SATAN-サタン-〜モモカと悪魔〜

夜羽

文字の大きさ
4 / 6

#03【命の契約】

しおりを挟む



俺は病室に入りゆっくりとドアを閉める。

「来てくれたんですね。」

ガキが静かに言う。

「お前…肺がんとかいう病気なんだってな。」

「聞いたんですね…。」

「俺を呼んだらしいな。何の用だ。」

「…。」

黙り始めた。

窓の外で鳥のさえずりが聞こえる。

夕日がゆっくりと沈んでいってる。

沈黙は続く。

「なんだ。」

「私と…。」

「?」

「私ともう一度契約してほしい!」

やっぱりそれか。

このままダメだと言ってもそれだけでは聞かないだろうから全て話す。

「ダメだ。」

「え…。どうして!!」

「よく聞け…。そもそも闇の取引なんてものはないんだ。今まで話してたのもただの契約ごっこだ。」

「え…。」

「約束を破っても別に死にはしないし
お前が魔法や悪魔が空想の存在だと言ったからお前を利用しようとしていただけだ。
俺はこの世界の情報提供をしてくれる人間をさがしていた。
でも病人を利用する気は無い。ただそれだけだ。」

「なに…それ。」

「これで話はすんだろ。じゃーな。」

「まってよ!」

ガシッ。

ガキがベットから降りてきて俺の服を掴む。

俺は振り返ってしまった。

ガキは泣いていた。

「もう…。もう一人はやだよ…。」

「!?」

ガキの涙が止まらない。

「おい!?やめろ?」

グスッ グスッ。

「ちょ 泣くな。コラ」

次から次へと涙が止まらない。

ガラッ

「夕食お持ちしましたよ!」

その時、業務員が部屋に入ってきた。

「え!?ど、どうかしたんですか!?」

業務員が俺を怪しんだ目で見る。

「グスッ グスッ。」

「いやwえっと…これは…」

「分かった!泣くなって!
考えるから!!
もうちょっと考えるから!!」

「グスッ。ほっ ほんとぉ…?グスッ。」

ガキが顔を上げて言う。

「あの…なにかしたんですか!?」

ついに業務員が聞いてきた。

「いや してない!してない!
何もしてないないよなー!?」

「グスッ グスッ。」

コク。

ガキが首を縦に振った。

「なっ!!ほら!?なっw」

「…。」

そのあとガキは泣き止み、夕食を食べていた。夕食の間は業務員がガキの隣に座り様子を伺っていた。
俺は少し離れたとこで座り俯いている。

なんなんだコレは?
意味が分からん。
何で泣き出した…。
しかもこれ以上にないタイミングの悪さだ。

ガキが夕食を食べ終わると
業務員は食器を持って部屋を出て行った。
俺は終始怪しまれていたがなんとか撒いたようだ。

無言が続く。
なんだこれ…。
でもこのまま出ていこうとしてまた泣かれるのは勘弁だ。

「あの…ごめんなさい。」

しばらく沈黙が続いていたがガキの方から切り出した。

「やめろ。別に謝ることはしてねーだろ…。」

「…。」

「お前は…俺にどうしてもらいたいんだよ…。」

俺は疲れ切った声で言う。

「私は…。」

「?」

ガキは顔を真っ赤にしていた。
そしてゆっくりと言う。

「お友達になりたい…。」

ガキはモジモジしている。

「…そんだけか?」

コク。

ガキが頷く。

「分かったよ!お前のお望み通り
『お友達』になってやる。これでいいか?
あぁ!!?」

「ほ…ホント!?」

ガキの顔が少し晴れた。
なんなんだよ一体。

「それじゃ…また会える!?」

は?

そうかそうだった。

「お友達」というのだから定期的にこのガキに会わなければいけない…。
このガキの望んでいることはそういうことだろう。

思わず言ってしまったが
よくよく考えると面倒くさい。

だが…。

はぁ……。

「わかったよ…。ここに会いにくればいいんだろ?もうそれで勘弁してくれ。」

「い 。いいの!?」

「じゃなきゃお前また泣き叫ぶんだろ?」

「も…もう泣かないもん…。」

やれやれ面倒な事に巻き込まれた。

「それじゃ もう一度私たちの契約をしよう!」

え…?

「いや…。だから契約なんてものは最初からないんだって」

「ううん。違うって!私たちだけの秘密の約束を作りたいの!!ふふーんこういうの一回やってみたかったんだよね。」

何言ってんだ?

「私はあなたがお友達になってくれた代わりにこの世界のことをいっぱい教えまーす!」

…。

「どうかな!!」

…。

「もう…それでいい…。」

「やったぁ!」

まぁ…もともとそのつもりだったしな。ここに定期的に来る見返りってことでいいだろう。

「それじゃ…契約の儀式をしようよ!」

「儀式?」

「はい!」

ガキは腕を伸ばし小指をさしだす。

「何だこれは。」

「指切り!私たちの世界では約束する時にやるんだよ。ほらこうやって小指と小指を合わせて!

「指きった!」

ガキが俺の手を振り下ろす。

「契約成立だね!!」

少女がにっこりと笑う。

……。

何故だろう。
俺はガラにもなくこの時少し微笑んでしまっていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうしたの?グーちゃん?」

えっ!?

俺がボーッとしていたからモモカさんが心配そうに聞いてきた。

俺はあの時のことを思い返していた。

「いやぁwなんかモモカさんとは色々あったなぁなんて…。
少し思い出してましてw」

「えぇw」

彼女は顔を少し赤くして照れている。

「あっ、ねぇグーちゃん!サクラの花言葉!!知ってる!!?」

するとモモカさんが話をそらすように言ってきた。多分照れくさかったから話題を変えたんだろう。

「え…。えっと。サクラの花言葉?
『かわいい?』とかそういう感じですかねw」

「あぁwいい線いってる!」

モモカさんは花の図鑑を見ながら楽しそうにクイズをだす。

「ねぇw正解言ってもいい?」

「いいですよw」

「いくつかあるんだけど正解は『精神美』『優美な女性』『純潔』でしたw」

「あぁwちょっと難しかったですねw
でもサクラの花言葉はモモカさんにお似合いです。」

「いや…そんなことないよwサクラは好きだけどw」

「あっ!もしかしてモモカさんの名前の『桃』にも花言葉ありますよね!」

「!?」

「きっとモモカさんにぴったりの花言葉だったりしてw」

パタン。

彼女は本を閉じた。

「あっグーちゃん…ごめん。
4時から診察の時間なの忘れてた!」

彼女は少し慌てている。

「あっ!そうだったんですね…。」

「ゴメンちょっと行ってくるね!」

「あれ…でもちょっと早くないですか?」

「5分前行動!5分前行動!」

するとモモカさんは本を持って部屋を出て行ってしまった。

あれ…まだ3時半だよな…。

結構早いような…。

俺は椅子に座りながら病室を見渡す。

変わらないな…。

あの日から。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「契約成立だね!!」

気がつけば夜7時をまわっていた。

「ねぇねぇ!まずはお互いに自己紹介しようよ!」

「自己紹介?」

「だって契約者のことはよーく知っておかないといけないでしょ?w」

「別に言うことねーし…。」

「はい!はーい!じゃぁ私からいきまーすw


なんだコイツのテンション…。

「私は『ナツメ モモカ』って言いまーす!
漢字で書くとこうでーすw」

ガキは自分の名前をメモ帳に書いて俺に見せてきた。だが案の定俺は読めない。

「えっと!好きな食べ物はお餅で…
最近ハマってる芸人は小峠でーす!!」

しらねぇよ…。

「なんて日だっ!!」



なにが!?

「好きな色は…うーんピンクかな…。でも白もすき!好きな漫画は…少女漫画も好きだけど少年漫画も好き!特にジャンプが熱いね!」

何言ってっか全然わかんねー…。

「さっ 次はあなたの番!!」

「いや…だから言うことなんてねーよ」

「名前は!?」

「それは言えない。
悪魔にとって名前は命だ。知れ渡れば危険な呪術に悪用される恐れがある。」

「えー!!」

「えーって言われてもな…。」

「じゃ私がニックネームを考えてあげる!」

「ニックネーム!?」

「だってこのままだと私があなたを呼ぶ時
に困るもんw」

「ちっ。じゃぁさっさと決めろ…」

「わーい!!やったーww」

「なんでお前が喜んでんだよ!」

「だってなんか考えるの楽しいじゃんw」

「あのな!先に言っておくぞ!?
変な名前は拒否するからな!」

「私こういう時マジメだよ!!」

そう言ってガキは考え始める。

ずっと うーん…。と言っている。

俺は座ったまま病室を見渡す。

なんもねー部屋だな。

ガキが両手で頬杖をついて悩んでいる。

「おい机もう一個ねーの?
うつ伏せになって寝たいんだけど」

「ないよ?」

「じゃこの机で寝るから 腕どかせ。」

「やだよぉ!この体勢がいいの!
なんか思いつきそう!」

「俺はお前の言う『契約者様』だ。
ちょっとは気づかえよ!!」

「えぇ…別にここで寝ればいいじゃん。
それかベッドくる?ふかふかだよ?」

おちょくってんじゃねーぞ…。

俺は右手で頬杖をついて寝ようとした。

いや やっぱり距離がちょっと近い。

ガキは目を瞑って考えている。

いや 気にすることはない。

俺も今日一日疲れてんだ。

少しくらい休ませろ。

俺は目を瞑る。

…。

やっぱり目の前が気になって寝れねー。

俺は片目を開けた。

目の前でガキが考えている。

だが…この姿嫌いじゃない。

いや寧ろ少し癒されるような…。

俺はまじまじと見てしまっていた。

よく見ると少しだけ…可愛い顔をしている…。

パッ。

そのときガキが目を開けた…。

目が合う。

やばい見てたのがバレた…。

「え…なんかここついてる!?」

「いや…なんもついてないけど…。」

とっさに俺はそう言った。

「あっ ねぇねぇ 『グーちゃん』はどうかな!」

「え…。」

「グー…ちゃん?」

それが俺の名前?

「だって だって!!さっきお昼のとき
お腹が鳴った音がすごく可愛かったからw」

なんだその恥ずかしい由来は…。

「グーちゃん!いい!すっごく可愛い!」

可愛いさで付けるなよ…。

…。

でも何故か俺は嫌じゃなかった。

目の前で一生懸命考えていたのを見ていたから。

たかが呼び名かもしれないが思えば自分のために誰かが真剣に物事を考えてくれたのは初めてだったのかもしれない。

「嫌…だった?かな…。」

やばい、このまま何も言わなかったらまたガキが落ち込む。きっと結構悩んだのだろう…。

もうそれでいい…。

「お前が呼びやすいならそれでいい…。」

「ホント!?嫌じゃない!?」

「別に…」

「うれしい!!自分の考えた名前気に入ってもらえるってすっごく嬉しいよw」

「はぁ…そりゃよかったな…。」

俺は喜んでるガキの姿を見ていた。
心のどこかでほっとしていた。
明日から俺たちの契約による日々が始まるのか…。

「グーちゃん!うーんかわいいっw」

「おまえ…そんなに気に入ってんのか?」

「うん!とっておきの名前だね!
ねぇねぇグーちゃんも私のこと名前で呼んで!!」

「え?」

「お友達なんだから名前で呼び合いたい!」

なんかいきなり名前で呼ぶのは抵抗があるというかすこし恥ずかしいんだが…。

「あ…やっぱり嫌なら別にいいんだw」

ガキがモジモジしてる。
なんだ?こいつも本当は少し恥ずかしいのか?

「モモカ。これでいいか?」

「…!!」

モモカが少し恥ずかしそうにこちらを見る。

なんなんだよ…。
言えっていたのはそっちだろ。

「う。うん 。悪くない。それで行こう。」

なんだその反応は。

「もしかして名前で呼ばれるの恥ずかしいのか?」

「いや!そんなことない!全然!?」

じゃーなんでモジモジしてんだよ…。

「なぁ 純粋に1つお前に聞きたいことがあるんだけど…。」

「なーに?」

「お前はなんで俺とのあの契約をそんなにしたかったんだ?しかも命を賭けろと言ったことに躊躇しなかった…」

「今も賭けてるよ?」

「!?」

俺は目を少し大きく開いた。

「いや、だからあれは嘘だって言ったろ。」

「私…1番最初に話した契約のつもりでいたけど…。」

「なっ、なに怒ってんだよ…。」

「ねぇ…それで合ってるよね。」

「…。」

「ご…ごめん別に私怒ってないし ちょっと言いすぎた。」

「いや…別にいい。少し聞きたかっただけなんだ。お前が命を張ってでもオレと友達になりたいと言った理由が。」

「私…生まれてからほとんど外に出たことがないの」

「!?」

「ずっと体が弱くて病院で暮らしてきた。
だからお友達なんていない。」

「私はずっと憧れてた…。お友達と遊んだり出かけたり勉強したりすることを。
そしてたまにはケンカもしたりして。
みんながやってるようなことを私はやったことがなかった…。」

「だからどうしても欲しかった。
どうせこの残り少ない命だもの。
それを賭けて私の夢が叶うなら叶えたかった。」

俺は気がつくとモモカの話を真剣に聞いていた。俺はこの質問をしてよかったのだろうか。そう考えるほど彼女の思いは深かった。

「お前はあの時本気で命を賭けていたのに踏みにじるようなことを言って…その…悪かった。」

「ううん。大丈夫。
それにさっき強く言っちゃったのは別の理由かな。
グーちゃんも命がけで私に自分のことを
話してくれたでしょ?私が契約を破ればグーちゃんの命が危険かもしれないのに。そんななかで私を頼ってくれた。だから…。」

深い夜が始まる。


 
                                     【3・命の契約】完

 
















しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...