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順調な恋?
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リオネルとロレーヌの婚約が、正式に結ばれた。
社交界は二人の噂で持ちきりで、王国一の美女を射止めた王太子はいったいどのような口説き方をしたのかと令息たちは疑問を口にした。
今夜はいよいよ二人が公の場に姿を現し、親しいものには馴れ初めを教えてくれるのではないかと期待が高まる。
「ロレーヌ、今宵の君は神々が嫉妬しそうなほどの美しさだね」
淡い紫色のドレスをまとった婚約者をみて、リオネルは満足げな笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。このようにすばらしいドレスを贈っていただき、感動いたしました」
「それはよかった。少々、手直しが必要だったと聞くが、無事に君とこうしていられて何よりだよ」
「そ、それは、まぁ……」
気まずそうに目を伏せたロレーヌをみて、リオネルはふっと笑みを漏らす。
確かにドレスはロレーヌのサイズに合わせて作られていたが、ここひと月の間はリオネルの朝稽古につきあっていたほか、必要もないのに本格的な鍛錬をはじめてしまったがために、筋肉がついてしまいサイズが少々合わなくなってしまったのだ。
リオネルは、過度な鍛錬をしてけがでもしたら……とロレーヌを制する言葉もかけていたので、言うことを聞かずに鍛錬に打ち込んでいたのは彼女の意志。
まさか体型が変わるという弊害があるとは、とロレーヌは頬を赤らめて無言になる。
そんな彼女を一通り愛でたリオネルは、話を変えようと口を開く。
「そういえば、これからは君のエスコートは私だけが務めることになるのだが、ごめんね?このような体格で」
冗談めかして言ったリオネルは、ヒールを履いたロレーヌとそれほど変わらぬ目線の高さだ。
ロレーヌは平均より少し背が高く、リオネルは平均的な身長で180センチに足りないくらい。
着飾った際に並ぶと、バランスがいいとはいえない二人だ。
彼女は高身長の家系に生まれているので、病弱で余命幾ばくもなかったジェントですら185センチは超えている。
父親である侯爵にいたっては、190センチを超える屈強な騎士だ。
彼らの隣に立つ方が、ロレーヌの美貌は引き立つだろうとリオネルは苦笑する。
だが、ロレーヌはリオネルの言葉を聞くとすぐに顔を上げて答えた。
「いえ、めっそうもございませんわ!」
「そうかい?」
力一杯に否定したロレーヌは、胸の前で手を組み、祈るように訴えた。
「はい、だってあの……、わたくしは殿下の一番近くにいられるのです!うれしいです、その、目をよく見えるとお心がよくわかると思いますので!!」
「そ、そうか」
「はい!」
じっと見つめ合う二人。
先にこらえきれなくなったのは、リオネルの方だった。
「殿下?」
きょとと目を瞬かせるロレーヌ。
きらきらとした瞳をまっすぐに向けられたリオネルは、わずかに苦悶の表情に変わる。
(なんだ……?見つめられると落ち着かない。無性に腹の奥がかゆくてかきむしりたくなる)
突如として決めた婚約から、同じ時間を過ごすうち、リオネルはいつしか心境に変化が訪れていた。
ロレーヌの予定を当然のように把握し、少しでも時間が空けば彼女と過ごす。
これまでは執務室と会議室、訓練場の往復だった日々は、ロレーヌがやってきたことで自然に穏やかな時間が増え、心から笑う時間もできた。
鍛錬では男たちに混じり、生き生きとした顔で剣をふるう姿もかわいらしいと思った。
リオネルは自分の変化を自覚していないが、執務官や騎士ら周囲の者たちは誰もが二人の仲をほほえましく見ていた。
「殿下?わたくし何か失礼でも?」
心配そうにのぞき込まれ、リオネルはすぐに笑みを張り付ける。
「いや、なんでもない。さぁ、行こうか」
「はい!」
ロレーヌは、差し出された腕にそっと自身の手を添える。
そのとき、背筋を伸ばしたリオネルが深呼吸をしたことに彼女は注目しなかった。
(冷静に、冷静になれ……!なにを動揺することがある!?彼女は婚約者だ、こうしてエスコートするのも当然のこと。落ち着け、落ち着け…)
(殿下ったら、なんてお優しい。さきほど私が不躾に見てしまったのに、怒りもせずに寛容なお心で受け止めてくださった。堂々とした立派なお姿、頼もしくて素敵だわ)
社交界は二人の噂で持ちきりで、王国一の美女を射止めた王太子はいったいどのような口説き方をしたのかと令息たちは疑問を口にした。
今夜はいよいよ二人が公の場に姿を現し、親しいものには馴れ初めを教えてくれるのではないかと期待が高まる。
「ロレーヌ、今宵の君は神々が嫉妬しそうなほどの美しさだね」
淡い紫色のドレスをまとった婚約者をみて、リオネルは満足げな笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。このようにすばらしいドレスを贈っていただき、感動いたしました」
「それはよかった。少々、手直しが必要だったと聞くが、無事に君とこうしていられて何よりだよ」
「そ、それは、まぁ……」
気まずそうに目を伏せたロレーヌをみて、リオネルはふっと笑みを漏らす。
確かにドレスはロレーヌのサイズに合わせて作られていたが、ここひと月の間はリオネルの朝稽古につきあっていたほか、必要もないのに本格的な鍛錬をはじめてしまったがために、筋肉がついてしまいサイズが少々合わなくなってしまったのだ。
リオネルは、過度な鍛錬をしてけがでもしたら……とロレーヌを制する言葉もかけていたので、言うことを聞かずに鍛錬に打ち込んでいたのは彼女の意志。
まさか体型が変わるという弊害があるとは、とロレーヌは頬を赤らめて無言になる。
そんな彼女を一通り愛でたリオネルは、話を変えようと口を開く。
「そういえば、これからは君のエスコートは私だけが務めることになるのだが、ごめんね?このような体格で」
冗談めかして言ったリオネルは、ヒールを履いたロレーヌとそれほど変わらぬ目線の高さだ。
ロレーヌは平均より少し背が高く、リオネルは平均的な身長で180センチに足りないくらい。
着飾った際に並ぶと、バランスがいいとはいえない二人だ。
彼女は高身長の家系に生まれているので、病弱で余命幾ばくもなかったジェントですら185センチは超えている。
父親である侯爵にいたっては、190センチを超える屈強な騎士だ。
彼らの隣に立つ方が、ロレーヌの美貌は引き立つだろうとリオネルは苦笑する。
だが、ロレーヌはリオネルの言葉を聞くとすぐに顔を上げて答えた。
「いえ、めっそうもございませんわ!」
「そうかい?」
力一杯に否定したロレーヌは、胸の前で手を組み、祈るように訴えた。
「はい、だってあの……、わたくしは殿下の一番近くにいられるのです!うれしいです、その、目をよく見えるとお心がよくわかると思いますので!!」
「そ、そうか」
「はい!」
じっと見つめ合う二人。
先にこらえきれなくなったのは、リオネルの方だった。
「殿下?」
きょとと目を瞬かせるロレーヌ。
きらきらとした瞳をまっすぐに向けられたリオネルは、わずかに苦悶の表情に変わる。
(なんだ……?見つめられると落ち着かない。無性に腹の奥がかゆくてかきむしりたくなる)
突如として決めた婚約から、同じ時間を過ごすうち、リオネルはいつしか心境に変化が訪れていた。
ロレーヌの予定を当然のように把握し、少しでも時間が空けば彼女と過ごす。
これまでは執務室と会議室、訓練場の往復だった日々は、ロレーヌがやってきたことで自然に穏やかな時間が増え、心から笑う時間もできた。
鍛錬では男たちに混じり、生き生きとした顔で剣をふるう姿もかわいらしいと思った。
リオネルは自分の変化を自覚していないが、執務官や騎士ら周囲の者たちは誰もが二人の仲をほほえましく見ていた。
「殿下?わたくし何か失礼でも?」
心配そうにのぞき込まれ、リオネルはすぐに笑みを張り付ける。
「いや、なんでもない。さぁ、行こうか」
「はい!」
ロレーヌは、差し出された腕にそっと自身の手を添える。
そのとき、背筋を伸ばしたリオネルが深呼吸をしたことに彼女は注目しなかった。
(冷静に、冷静になれ……!なにを動揺することがある!?彼女は婚約者だ、こうしてエスコートするのも当然のこと。落ち着け、落ち着け…)
(殿下ったら、なんてお優しい。さきほど私が不躾に見てしまったのに、怒りもせずに寛容なお心で受け止めてくださった。堂々とした立派なお姿、頼もしくて素敵だわ)
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ぽこぽんっ♪
リオネル様、ファンです♪
ロレーヌ様、かぁいい♪
ぽんぽこリオネル王子かわいい。ロレーヌも直球すぎて、うん頑張れよと応援したくなるキャラですね。
ワクワク!微笑ましいふたりのこれからを楽しみに待ってます。