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1-1 限定的な少年
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純粋に綺麗だと思った。勉学に触れていなかった当時の僕にはそれ以上巧く表現することは出来なかったが、滅多に見ることが出来ないことはよくわかった。
そう、遠い昔、僕にとっての昔、僕は生まれて始めて魔法を目にした。
僕はもともと森が好きで、村の近くの森へ度々足を運んでいた。
特に川が日光を反射してキラキラ光って見えるのが好きで、よく川に1人訪れていた。
いつも通りの川遊び、川辺で僕はその石を見つける。
「なんだこれ?」
穴の空いた石。葉や茎とは異なる澄んだ緑。茶の縞模様が不規則にあって、何故だか引き込まれた。
まぁ正直、石にある穴がとことん整った穴で「おもしろい!」と独りでにはしゃいでいたにすぎないが。
取り敢えず青緑の石は持って帰ることにした。丁度手首に合う大きさだったので、腕に着けておくことにした。
畑仕事に魚釣り、荷物運びや見張り番、1日を通して色々な仕事の手伝いをしている間もずっと、青緑の腕輪に意識がいってしまい、変な失敗がいつも以上に多くなったためか、いつも以上に叱られた。
正直、怖かったし、ムカついた。
その日の夜遅く、父親に腕輪のことを聞かれた。
「売らないよ、これは僕のだ。」
ただでさえ顔の赤い父親の顔がもっと赤く、醜く歪んだ。手が、振り上げられた。
痛む身体中を労りながら、森に向かう。歩く度に腕や背中、腹が痛んだ。
ずきずき、ズキズキ。
そのうち音でも出てくるのでは無いだろうか、それ位痛い。
何とは無しに、石を拾った川辺に行きたくなった、行った。
穏やかな流れに映った月でようやく今日が三日月の日であることがわかった。
砂利の地面に腰掛け、改めて青緑の腕輪見ることにした。
月明かりに照らされた石は不思議な輝きを放っている。
ふと見えた穴の向こう側に、光る粒子が見えた。
「ん?」
そう、遠い昔、僕にとっての昔、僕は生まれて始めて魔法を目にした。
僕はもともと森が好きで、村の近くの森へ度々足を運んでいた。
特に川が日光を反射してキラキラ光って見えるのが好きで、よく川に1人訪れていた。
いつも通りの川遊び、川辺で僕はその石を見つける。
「なんだこれ?」
穴の空いた石。葉や茎とは異なる澄んだ緑。茶の縞模様が不規則にあって、何故だか引き込まれた。
まぁ正直、石にある穴がとことん整った穴で「おもしろい!」と独りでにはしゃいでいたにすぎないが。
取り敢えず青緑の石は持って帰ることにした。丁度手首に合う大きさだったので、腕に着けておくことにした。
畑仕事に魚釣り、荷物運びや見張り番、1日を通して色々な仕事の手伝いをしている間もずっと、青緑の腕輪に意識がいってしまい、変な失敗がいつも以上に多くなったためか、いつも以上に叱られた。
正直、怖かったし、ムカついた。
その日の夜遅く、父親に腕輪のことを聞かれた。
「売らないよ、これは僕のだ。」
ただでさえ顔の赤い父親の顔がもっと赤く、醜く歪んだ。手が、振り上げられた。
痛む身体中を労りながら、森に向かう。歩く度に腕や背中、腹が痛んだ。
ずきずき、ズキズキ。
そのうち音でも出てくるのでは無いだろうか、それ位痛い。
何とは無しに、石を拾った川辺に行きたくなった、行った。
穏やかな流れに映った月でようやく今日が三日月の日であることがわかった。
砂利の地面に腰掛け、改めて青緑の腕輪見ることにした。
月明かりに照らされた石は不思議な輝きを放っている。
ふと見えた穴の向こう側に、光る粒子が見えた。
「ん?」
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