
「性格が最悪だから」
「せーかく? まあたしかにヤバそうではあるけど」
 影山は暢気に言いながら伸びをした。

「ま、いいや、あー眠い、俺昼寝すっわ」
「あ、ありがとう」
「あー、かくれんぼ頑張ってね」
 影山が手を振る。

 美月は息を吐いた。

 くるりと振り返ったら、白鳥が立っていてびくりとする。

「し、白鳥先輩」
 彼女は真っ青な顔でつぶやいた。
「今の、本当?」
「え」
「誠司くんとあなたが……」
 美月は顔を強張らせた。聞かれていたのか。
 白鳥はすっ、と目を細める。

「なるほど、それで……ねえ、美月ちゃん、あなたは彼が嫌いなのよね?」
「は、い」
「なら、私にくれない?」
「どういうことですか」
「そういうこと。今日、お家に遊びにいっていい?」

 白鳥が腕を絡めてきた。美月は困惑して彼女を見る。
 美しい顔に光る瞳は、精彩を欠いていてぞっとする。

「や、あの」
「ねえ協力してよ」
「私、困ります、そんなこと言われても」
「いいから協力しなさいよ」
 語気を強めた白鳥に怯えて、美月は後退する。

 押された拍子に転んで、足に痛みが走る。
 ガラスのかけらのようなもので脚を切ったようだ。
 じわじわ血がにじみ、コンクリートにシミを作った。

「っ……」
「ねえ、なんであなたなの? 一緒に住んでるってだけじゃない。私は1年のころからずっと、藍川くんが好きだったのに」

 じわじわ流れ出す血を見ながら思う。
 このひとは。
 美月がどんな目にあってるか知ってるのか。

「何回も、無理やり、されました」
「え?」
「服をズタズタにされました」
「なにを」
「するときはいつもいきなりで、私の意思なんてない」

 美月は震える足で立ち上がった。つ、と血がつたう。

「中に出されたことも何回かあります。あいつはそういうやつです。それでも誠司に愛されたいですか」
 美月は笑う。
「違いますね。私は、あいつに愛されてなんかない。ただの憂さ晴らしです」
 そう言って白鳥に背を向け、足を引きずりながら歩き出す。

 白鳥がかすれた声で言うのが聞こえた。
「それでも、うらやましい。彼に必要とされてるあなたが……」

 *

 美月は階段に腰掛けて、血のこびりついた足をぼんやり見ていた。

「美月」

 耳によく通る声が入り込む。振り向くと誠司が美月の真後ろに立っていた。
 窓からそそぐ、12月の冷たい光が、彼の髪にきらきら反射している。
 美月はなぜか逃げる気にもならず、それを見つめていた。

「委員会とやらはどうしたんだ?」
「ないわ、そんなの」
「やっぱり嘘か」
 低い声に慌てた美月は、とっさに言う。
「影山くんにはなにもしないで」

「ああ、お前に手をださないなら、なにもしない」
「誰も出さないわ、あんたが怖いから」
「おい、脚、どうした」
 誠司が美月の血にそまった脚を見て眉をひそめた。

「別に」
「別にじゃないだろ、まったく」
 誠司が腕を引く。
「なによ」
「保健室に行くぞ。立て」
「いや。ほっといて」
「聞き分けのない女だな」
 誠司が舌打ちして、美月を抱き上げた。

 美月はぎょっとしてもがく。
「ちょっと、おろしてよ」
「黙ってないと落とすぞ」

 誠司が手を緩めた。階段の一番上から転がり落ちたらただでは済まないだろう。この男ならやりかねない。
 美月はあわてて誠司にしがみついた。
 誠司はそれを横目で確認して、たんたんと階段を下りる。

 途中すれちがった生徒たちが、好奇の目を向けてくる。美月は恥じるように顔を伏せた。

「ねえ……おろして」
「もうすぐつく」
「噂になるわよ」
「自意識過剰だな」

 私はともかくあんたは有名人でしょう──。
 近くにある端正な顔立ちをにらんだが、なんとも気にしていない様子にため息をつく。

「どうしちゃったのよ」
「なにが」
「あんた変よ、最近」
「なにが」
「外面大王のくせに学校でいろいろするし」
「どうでもいいんだ」

 なにが、と尋ねる前に保健室につく。
 保険医はいなかった。

 がらりとあけると消毒薬のにおいが鼻につく。
 誠司は美月に椅子を示して勝手に戸棚をあける。

「ちょっと、先生を待ってなくていいの」
「職務怠慢をせめられるべきはあっちなんだ、備品の管理もされていないし」
 誠司が消毒薬を振る。
「カラじゃないか、ったく」
 ごみ箱に放る。そうして美月を振りむいた。

 すっと細められた瞳におののいて、思わず立ち上がる。
 がたん、と椅子が鳴る音が、静かな保健室に響いた。

 ゆっくり近づいてきた誠司から逃れるために出口へ向かう。
 腕を掴まれて簡単に引き寄せられた。

「や」
「変と言えばお前も変だ、どうしてそんなにおびえてる」
「あんたが、ところかまわず盛(さか)るからでしょ」
「お前だってどこでだって濡れるくせに」
「い、やだ」

 誠司が美月の手を引く。
 ベットに投げ出される。

 カーテンを閉めて乗り上げてきた誠司が美月のスカートを手でなぞった。
 美月はその手をつかむ。ふるふる首を振った。

「やだ、誰か寝てるかもしれないのに」
「なら、せいぜい声を出さないように頑張るんだな」

 誠司が美月の血のあとが残る膝をなめる。
 美月は身をよじった。

「い、や、きたない」
「なにが?お前の身体が?」
 誠司が薄く笑う。赤い舌が傷口をえぐって、痛みに喘いだ。

「あ、いた」
「ここはそんなに汚れちゃいない、ここに比べたら」
 誠司がスカートをめくり上げて内またに舌を這わす。

「や、だあ」
 美月は誠司の頭をつかんだ。

 黒髪があらぬところに埋まって目をぎゅうとつむった。美月は誠司の髪を乱して快感に震える。恥ずかしいのに、舌の感触が伝わるたびにぞくぞくして、思わず喉を鳴らしてしまう。 

 ぴちゃぴちゃと水音を響かせた後、誠司は顔をあげた。瞳を潤ませた美月を見て、口元を緩める。

 誠司の指がワイシャツのボタンをはずしてブラジャーの淵をなぞった。
 首筋をなめられて吐息をもらす。
 自分より大きい手が美月の指に指をからめる。
 すでにぬがされたスカートが丸まって床に落ちている。

 自分を見下ろす一糸乱れぬ男を非難の目で見る。

「なんであんたは脱がないの」
「僕の裸が見たいのか?」
「そんなわけないでしょ。ばっかじゃないの」
「かわいくない女」
「なら、しなきゃいいじゃない」
「へえ」

 誠司がじらすように蜜口を撫でた。
 さきほどの愛撫でしとどにぬれた蜜口から、つうっ、と糸が引いた。
 彼はくすくす笑う。
「こんなに濡らしてるくせによく言う」
「しらない」
 恥じるように目をそらした。

「知ってるくせに。なんでこんなにぬれたのか言ってみろよ」
「っあ」
 誠司が指で入口をなぞる。
「ん、んっ」

 決定的な刺激がないまま、なぶられた下半身が熱をもつ。
 美月は訴えるように誠司を見た。

「せい、じ」
「なんだ?」
「先生来ちゃうから、もうやめて」
「嫌だって言ったら?」
「っ意地悪」

 涙がにじむ。こんなことを懇願しないといけない自分に。
 こんなことを言わせる彼に。
 美月はみじめな気分になる。

 誠司が美月の髪をなでた。
「僕のことを好きだって言ったら、すぐ終わらせてやる」
 美月は思わず息をのむ。

「……ばかじゃないの」
「好きだと言うだけだろう、そんなに嫌そうな顔をするな」
 誠司がジッパーを下す。その音にすら反応する身体がいやで内またをこすり合わせた。
 ちらと誠司を見たら言わないのか?とでも言うように眉をあげた。
 美月はぽつりと言う。

「すき」
「ん?」

 誠司が耳を寄せた。
 美月は彼の頬にそっと口づけた。誠司が目を見開く。美月は彼にしがみついた。

「すきなんて言わないわ、絶対」
「……はっ」
 誠司がおかしそうに笑った。ぐちゅりと性器が挿入される。

「んっ」
「そんなに僕が嫌いか? 嘘もつけないくらい?」
「や、あっ」

 誠司が美月をシーツに縫いとめて腰を揺らす。ベッドがぎしぎし揺れてその振動すら快感に変わった。
「あ、ああっ」
「答えろよ美月、嫌いな人間に犯されて、どういう気分なのか」
 美月は快感でぼんやりした頭で誠司を見上げた。

 なぜか彼が苦しそうに見えて、美月は喘ぎ交じりに言う。
「あん、たは、ほんとうは、なにがほしいの」
「なに?」
「あんたはそんなにいやなやつなのに、いつも、くるしそう、なのは、なんで」

 誠司が動きを止め、怪訝な顔でこちらを見下ろしている。

「苦しそう?」
「そうよ、いつもするとき苦しそうなの、なんで」
「苦しいわけないだろう、気持ちいいんだ……こうやって」
 ぐり、と奥をえぐられる。

「っあ」
「奥を突くとお前がしめつけてきて、どんなに僕を嫌いでも、泣きながら受け入れるところを見るのは最高に気持ちがいい」

 誠司が笑う。
 ゆがんだ笑みだ。
 なぜか悲しくなった。

「だからおまえも余計なことは考えるな、美月」
「んっ」

 唇を奪われる。
 誠司が腰を打ちつける。
 知らないうちに、美月も腰を揺らしていた。

 絶頂が近づく。
 誠司に必死にしがみつきながら震える声で言う。

「あ、言って、誠司」
「なにを?」
「もう一回、言って、すきって、言って」

 愛してるよ、美月。

 嘘でもいいからその言葉に、すがりつきたかった。

 *

 誠司はぼんやり保健室のベットに座っていた。
 美月の白い腹をなでる。
 中に出したが、美月は疲れたのか、何を言っても無駄だと思ったのか、終わるや否やなにも言わずにシーツにくるまった。

「いっそ妊娠すればいいのに」
 呟いたら、かたん、と音がした。カーテンを引くと、男子生徒がそろそろベットから下りていた。

 影山某。彼は誠司と目が合って曖昧に笑う。

「あ、藍川先輩、ちーす」
「なんでここにいる?」
「いやあ、昼寝してたら、ばかっぷるがやりはじめたなーと思って。そしたらまさかの知り合いで、ちょっとあれです」
「なるほど」

 美月を見た。彼女が知ったら真っ赤になって激怒するかもしれない。

 影山が誠司に恐る恐る声をかけてくる。

「あのう、ちょっといいすか」
「なに?」
「えーと藍川──そっちの──たぶんあんたのこと嫌いってのは嘘だと思います」
 彼はそこで顎に手を当て、
「女心となんとやらってか、好きだけど嫌いみたいな?」
「へえ」
「えーと、だから……もうちょいやさしくしてやったらどうですか」

 彼の、善意から出たのであろう言葉に、誠司は目を細める。

「やさしくって?」
「うーん、妊娠すればいいってのはひどくないすか、俺らまだ16っすよ。将来これからっすよ」

「そうだな。もう少し待ったほうがいいかもしれない」
「へ」
「だって、美月はもう結婚できるけど僕はまだ結婚できないからね」
「え」
「既成事実があったほうが、話をもっていきやすいだろ?」

「そういう、理由で?」

 影山が顔をひきつらせた。
 誠司は微笑んで美月の頭を愛おしげになでた。

 他のことなど知るか。美月さえ手に入ればそれでいい──。
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