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大人
子煩悩による心霊
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俺には妻と3歳になる娘がいる。
結婚した当初は比較的裕福で雇われだが不動産会社で代表取締役を務めていた。お金には何不自由しなかった。
独立後はどうにもこうにもいかなくなり、あれよあれよと借金ばかりが膨れ上がった。
もちろん 生活の様体が大きく変わった。
3度の引越し、車の売却。欲しいものも買えなくなった。
そんな辛い状況でも家族は守ると決めていた。娘には不自由なく惨めな思いはさせたくないのである。
どんなに疲れて仕事から帰ってきても娘の顔をみるとまた明日も頑張ろうと思えるものだ。
不眠症の妻はできるだけ一人で寝たがっていた。
なので俺と娘はリビング横にある和室を二人の寝室としていたのだが、最近娘が妻と寝たいと駄々こねるようになった。
理由は和室には「お化けがいる」からだそうだ。
そしてその部屋にいる時はある一点を見つめ続けることがある。
その頃の幼児には結構有り得る話だったので俺も気にしないでおいていた。
ある夜のことだった。この日も娘は妻と寝たいと言い出し、俺は一人で和室で寝ることになった。
仕事で疲れてヘトヘトのはずだがなかなか眠れずふと枕元にある時計に目をやると深夜0時過ぎ。
「明日も早いからそろそろ寝ておきたいな」と考えていると急に金縛りにあった。
目だけがキョロキョロと動く。もちろん声を出すことができない。電気は大分前に消していたので暗闇の中でも視界はハッキリと見えていた。
すると俺が寝ている布団の周りをペコペコと子どもの走り回る音が聞こえる。
「娘が起きてきて遊んでほしくて走り回ってるんだ」と思っていたが深夜なのでやめるよう言い出そうと思うもなかなか声が出ない。
そのうち走り回っている音が俺の布団を踏むくらい円を小さくして、そのうち足や手などを踏んづけはじめた。
この時くらいに走り回っているのは娘ではないことに気付いた。
金縛りの俺は未だに目以外に動かせない。
ふとリビングに行く襖に目をやるといつの間にやら閉めたはずの襖が開いている。
しばらく襖に目をやると開いた襖の間から知らない女の子がニョキニョキと顔を出してきてこちらを満面の笑顔で見ているのである。
一気に鳥肌が立った。声をあげようにもあげられない。
そのうち右手の指に痛みが走った。
何とか金縛りの身体から首だけは動かせるようになった。
手の痛みの矛先を見るとこれまた知らない子どもが俺の指をガジガジと噛み付いている。
その間も布団の周りを走り回ったりお腹に乗ってきたりする子どももいれば、襖から覗く子どもがいる。
しばらくするとようやく金縛りがとけた。するといつの間にやら例の子どもたちの姿はなかった。
妻の寝室へ覗きにいくと妻と娘はぐっすり寝ている。
やはり娘の仕業ではなかったようだ。
怖かったので一人でまた寝るのは躊躇ったが、二人を起こしてしまう可能性もあったのでやはり一人で寝ることにした。
それにあの子たちからは邪念のような悪気は感じられなかった。
きっと単純に遊んで欲しかったのであろう。
霊は人の心の隙間に入ってくる。
それは愛だったり優しさだったりプラスの要素にも。
だからいつどこで出会すかはわからないのである。
例え慣れ親しんだ自宅でも。
結婚した当初は比較的裕福で雇われだが不動産会社で代表取締役を務めていた。お金には何不自由しなかった。
独立後はどうにもこうにもいかなくなり、あれよあれよと借金ばかりが膨れ上がった。
もちろん 生活の様体が大きく変わった。
3度の引越し、車の売却。欲しいものも買えなくなった。
そんな辛い状況でも家族は守ると決めていた。娘には不自由なく惨めな思いはさせたくないのである。
どんなに疲れて仕事から帰ってきても娘の顔をみるとまた明日も頑張ろうと思えるものだ。
不眠症の妻はできるだけ一人で寝たがっていた。
なので俺と娘はリビング横にある和室を二人の寝室としていたのだが、最近娘が妻と寝たいと駄々こねるようになった。
理由は和室には「お化けがいる」からだそうだ。
そしてその部屋にいる時はある一点を見つめ続けることがある。
その頃の幼児には結構有り得る話だったので俺も気にしないでおいていた。
ある夜のことだった。この日も娘は妻と寝たいと言い出し、俺は一人で和室で寝ることになった。
仕事で疲れてヘトヘトのはずだがなかなか眠れずふと枕元にある時計に目をやると深夜0時過ぎ。
「明日も早いからそろそろ寝ておきたいな」と考えていると急に金縛りにあった。
目だけがキョロキョロと動く。もちろん声を出すことができない。電気は大分前に消していたので暗闇の中でも視界はハッキリと見えていた。
すると俺が寝ている布団の周りをペコペコと子どもの走り回る音が聞こえる。
「娘が起きてきて遊んでほしくて走り回ってるんだ」と思っていたが深夜なのでやめるよう言い出そうと思うもなかなか声が出ない。
そのうち走り回っている音が俺の布団を踏むくらい円を小さくして、そのうち足や手などを踏んづけはじめた。
この時くらいに走り回っているのは娘ではないことに気付いた。
金縛りの俺は未だに目以外に動かせない。
ふとリビングに行く襖に目をやるといつの間にやら閉めたはずの襖が開いている。
しばらく襖に目をやると開いた襖の間から知らない女の子がニョキニョキと顔を出してきてこちらを満面の笑顔で見ているのである。
一気に鳥肌が立った。声をあげようにもあげられない。
そのうち右手の指に痛みが走った。
何とか金縛りの身体から首だけは動かせるようになった。
手の痛みの矛先を見るとこれまた知らない子どもが俺の指をガジガジと噛み付いている。
その間も布団の周りを走り回ったりお腹に乗ってきたりする子どももいれば、襖から覗く子どもがいる。
しばらくするとようやく金縛りがとけた。するといつの間にやら例の子どもたちの姿はなかった。
妻の寝室へ覗きにいくと妻と娘はぐっすり寝ている。
やはり娘の仕業ではなかったようだ。
怖かったので一人でまた寝るのは躊躇ったが、二人を起こしてしまう可能性もあったのでやはり一人で寝ることにした。
それにあの子たちからは邪念のような悪気は感じられなかった。
きっと単純に遊んで欲しかったのであろう。
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