5 / 15
5話
しおりを挟む
ゆずれないモノ 5 (校正済)
亜月がセフレ解消したいと言ったとき、
山野にしてみればやっぱりな、という感じでしかなかった。
セフレの関係は約1ヵ月。
数回寝れば、向こうが飽きるだろうと思っていただけに、
一見短いように思えるこの約一カ月足らずという期間は、
同じ人間とは寝ない亜月にしてみれば、 長く持った方ではないかと山野は思う。
あの身体を抱けなくなるのは正直惜しい気もするが、
所詮、自分たち不細工には選択権はない。
とくに、あの三条亜月が相手では。
すべて、モテる男の気まぐれなのだ。
亜月が山野に飽きて、
ホモじゃないから、男とのセックスはやっぱり嫌だと言われれば、
はいそうですか、と言うしかない。
ただそれだけのことだ。
そこに恋愛感情があるわけではないので、追いすがる気はない。
どうしてもセックスをしたければ、
お金を出せばできないこともないので、そっちでも十分だと今なら思える。
童貞の頃は、やはり初体験に夢があったから、
そういうプロのお姉さんにしてもらう、というのは抵抗があったが、
一度経験をしてしまうと、そこに愛だの恋だのが無ければ、
相手は何でもいいのでは?と思えるようになった。
それに、もともと没頭できる大切な趣味があるだけに、
今の生活からセックスを取り除いても、別になんら支障はない。
年末のイベントに向けてフィギュア作りに集中できるので、
亜月のセフレ解消の申し出は、むしろ山野には都合がよかった。
これで、亜月の身勝手やわがままに振り回されずに済む、
というのも本音だったりする。
例のデータを絶対にばらさないと言ったとはいえ、
亜月は 自分がゆすられている自覚があるのかと疑いたくなるほどの
我儘ぶりを発揮していた。
歯に衣着せぬ言い方で、山野にも勿論容赦はない。
山野の都合などお構いなしに、
自分の都合で山野のマンションに押しかけてはセックスをせがむのだ。
今日はちょっと・・・と断っても聞く耳持たず、強引に押し入り、
気がつけば山野の上で腰を振っていることも何度かあった。
お陰で、今年はイベント用のフィギュアの作製が、
若干ではあるが遅れている。
親の金や権力で、なにもかも思い通りにしてきた彼が、
相手の気持ちを察して行動できないのは仕方がないのかもしれない。
とはいえ、苦労や我慢するということを知らない彼を相手にするのは、
正直しんどい。
もう関わらなくてもいいのだと思うと心からホッとした。
翌日、大学へ行くと、いつものように取り巻きに囲まれている亜月が目に入った。
目が合った瞬間、ものすごい形相で睨まれたのですぐに自分から視線を反らしてしまった。
それをさして気にも留めず、すぐに亜月からは興味をなくし
同じ趣味を持つ友人と、年末のイベントについての計画を話していた。
泊りにくる人数、日程、コスプレの最終調整。
それらを考えるとウキウキして、自然に顔も綻んでくる。
「ねぇ山野くん、なんか三条くん・・・すごいこっち睨んでいるんだけど・・・」
一番仲の良い横尾が、怯えながら山野に告げてきた。
さっきもそうだったが、睨まれる理由が分からない。
セフレをやめたいと言われたから、快く承諾したというのに。
そういえば、夕べも怒って帰ってしまった。
何で怒らせたのかは分からないが。
山野がもう一度、亜月を見ると、
確かに燃えるような瞳で山野を睨みつけていて、そして山野のもとへやってきた。
「おい山野、お前、ちょっと来いよ」
怒りを露わにし、顎をしゃくるようにして自分へついてくるよう促した。
(ほんとに・・・何怒っているんだろ・・・)
亜月の怒りどころがイマイチ分からない。
めんどくさい。
実にめんどくさい男だ、彼は。
山野はうんざりした気持ちで溜め息をつき、
亜月の後をついていった。
「なんで・・・なんでお前だけそんなにへらへら笑ってんだよ!!」
いつもの中庭に着くと、 唐突に訳の分からない言いがかりをつけて
亜月が山野の胸倉を掴んできた。
「俺がどんな思いかも知らないでテメェっ・・・!」
鼻に皺を寄せ、綺麗な顔が台無しなほどの憤激っぷりだ。
「あのさ・・・三条くん、ゴメンだけどさ・・・
僕はなんで君が怒っているのか心当たりが全くないんだけど」
「ふざけんなっ!」
怒鳴られ、思い切り胸を突き飛ばされる。
「痛っ・・・!・・三条くん・・・っ!?落ち着いてよ!・・・何をそんなに怒ってるの?」
ここまでされるほどのことを何かしただろうか?
自分は全て、亜月の要望に応えたはずだが。
でも山野の言葉に、亜月の表情は更に険しくなり怒鳴り始める。
「なんで・・・あんな簡単に・・・!」
怒りの表情に切なさが混じる。
「本気セフレやめたいとか思ってねぇよっ・・・!!!」
まるで悲鳴みたいな亜月の叫びに、
山野は亜月が何に対して怒っているのかを、やっと察した。
ああ・・・そうか。
セフレ解消を引き留めなかったのが気に入らないのか。
意外だった。
まさか、去る者追わずの俺様な亜月が、
こんなことで怒るとは思っていなかった。
だが意外とは思うものの、この身勝手極まりない男にうんざりした。
山野からしてみれば、
自分を馬鹿にしていた男からセフレになるようお願いされて、
そしたら突然やめたいと言いだして、
それを承諾したら次の瞬間には怒っていて。
・・・本当ににめんどくさい。
「・・・悪いけど三条くん・・・僕はもう君と、ああいうこと、する気はないよ」
「・・・っ・・・!!!」
断山野に、心底信じられないといった表情を見せる。
「・・・なんでっ・・・・」
山野は盛大に溜め息をつくと、取り繕ってもしょうがないので本音で語ることにした。
「・・・だって君、色々とめんどくさいんだもん」
我儘だし、身勝手だし、人の話を聞かないし、と、
続けられる山野の言葉に、亜月はみるみる顔を強張らせていく。
「それにね、年末にあるイベント用にフィギュアを作んなくちゃいけないんだ。
ゴメンだけど、君に時間を割いてる暇はないよ」
「はぁ!?人形作りを理由に断るとかありえねぇ!人形の方が大事なのかよ!?」
山野の言葉に、亜月が弾けるように反論し、再度突き飛ばした。
そして、怒りのままに、山野に怒鳴り散らす。
「そんな下らねぇことの為に、俺との関係をやめるってのかっ!?」
「・・・・・・・・・下らない・・・・?」
その亜月の言葉に、自らの身体がピクリと震えた。
次の瞬間、
山野は自分の芯が、すーっと冷えていくのが分かった。
「だって下んねぇだろっ! 人形だとかオタクなマンガとかさ、いい歳した男がキモイんだよ!!
そんなだからいつまでも生身の人間に相手にされ・・・」
「三条くん」
思いの外低い声で、山野は亜月の言葉を遮った。
そして、亜月を正面から見据える。
山野の怒りの表情に、亜月はハッと息を飲み、顔を強張らた。
「・・・・・・下らないってどういうこと・・・?」
必死に怒りを抑え、極めて冷静を装った。
「どうして・・・なんで君にそんなこと言う権利あるの?」
「あ・・・や、山野っ・・・」
山野のただならぬ怒気を感じとったのか、亜月が激しく動揺を見せる。
「君にとっては下らないことでも、これは僕らの生き甲斐なんだ。」
山野が一歩近づくと、亜月は狼狽えながら一歩後ずさった。
「実現できるかもしれない夢に向かって一生懸命やっていることなんだよ・・・!
親の金と権力で威張り散らしている君が、何を下らないって!?言ってみろっ!!!」
「っ・・・!!」
誰がなんと言おうと、これだけはゆずれない。
普段温厚な山野の激昂は、中庭中に響き渡り、 亜月を怯えさせた。
小さい時からプラモデルや粘土細工が大好きで、
大好きなマンガやアニメ、ゲームのキャラクターを立体的に作っていくことに
感動を覚えた。
原型師になりたいと思ったのは、中学生の頃だ。
みんなそれぞれ趣味があって、夢があって、 叶う、叶わないは別として、
いつか辿り着きたい場所へ行くために、必死に努力している。
それこそ最初は、山野の作ったフィギュアだって誰も見向きもしなかったけれど、
イベントへの参加や、オークションへの出品、ホームページなどで懸命にアピールをし、
地道に努力してきたからこその今がある。
特にやりたいこともなくて、親の金で暇つぶしで大学に来ては、
女を食い散らかしているような輩に、それを下らないと言われる覚えはない。
人の夢を穢すなんて、君の方がよっぽど下らない人間だと、
そう言ってやりたかったが、 同じレベルに堕ちたくないと我に返り、
言うのをすんでのところで押しとどめた。
「・・・・はぁ・・・・。僕たちは、価値観が違いすぎるね・・・」
山野は大仰に溜め息をつくと、力無く呟いた。
所詮オタクと、亜月のような華やかな世界の住人とは、 住む世界が違うのだ。
「やっぱり僕と君とは相入れないようだね。」
「・・・山っ・・・・」
「・・・今度こそ、もう二度と、僕に話しかけないでくれ」
穏やかな言い方が、かえって山野の怒りの度合を表している。
人の夢を笑うやつは、絶対に許せない。
亜月がどんな表情をしていたかは分からないが、
もう、この男との関わりを絶ちたかった。
「さようなら」
山野は、一言一句、はっきりとそう冷たく言い放つと、
微動だにしない様子の亜月を置いて、中庭を後にした。
亜月がセフレ解消したいと言ったとき、
山野にしてみればやっぱりな、という感じでしかなかった。
セフレの関係は約1ヵ月。
数回寝れば、向こうが飽きるだろうと思っていただけに、
一見短いように思えるこの約一カ月足らずという期間は、
同じ人間とは寝ない亜月にしてみれば、 長く持った方ではないかと山野は思う。
あの身体を抱けなくなるのは正直惜しい気もするが、
所詮、自分たち不細工には選択権はない。
とくに、あの三条亜月が相手では。
すべて、モテる男の気まぐれなのだ。
亜月が山野に飽きて、
ホモじゃないから、男とのセックスはやっぱり嫌だと言われれば、
はいそうですか、と言うしかない。
ただそれだけのことだ。
そこに恋愛感情があるわけではないので、追いすがる気はない。
どうしてもセックスをしたければ、
お金を出せばできないこともないので、そっちでも十分だと今なら思える。
童貞の頃は、やはり初体験に夢があったから、
そういうプロのお姉さんにしてもらう、というのは抵抗があったが、
一度経験をしてしまうと、そこに愛だの恋だのが無ければ、
相手は何でもいいのでは?と思えるようになった。
それに、もともと没頭できる大切な趣味があるだけに、
今の生活からセックスを取り除いても、別になんら支障はない。
年末のイベントに向けてフィギュア作りに集中できるので、
亜月のセフレ解消の申し出は、むしろ山野には都合がよかった。
これで、亜月の身勝手やわがままに振り回されずに済む、
というのも本音だったりする。
例のデータを絶対にばらさないと言ったとはいえ、
亜月は 自分がゆすられている自覚があるのかと疑いたくなるほどの
我儘ぶりを発揮していた。
歯に衣着せぬ言い方で、山野にも勿論容赦はない。
山野の都合などお構いなしに、
自分の都合で山野のマンションに押しかけてはセックスをせがむのだ。
今日はちょっと・・・と断っても聞く耳持たず、強引に押し入り、
気がつけば山野の上で腰を振っていることも何度かあった。
お陰で、今年はイベント用のフィギュアの作製が、
若干ではあるが遅れている。
親の金や権力で、なにもかも思い通りにしてきた彼が、
相手の気持ちを察して行動できないのは仕方がないのかもしれない。
とはいえ、苦労や我慢するということを知らない彼を相手にするのは、
正直しんどい。
もう関わらなくてもいいのだと思うと心からホッとした。
翌日、大学へ行くと、いつものように取り巻きに囲まれている亜月が目に入った。
目が合った瞬間、ものすごい形相で睨まれたのですぐに自分から視線を反らしてしまった。
それをさして気にも留めず、すぐに亜月からは興味をなくし
同じ趣味を持つ友人と、年末のイベントについての計画を話していた。
泊りにくる人数、日程、コスプレの最終調整。
それらを考えるとウキウキして、自然に顔も綻んでくる。
「ねぇ山野くん、なんか三条くん・・・すごいこっち睨んでいるんだけど・・・」
一番仲の良い横尾が、怯えながら山野に告げてきた。
さっきもそうだったが、睨まれる理由が分からない。
セフレをやめたいと言われたから、快く承諾したというのに。
そういえば、夕べも怒って帰ってしまった。
何で怒らせたのかは分からないが。
山野がもう一度、亜月を見ると、
確かに燃えるような瞳で山野を睨みつけていて、そして山野のもとへやってきた。
「おい山野、お前、ちょっと来いよ」
怒りを露わにし、顎をしゃくるようにして自分へついてくるよう促した。
(ほんとに・・・何怒っているんだろ・・・)
亜月の怒りどころがイマイチ分からない。
めんどくさい。
実にめんどくさい男だ、彼は。
山野はうんざりした気持ちで溜め息をつき、
亜月の後をついていった。
「なんで・・・なんでお前だけそんなにへらへら笑ってんだよ!!」
いつもの中庭に着くと、 唐突に訳の分からない言いがかりをつけて
亜月が山野の胸倉を掴んできた。
「俺がどんな思いかも知らないでテメェっ・・・!」
鼻に皺を寄せ、綺麗な顔が台無しなほどの憤激っぷりだ。
「あのさ・・・三条くん、ゴメンだけどさ・・・
僕はなんで君が怒っているのか心当たりが全くないんだけど」
「ふざけんなっ!」
怒鳴られ、思い切り胸を突き飛ばされる。
「痛っ・・・!・・三条くん・・・っ!?落ち着いてよ!・・・何をそんなに怒ってるの?」
ここまでされるほどのことを何かしただろうか?
自分は全て、亜月の要望に応えたはずだが。
でも山野の言葉に、亜月の表情は更に険しくなり怒鳴り始める。
「なんで・・・あんな簡単に・・・!」
怒りの表情に切なさが混じる。
「本気セフレやめたいとか思ってねぇよっ・・・!!!」
まるで悲鳴みたいな亜月の叫びに、
山野は亜月が何に対して怒っているのかを、やっと察した。
ああ・・・そうか。
セフレ解消を引き留めなかったのが気に入らないのか。
意外だった。
まさか、去る者追わずの俺様な亜月が、
こんなことで怒るとは思っていなかった。
だが意外とは思うものの、この身勝手極まりない男にうんざりした。
山野からしてみれば、
自分を馬鹿にしていた男からセフレになるようお願いされて、
そしたら突然やめたいと言いだして、
それを承諾したら次の瞬間には怒っていて。
・・・本当ににめんどくさい。
「・・・悪いけど三条くん・・・僕はもう君と、ああいうこと、する気はないよ」
「・・・っ・・・!!!」
断山野に、心底信じられないといった表情を見せる。
「・・・なんでっ・・・・」
山野は盛大に溜め息をつくと、取り繕ってもしょうがないので本音で語ることにした。
「・・・だって君、色々とめんどくさいんだもん」
我儘だし、身勝手だし、人の話を聞かないし、と、
続けられる山野の言葉に、亜月はみるみる顔を強張らせていく。
「それにね、年末にあるイベント用にフィギュアを作んなくちゃいけないんだ。
ゴメンだけど、君に時間を割いてる暇はないよ」
「はぁ!?人形作りを理由に断るとかありえねぇ!人形の方が大事なのかよ!?」
山野の言葉に、亜月が弾けるように反論し、再度突き飛ばした。
そして、怒りのままに、山野に怒鳴り散らす。
「そんな下らねぇことの為に、俺との関係をやめるってのかっ!?」
「・・・・・・・・・下らない・・・・?」
その亜月の言葉に、自らの身体がピクリと震えた。
次の瞬間、
山野は自分の芯が、すーっと冷えていくのが分かった。
「だって下んねぇだろっ! 人形だとかオタクなマンガとかさ、いい歳した男がキモイんだよ!!
そんなだからいつまでも生身の人間に相手にされ・・・」
「三条くん」
思いの外低い声で、山野は亜月の言葉を遮った。
そして、亜月を正面から見据える。
山野の怒りの表情に、亜月はハッと息を飲み、顔を強張らた。
「・・・・・・下らないってどういうこと・・・?」
必死に怒りを抑え、極めて冷静を装った。
「どうして・・・なんで君にそんなこと言う権利あるの?」
「あ・・・や、山野っ・・・」
山野のただならぬ怒気を感じとったのか、亜月が激しく動揺を見せる。
「君にとっては下らないことでも、これは僕らの生き甲斐なんだ。」
山野が一歩近づくと、亜月は狼狽えながら一歩後ずさった。
「実現できるかもしれない夢に向かって一生懸命やっていることなんだよ・・・!
親の金と権力で威張り散らしている君が、何を下らないって!?言ってみろっ!!!」
「っ・・・!!」
誰がなんと言おうと、これだけはゆずれない。
普段温厚な山野の激昂は、中庭中に響き渡り、 亜月を怯えさせた。
小さい時からプラモデルや粘土細工が大好きで、
大好きなマンガやアニメ、ゲームのキャラクターを立体的に作っていくことに
感動を覚えた。
原型師になりたいと思ったのは、中学生の頃だ。
みんなそれぞれ趣味があって、夢があって、 叶う、叶わないは別として、
いつか辿り着きたい場所へ行くために、必死に努力している。
それこそ最初は、山野の作ったフィギュアだって誰も見向きもしなかったけれど、
イベントへの参加や、オークションへの出品、ホームページなどで懸命にアピールをし、
地道に努力してきたからこその今がある。
特にやりたいこともなくて、親の金で暇つぶしで大学に来ては、
女を食い散らかしているような輩に、それを下らないと言われる覚えはない。
人の夢を穢すなんて、君の方がよっぽど下らない人間だと、
そう言ってやりたかったが、 同じレベルに堕ちたくないと我に返り、
言うのをすんでのところで押しとどめた。
「・・・・はぁ・・・・。僕たちは、価値観が違いすぎるね・・・」
山野は大仰に溜め息をつくと、力無く呟いた。
所詮オタクと、亜月のような華やかな世界の住人とは、 住む世界が違うのだ。
「やっぱり僕と君とは相入れないようだね。」
「・・・山っ・・・・」
「・・・今度こそ、もう二度と、僕に話しかけないでくれ」
穏やかな言い方が、かえって山野の怒りの度合を表している。
人の夢を笑うやつは、絶対に許せない。
亜月がどんな表情をしていたかは分からないが、
もう、この男との関わりを絶ちたかった。
「さようなら」
山野は、一言一句、はっきりとそう冷たく言い放つと、
微動だにしない様子の亜月を置いて、中庭を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)
子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ
喰われるなんて聞いてないんだが(?)
俺はただ、
いちご狩りに誘われただけだが。
なのに──
誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に
なぜか俺が捕まって食われる展開に?
ちょっと待てい。
意味がわからないんだが!
いちご狩りから始まる
ケンカップルいちゃらぶBL
※大人描写のある話はタイトルに『※』あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる