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高校卒業後の日々と思い出話

仕事

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新しい春を迎えて、俺は高校を卒業し、社会人となった。

料理関係の専門学校に行きたかったが、そんなお金なんて俺の家には無かった。

空港関係のホテルの調理を初めは志願していたが、感染病のおかげでダメになった。

次に高校の担任の先生からオススメされたところが今の職場になっている。

そこは、高校のすぐそばにあるゴルフ場でそこのレストランで調理をしている。

初めての新卒の子で、他の人に比べて最年少だ。


なのに、最年少で経験の浅い俺が社員として働き、他の経験豊富なパートさんより上の立場になっている。

調理での社員は俺含め3人。
他は料理長と副料理長だ。

俺はその2人の中にいる存在。
2人とも関西人だから、俺まで関西弁が移ってきている。
時に優しく、時に厳しく指導してくれる。
失敗も沢山したし、ほぼ毎日のように手を切った。

他のパートさんはフィリピン人2人若い子が居て、他は年配者。
とても優しいが、居心地は少し苦しい。


年配の方々は色々話しかけてくれる。
雑談もよくしてくれる。
けど、俺なんかがみんなの上の立場として堂々と出来るのかと言われると、自信はない。

初めて2週間は経つが、まだ麺類以外は慣れてはないし、まだ理解もあまり出来ていない。

俺は物覚え悪いし、すぐ忘れる。
若いから大丈夫なんて言われても、俺の脳年齢は60越していて、無理なんだ。

いや、ほんとに、、。

麺類も2日以上やってやっときちんと動けるようになった。

メモをとってそれを見ながらでも、分からなかったりしてたりする。

俺のような人が社会に出ていいのか…
なんて事をただ思う日々だ。
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