悪女の私を愛さないと言ったのはあなたでしょう?今さら口説かれても困るので、さっさと離縁して頂けますか?

輝く魔法

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16.突然の愛

「それで、君はどうして悪女なんて呼ばれているんだ?」
「…実は妹が仮面舞踏会によく行っていたようなんですが、毎回誰かしらと関係を持って帰って来るんです。その時、名前を聞かれると自分ではなく私の名前を名乗っていたようで…。気づいたら悪女と呼ばれていました。」
「それは…。」
「私は家族からも使用人からも嫌われていたので、必ず出席しなくてはならない…王家主催の舞踏会などでなければ出席させてもらえなかったのでほとんど社交界には出ていません。ドレスも妹の要らなくなったものを着ていました。」
「家族からも…という事はエヴァンス公爵からもそのような扱いを?」
「はい。私は父と血が繋がっていないので。」
「確かに、噂では聞いているがまさか本当だったとは…。」
「私がジルベルト王太子殿下との婚約を破棄されたのも妹が原因です。このことは皇太子殿下もご存じでしょう?」
「あぁ。貴方が妹を虐げ婚約を破棄されたと噂が広まっていたからな。」
「もちろん、私は彼女を虐めてなんていません。…むしろその逆ですよ。母の形見もお気に入りのぬいぐるみも、婚約者も。全てあの子に奪われてしまいました。」
「………。」
「だから私嬉しかったんです。」
「嬉しかった…?」
「はい。貴方が婚約を申し込んだのが、選んでくれたのがあの子ではなく私で。もしかしたら今度こそ愛されるのではないかと。…まぁ、期待は外れちゃいましたけどね。」
「…!本当にすまなかった。」
「本当にもう気にしてませんから。それに私、夢が出来たんです。」
「夢?」
「はい!貴方と離縁したら市井に下ってレイと2人で幸せに暮らすんです!素敵でしょう?」
「…あの男と2人でか?」
「えぇ。レイは大事な家族ですもの。」
「恋人なのか?」
「いえ、違いますけど…そうなったらいいとは思ってます。…内緒ですよ?」
「!」
「殿下?」
「…今からじゃ遅いのか?」
「え?」
「俺は君と本当の夫婦になりたい。…愛している、システィーナ。どうか俺の隣で一生笑っていて欲しい。」
「…!それは…。」
「今までの事は本当に悪いと思ってる。これからは俺の全力を持って愛そう。だから…俺の前から居なくならないでくれ。」
「殿下…。」
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