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序章
羊水の記憶 〜はじまりの体験〜
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赤ん坊にも記憶があるのか?
数年前にテレビで観たことがある。それは赤ん坊は母親のお腹にいた時の記憶があるというものだ。もちろん成長するにつれて物心ついた時にはすっかり忘れてしまっているようなのだが、稀にお腹にいた時の記憶が残っていてその様子を語る子どもがいるというのだ。
実は俺にも似たような経験があったのを思い出した。母親のお腹にいた時の記憶が残っていたのだろうという推測される経験だ。
あれは4歳か5歳くらいの時分だった頃、当時保育園に通っていて真夏の暑い日だったのでプールの時間があった。
特に水が苦手だったわけでもなく水面に顔をつけて遊んでいたのだが、何度か顔を水の中に入れているうちに不思議な感覚があるのに気付いた。
水中なのに全く苦しくなかったのだ。水の中で呼吸ができるという感覚とも違う。そもそも呼吸という殆どの生物に必要な最低限の生理現象が無くなったような不思議な感覚だった。
俺はそのまま脱力してうつ伏せの状態でプカプカと浮かんでいた。
すると急に誰かに脇腹を捕まえられ水の中から抱き抱えられた。
保育士の先生だった。
恐らく俺がうつ伏せで浮かんでいたので溺れていると勘違いしたのだと思う。その慌てた様子から見てとれた。
「大丈夫?」と声かけられたが俺は少し残念な気持ちでいた。
呼吸が苦しくない水の中は凄く居心地が良くこのままずっと水の中にいても死なないのではないかと思っていた。
そしていつまで続くのかと子どもながらに興味があったのにそれを先生に邪魔にされて、今後ニ度と同じ経験はしないと何故か思ったのである。
もちろんあのまま苦しくないとは言え、水面に浮かんでいたら危険な状態であったであろう。先生の判断は間違っていない。
しかし、あの時の経験は大人になってから思うのはきっと母親のお腹にいた時の羊水の中の記憶が戻ったのだろう。
生後数ヶ月の赤ん坊をプールに入れると上手に泳ぐという話があるがこれも羊水の中の記憶からして、水中の中でも上手くバランスをとれるからである。
生後4年、5年経って母体にいた記憶があるのは珍しいことだが、よく手足を事故で無くした人が欠損した四肢に痛みや痒みを感じることがあるように、無くしたへその緒を通じて一時的にも水中の中が居心地が良くなっていたのであろう。
これが俺が奇怪な体験した最古の記憶である。
数年前にテレビで観たことがある。それは赤ん坊は母親のお腹にいた時の記憶があるというものだ。もちろん成長するにつれて物心ついた時にはすっかり忘れてしまっているようなのだが、稀にお腹にいた時の記憶が残っていてその様子を語る子どもがいるというのだ。
実は俺にも似たような経験があったのを思い出した。母親のお腹にいた時の記憶が残っていたのだろうという推測される経験だ。
あれは4歳か5歳くらいの時分だった頃、当時保育園に通っていて真夏の暑い日だったのでプールの時間があった。
特に水が苦手だったわけでもなく水面に顔をつけて遊んでいたのだが、何度か顔を水の中に入れているうちに不思議な感覚があるのに気付いた。
水中なのに全く苦しくなかったのだ。水の中で呼吸ができるという感覚とも違う。そもそも呼吸という殆どの生物に必要な最低限の生理現象が無くなったような不思議な感覚だった。
俺はそのまま脱力してうつ伏せの状態でプカプカと浮かんでいた。
すると急に誰かに脇腹を捕まえられ水の中から抱き抱えられた。
保育士の先生だった。
恐らく俺がうつ伏せで浮かんでいたので溺れていると勘違いしたのだと思う。その慌てた様子から見てとれた。
「大丈夫?」と声かけられたが俺は少し残念な気持ちでいた。
呼吸が苦しくない水の中は凄く居心地が良くこのままずっと水の中にいても死なないのではないかと思っていた。
そしていつまで続くのかと子どもながらに興味があったのにそれを先生に邪魔にされて、今後ニ度と同じ経験はしないと何故か思ったのである。
もちろんあのまま苦しくないとは言え、水面に浮かんでいたら危険な状態であったであろう。先生の判断は間違っていない。
しかし、あの時の経験は大人になってから思うのはきっと母親のお腹にいた時の羊水の中の記憶が戻ったのだろう。
生後数ヶ月の赤ん坊をプールに入れると上手に泳ぐという話があるがこれも羊水の中の記憶からして、水中の中でも上手くバランスをとれるからである。
生後4年、5年経って母体にいた記憶があるのは珍しいことだが、よく手足を事故で無くした人が欠損した四肢に痛みや痒みを感じることがあるように、無くしたへその緒を通じて一時的にも水中の中が居心地が良くなっていたのであろう。
これが俺が奇怪な体験した最古の記憶である。
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