婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。

三葉 空

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第4話 良き朝に初めてのお仕事

 窓辺から差し込む、穏やかな朝の日差しで目を覚ましました。

「あっ……」

 以前も、温かいベッドで寝ていた。けど、朝起きるといつも憂鬱だった。今日もまた、誰からも愛されない日々が始まるのだと。けど、今は……

「ユリナ様、おはようございます」

「おはようございます」

 廊下ですれ違うたびに、神職のみなさんがあいさつをしてくれる、ちゃんと笑顔で。以前は、家の中であいさつをしても、あの人たちはニコリともせず、ロクに返事もしてくれなかったから。たったそれだけのことで、とても幸福を感じてしまうのです。

「ユリナ様、おはようございます」

「オクトレイル様、おはようございます」

「昨晩は、宴会に付き合わせてしまい、申し訳ありません。色々とあったばかりで、心身ともにお疲れだったでしょうに」

「いえ、そんなことはありません。むしろ、昨晩はとても良い気持ちで眠ることが出来ました。おかげで、今朝は今までにないくらい、清々しい気持ちです」

「それを聞いて安心しました。では早速ですが、聖女さまのお仕事をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「あ、はい」

 お仕事と言われて、私はちょっと浮かれ気分だったのが、ピシっと引き締まる。

「そう固くならないで下さい。昨日やったのと同じように、お祈りを捧げていただければ良いのです」

「分かりました」

 私はまた、神殿の中央部。ステンドグラスのきらびやかな光を浴びながら、聖なる台座に佇みます。そこで両手を合わせて、天に向かってお祈りを捧げます。

 まだまだ未熟な聖女せ申し訳ないですが、神さま。どうか、この国をお守り下さい。民をお守り下さい。どうか、よろしくお願いいたします……と。

 呪文も何も分からないので、切なる願いを言葉に乗せて伝えた。

『あなたの清らかで熱い想い、確かに受け取りました』

 また、昨日と同じく神の声が聞こえます。いわゆる、神託というものでしょうか?

『聖女ユリナ。あなたにはこれから、とても期待しています。今まで苦しかった時間があったからこそ、報われているのですよ?』

 なるほど、それは分かります。では、あのひどい人達にも感謝をした方が良いのでしょうか?

『彼らは後ほど、しかるべき罰を受けるでしょう。因果応報、世の中はそのように出来ていますので』

 何ともまあ、世知辛いことです。少し同情しますが、正に自業自得でしょう、アーメン。

「ユリナ様、お疲れさまでございます」

 オクトレイル様が声をかけて下さいます。

「朝食に致しましょう」

「はい」

 正直、お腹がペコペコだったので、とても待ち遠しかったです。
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