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11.第3王子マティアスの目論見(2)
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あれから何度かストゥーレ公爵家の屋敷に足を運んだし、書簡を何通も送った。
けれど、フェリシアはいっこうに解ろうとしない。
ディアナは毎日のようにボクのもとに来て、なにやら下らない話をしては帰っていく。
たかが文官の娘が、ほんとうに第3王子であるボクと結婚できるとでも思っているのか? 勘違いもはなはだしい。
折りを見てディアナとの婚約を解消して、ボクは次の結婚相手を探さないといけないし、それにはフェリシアが相応しい。
やがて、フェリシアから書簡が届いた。
舞踏会の案内だった。公爵位継承と、ストゥーレ公爵家の本拠をリルブロルに移転する祝賀の席だという。
いよいよ、フェリシアは、あの辺境のリルブロルに移住するのか……。
――ならば、王都でストゥーレ公爵家の利益を代弁する者が必要なのではないか!?
この考えに、ボクは有頂天になった。
爵位を持たないバネル家の男では、宮廷に参画できない。
その点、第3王子であるボクならば、そこらへんの貴族など比べものにならないほどの発言権を得られるはずだ。
「マティアス殿下。お迎えに参りましたわ」
と、卑屈な笑みを顔いっぱいに広げたディアナが、ボクのもとに現われた。
見たことのあるドレス。もう、舞踏会に合わせてドレスを新調する財力も失ったのだろう。
ボクに備わる王家の権威と、公爵家の領地と財産が合わさると考えたからこそ、ディアナとの結婚には意味があったのだ。
可愛らしい容姿や、将来的に公爵家領の統治をボクに委ねようという殊勝な心がけは、所詮、後付けの理由だ。
容姿が良いだけの女なら、平民にいくらでもいる。財力さえあれば、そのような者を愛人に抱えることなど造作もない。
そもそも、容姿にしてもディアナでは、フェリシアに遠く及ばない。
「で、殿下? ……フェリシアの舞踏会には行かないおつもりですか? 私としては、それならそれで……」
「いや……、行く」
とだけボクが応えると、ディアナが嬉しそうに笑って、ボクの腕にしがみついてきた。
いまはまだ、公式にはディアナがボクの婚約者だ。馴れ馴れしいふる舞いにも目を瞑らないといけない。
ストゥーレ公爵家の本邸に着くと、侍女が慇懃無礼な態度でボクたちをホールに案内した。
ふたたびボクとフェリシアが婚約した暁には、この侍女はクビにしないといけない。
舞踏会はすでに始まっていて、フェリシアは人だかりに囲まれていた。
貴族たちはボクから目を背けるように軽く会釈すると、背中を向け、談笑を続ける。
気付くと、ボクの腕をディアナが強く握りしめていた。瞳には嫉妬の色がありありと浮かび、顔を醜く歪めている。
そして、簡素な設えながら、賑やかなホールで、ボクたちの側に近寄る者が誰もいないことに気が付いた。
文官の娘にまとわりつかれ、誰からも相手にされず、惨めに立ち尽くす。
「で、殿下!? なにをなさいます!?」
ボクは、ディアナの腕をふり払っていた。
勢い余って、ディアナが床に倒れ込んだ。
貧相なドレスがシワだらけに広がって、無様なことこの上ない。
「ディアナ! お前との婚約は破棄する! いますぐ、どこかに立ち去れ!」
「な、なんということを……」
「お前のせいだ! お前がいらぬことをするから、ボクの立場がおかしなことになってしまったのだ!」
「ひどい……。あれほど、私に愛の言葉をを囁いてくださいましたのに……」
「うるさい! とっとと、出ていけ! ボクはフェリシアに話があるんだ! お前がいると邪魔でしかない!」
そのとき、音楽も鳴り止み、静まり返っていたホールの中央から、微笑を浮かべたフェリシアがボクに近寄って来た。
「フェ、フェリシア……。大事な話があるんだ」
という、ボクの話など聞こえないかのようにして、フェリシアは床に膝を突いた。
そして、ディアナの手を取る。
「ディアナ、大丈夫?」
「……フェリシア」
「ひどい目に遭ったわね。でも、もう大丈夫よ。当主の私が、貴女を守ってあげるから安心して」
「私……、私……」
「分家の貴女の身の丈に合った、素敵な男性を紹介してあげる。だから、バカな男のことなんかはやく忘れなさい」
「……うん」
「フェ、フェリシア!! バカな男とは誰のことだ!?」
ボクが声を張り上げても、フェリシアはこちらを見ようともしない。
ディアナの手を引き、立ち上がらせる。
「もう泣かないの。可愛い顔が、きっと台無しになってるんじゃない?」
「私、フェリシアに……」
「なにも言わないで、ディアナ。終わったことよ。貴女は立場が変わってもマティアス殿下に誠を尽くした。立派だわ」
「な、なにが誠だ!! フェリシア! ボクの話を聞け!!」
スウッと、機械仕掛けのように身体をブラすことなく、フェリシアがボクの方に向き直った。
「無礼者。立ち去れ」
「な、なんだと!? 王家の人間であるボクに対してなんという口のきき方だ!?」
「王家には正式に抗議させていただく。ストゥーレ公爵家の晴れの門出の席を、第3王子に踏み荒らさせたのは、いかなる存念あってのことかと。返答の如何によっては、王家との対立も辞さぬ」
「な……」
見れば、物音ひとつしないホールにいる皆が、ボクに刺すような視線を向けている。
軽蔑の眼差しだ。
フェリシアが、ディアナに視線を向けた。
「ディアナ。殿下に、お別れを」
「……はい」
と、ディアナが、ボクの前に一歩進み出る。
「……これまでマティアス殿下より賜りましたご厚情に、ひと言お礼申し上げます。誠にありがとうございました。どうぞ、お達者で」
聞き覚えのあるセリフだった。
あれは……、ボクがフェリシアに婚約破棄を告げた場で……。
そのとき、ホールの入口で、ドッと沸き立つ声が上がった。
「これはこれは、レンナルト殿!」
という声と同時に、貴族たちが入口へと向かう。
「あら、あなた。来てくださいましたのね」
と、フェリシアも満面の笑みを浮かべ、ディアナの腰を抱いて、レンナルトの方へと立ち去る。
人だかりはホールの中央へと移動していき、楽団の奏でる音楽が再開された。
「……マティアス殿下。お帰りはあちらにございます」
と、ひとり立ち尽くすボクに、小柄な侍女が囁いた。
「……殿下の舞踏会で、フェリシア様は優雅に立ち去られたと、仄聞しております」
いつもボクに見せる不機嫌そうな表情ではない。
ボクを、憐れんでいた。
ゾッとするような寒気がボクに襲いかかって来て、もつれる足を強引に前に出して、逃げるようにしてホールを出た。
逃げる? ボクが? 第3王子であるボクが?
今度は肚から突き上げてくるような怒りに襲われ、勢いのままにふり向くと、いたたまれないといった表情の侍女が、扉を閉めるところだった。
歴史と伝統を感じさせる、濃い焦茶色の閉じた扉のむこうから、軽やかな音楽が聞こえてくる。
前にも後ろにも進めなくなったボクに、いつの間に側にいたのか、片眼鏡の男が話しかけてきた。
「バネル家従士、ラグナルと申します」
「……な、なんの用だ?」
「おひとりでは進路を決めかねておられるご様子。はばかりながら、馬車まで随従させていただきます」
「な……」
片眼鏡の男が、サッと身体をひらき、屋敷の出口にむかって腕を広げた。
逆らい難いものを感じ、ボクは屋敷をあとにした。
けれど、フェリシアはいっこうに解ろうとしない。
ディアナは毎日のようにボクのもとに来て、なにやら下らない話をしては帰っていく。
たかが文官の娘が、ほんとうに第3王子であるボクと結婚できるとでも思っているのか? 勘違いもはなはだしい。
折りを見てディアナとの婚約を解消して、ボクは次の結婚相手を探さないといけないし、それにはフェリシアが相応しい。
やがて、フェリシアから書簡が届いた。
舞踏会の案内だった。公爵位継承と、ストゥーレ公爵家の本拠をリルブロルに移転する祝賀の席だという。
いよいよ、フェリシアは、あの辺境のリルブロルに移住するのか……。
――ならば、王都でストゥーレ公爵家の利益を代弁する者が必要なのではないか!?
この考えに、ボクは有頂天になった。
爵位を持たないバネル家の男では、宮廷に参画できない。
その点、第3王子であるボクならば、そこらへんの貴族など比べものにならないほどの発言権を得られるはずだ。
「マティアス殿下。お迎えに参りましたわ」
と、卑屈な笑みを顔いっぱいに広げたディアナが、ボクのもとに現われた。
見たことのあるドレス。もう、舞踏会に合わせてドレスを新調する財力も失ったのだろう。
ボクに備わる王家の権威と、公爵家の領地と財産が合わさると考えたからこそ、ディアナとの結婚には意味があったのだ。
可愛らしい容姿や、将来的に公爵家領の統治をボクに委ねようという殊勝な心がけは、所詮、後付けの理由だ。
容姿が良いだけの女なら、平民にいくらでもいる。財力さえあれば、そのような者を愛人に抱えることなど造作もない。
そもそも、容姿にしてもディアナでは、フェリシアに遠く及ばない。
「で、殿下? ……フェリシアの舞踏会には行かないおつもりですか? 私としては、それならそれで……」
「いや……、行く」
とだけボクが応えると、ディアナが嬉しそうに笑って、ボクの腕にしがみついてきた。
いまはまだ、公式にはディアナがボクの婚約者だ。馴れ馴れしいふる舞いにも目を瞑らないといけない。
ストゥーレ公爵家の本邸に着くと、侍女が慇懃無礼な態度でボクたちをホールに案内した。
ふたたびボクとフェリシアが婚約した暁には、この侍女はクビにしないといけない。
舞踏会はすでに始まっていて、フェリシアは人だかりに囲まれていた。
貴族たちはボクから目を背けるように軽く会釈すると、背中を向け、談笑を続ける。
気付くと、ボクの腕をディアナが強く握りしめていた。瞳には嫉妬の色がありありと浮かび、顔を醜く歪めている。
そして、簡素な設えながら、賑やかなホールで、ボクたちの側に近寄る者が誰もいないことに気が付いた。
文官の娘にまとわりつかれ、誰からも相手にされず、惨めに立ち尽くす。
「で、殿下!? なにをなさいます!?」
ボクは、ディアナの腕をふり払っていた。
勢い余って、ディアナが床に倒れ込んだ。
貧相なドレスがシワだらけに広がって、無様なことこの上ない。
「ディアナ! お前との婚約は破棄する! いますぐ、どこかに立ち去れ!」
「な、なんということを……」
「お前のせいだ! お前がいらぬことをするから、ボクの立場がおかしなことになってしまったのだ!」
「ひどい……。あれほど、私に愛の言葉をを囁いてくださいましたのに……」
「うるさい! とっとと、出ていけ! ボクはフェリシアに話があるんだ! お前がいると邪魔でしかない!」
そのとき、音楽も鳴り止み、静まり返っていたホールの中央から、微笑を浮かべたフェリシアがボクに近寄って来た。
「フェ、フェリシア……。大事な話があるんだ」
という、ボクの話など聞こえないかのようにして、フェリシアは床に膝を突いた。
そして、ディアナの手を取る。
「ディアナ、大丈夫?」
「……フェリシア」
「ひどい目に遭ったわね。でも、もう大丈夫よ。当主の私が、貴女を守ってあげるから安心して」
「私……、私……」
「分家の貴女の身の丈に合った、素敵な男性を紹介してあげる。だから、バカな男のことなんかはやく忘れなさい」
「……うん」
「フェ、フェリシア!! バカな男とは誰のことだ!?」
ボクが声を張り上げても、フェリシアはこちらを見ようともしない。
ディアナの手を引き、立ち上がらせる。
「もう泣かないの。可愛い顔が、きっと台無しになってるんじゃない?」
「私、フェリシアに……」
「なにも言わないで、ディアナ。終わったことよ。貴女は立場が変わってもマティアス殿下に誠を尽くした。立派だわ」
「な、なにが誠だ!! フェリシア! ボクの話を聞け!!」
スウッと、機械仕掛けのように身体をブラすことなく、フェリシアがボクの方に向き直った。
「無礼者。立ち去れ」
「な、なんだと!? 王家の人間であるボクに対してなんという口のきき方だ!?」
「王家には正式に抗議させていただく。ストゥーレ公爵家の晴れの門出の席を、第3王子に踏み荒らさせたのは、いかなる存念あってのことかと。返答の如何によっては、王家との対立も辞さぬ」
「な……」
見れば、物音ひとつしないホールにいる皆が、ボクに刺すような視線を向けている。
軽蔑の眼差しだ。
フェリシアが、ディアナに視線を向けた。
「ディアナ。殿下に、お別れを」
「……はい」
と、ディアナが、ボクの前に一歩進み出る。
「……これまでマティアス殿下より賜りましたご厚情に、ひと言お礼申し上げます。誠にありがとうございました。どうぞ、お達者で」
聞き覚えのあるセリフだった。
あれは……、ボクがフェリシアに婚約破棄を告げた場で……。
そのとき、ホールの入口で、ドッと沸き立つ声が上がった。
「これはこれは、レンナルト殿!」
という声と同時に、貴族たちが入口へと向かう。
「あら、あなた。来てくださいましたのね」
と、フェリシアも満面の笑みを浮かべ、ディアナの腰を抱いて、レンナルトの方へと立ち去る。
人だかりはホールの中央へと移動していき、楽団の奏でる音楽が再開された。
「……マティアス殿下。お帰りはあちらにございます」
と、ひとり立ち尽くすボクに、小柄な侍女が囁いた。
「……殿下の舞踏会で、フェリシア様は優雅に立ち去られたと、仄聞しております」
いつもボクに見せる不機嫌そうな表情ではない。
ボクを、憐れんでいた。
ゾッとするような寒気がボクに襲いかかって来て、もつれる足を強引に前に出して、逃げるようにしてホールを出た。
逃げる? ボクが? 第3王子であるボクが?
今度は肚から突き上げてくるような怒りに襲われ、勢いのままにふり向くと、いたたまれないといった表情の侍女が、扉を閉めるところだった。
歴史と伝統を感じさせる、濃い焦茶色の閉じた扉のむこうから、軽やかな音楽が聞こえてくる。
前にも後ろにも進めなくなったボクに、いつの間に側にいたのか、片眼鏡の男が話しかけてきた。
「バネル家従士、ラグナルと申します」
「……な、なんの用だ?」
「おひとりでは進路を決めかねておられるご様子。はばかりながら、馬車まで随従させていただきます」
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