34 / 50
第二章 王都と孤児院
#30 前段階
しおりを挟む
「アオイさま、ナナをおそばに置いていただけませんか?ナナはナナのためにアオイさまのおそばにいたいのです」
「その心は?」
「今、このたった数分のあいだでナナが変わるための何かを見せられた気がするのです。今のナナは臆病で泣き虫で何も役にたたないのです。それでも、ナナはそんな自分を変えたいのです。そのための糸口がアオイさまのそばにいればわかる気がするのです。だからお願いするのです」
ナナの目にはもう怯えなんてなく、そこには己の強い意志と信念を瞳に映した、ただ自身を変えたいと切望する少女の姿があった。
「わかった。ナナが自分のことをちゃんと考えた結果なら、僕が口を出すことではないね。それじゃあこれからよろしく、ナナ」
「よろしくお願いするのです、アオイさま」
そんなナナの姿をみて僕はこれが彼女の第一歩になることを願いながら僕は彼女に手を差し出した。
と、そんな時間が長く続くわけがなく気を抜いた途端に騒がしくなる。
「アオイー?何やって、い・・・なんでちょっと目を離しただけなのに新しい女の子を連れてるのよ!?」
「ア・オ・イ・さ・ん?どういうことか説明していただけますよね?」
「は、はい。分かりました・・・すべて説明いたします」
さすがに外にいすぎたのでザーシャとラーシャが僕のことを呼びに来たのだが、外の状況と僕と握手しているナナを見ると僕のことを問い詰めてきた。というか君たち先に責めるのが女性関係なのね。てっきり騎士たちのことから話を聞かれると思っていたんだけど。この後、この騒ぎでレナにシャル、ミリィまで出てきて、さらに騒ぎが大きくなって応援の騎士までくるちょっとした騒動になってしまった。
それが収まるまでに1時間ほどかかったが、特に休憩をはさむでもなく僕はカルラさんへ本題であるここの改築について提案する。その中でこれにかかる費用、損害その他もろもろは僕の名で全て支払うということ、工事は全て僕がすること、また工事に必要な許可などもすべてシャルを通して下りているので、あとはカルラさんの決断次第であることを説明した。その結果、カルラさんは孤児院を改築することを許可してくれた。その間は王都でも有数の宿を貸し切ってそこで過ごしてもらうことになった。もちろんこの費用も僕のポケットマネー、もっと言うと今回の報奨について僕たちの種族のせいで最終確定までに時間がかかってしまいそうなのでとりあえずこれだけは下回らないだろうということで渡されたつなぎの報奨金白金貨3枚から出している。というか今回これぐらいしかお金を使うところがない。工事は自分でするし、材料に関してはあのもうなんでも入っているんじゃないかと思われる鞄から出して使うのでお金というものは使うことがないのだ。
と、まあ改築するための準備は整った。明日から始めてできるだけ早く終わらせるぞ。
―――*―――*―――
実は#16からここまで15話分も同じ日の出来事という事実。もっとテンポよくいきたい。
これで第二章パート3 葵と黒竜の少女 が終わります。この先は作者の都合のため不定期更新となります。詳しくはこちらをご覧ください。
近況ボード https://www.alphapolis.co.jp/diary/view/171612
少しの間更新が途切れるかもしれませんが、これからも異世界如何様冒険記をよろしくお願いします。
「その心は?」
「今、このたった数分のあいだでナナが変わるための何かを見せられた気がするのです。今のナナは臆病で泣き虫で何も役にたたないのです。それでも、ナナはそんな自分を変えたいのです。そのための糸口がアオイさまのそばにいればわかる気がするのです。だからお願いするのです」
ナナの目にはもう怯えなんてなく、そこには己の強い意志と信念を瞳に映した、ただ自身を変えたいと切望する少女の姿があった。
「わかった。ナナが自分のことをちゃんと考えた結果なら、僕が口を出すことではないね。それじゃあこれからよろしく、ナナ」
「よろしくお願いするのです、アオイさま」
そんなナナの姿をみて僕はこれが彼女の第一歩になることを願いながら僕は彼女に手を差し出した。
と、そんな時間が長く続くわけがなく気を抜いた途端に騒がしくなる。
「アオイー?何やって、い・・・なんでちょっと目を離しただけなのに新しい女の子を連れてるのよ!?」
「ア・オ・イ・さ・ん?どういうことか説明していただけますよね?」
「は、はい。分かりました・・・すべて説明いたします」
さすがに外にいすぎたのでザーシャとラーシャが僕のことを呼びに来たのだが、外の状況と僕と握手しているナナを見ると僕のことを問い詰めてきた。というか君たち先に責めるのが女性関係なのね。てっきり騎士たちのことから話を聞かれると思っていたんだけど。この後、この騒ぎでレナにシャル、ミリィまで出てきて、さらに騒ぎが大きくなって応援の騎士までくるちょっとした騒動になってしまった。
それが収まるまでに1時間ほどかかったが、特に休憩をはさむでもなく僕はカルラさんへ本題であるここの改築について提案する。その中でこれにかかる費用、損害その他もろもろは僕の名で全て支払うということ、工事は全て僕がすること、また工事に必要な許可などもすべてシャルを通して下りているので、あとはカルラさんの決断次第であることを説明した。その結果、カルラさんは孤児院を改築することを許可してくれた。その間は王都でも有数の宿を貸し切ってそこで過ごしてもらうことになった。もちろんこの費用も僕のポケットマネー、もっと言うと今回の報奨について僕たちの種族のせいで最終確定までに時間がかかってしまいそうなのでとりあえずこれだけは下回らないだろうということで渡されたつなぎの報奨金白金貨3枚から出している。というか今回これぐらいしかお金を使うところがない。工事は自分でするし、材料に関してはあのもうなんでも入っているんじゃないかと思われる鞄から出して使うのでお金というものは使うことがないのだ。
と、まあ改築するための準備は整った。明日から始めてできるだけ早く終わらせるぞ。
―――*―――*―――
実は#16からここまで15話分も同じ日の出来事という事実。もっとテンポよくいきたい。
これで第二章パート3 葵と黒竜の少女 が終わります。この先は作者の都合のため不定期更新となります。詳しくはこちらをご覧ください。
近況ボード https://www.alphapolis.co.jp/diary/view/171612
少しの間更新が途切れるかもしれませんが、これからも異世界如何様冒険記をよろしくお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
『三度目の滅びを阻止せよ ―サラリーマン係長の異世界再建記―』
KAORUwithAI
ファンタジー
45歳、胃薬が手放せない大手総合商社営業部係長・佐藤悠真。
ある日、横断歩道で子供を助け、トラックに轢かれて死んでしまう。
目を覚ますと、目の前に現れたのは“おじさんっぽい神”。
「この世界を何とかしてほしい」と頼まれるが、悠真は「ただのサラリーマンに何ができる」と拒否。
しかし神は、「ならこの世界は三度目の滅びで終わりだな」と冷徹に突き放す。
結局、悠真は渋々承諾。
与えられたのは“現実知識”と“ワールドサーチ”――地球の知識すら検索できる探索魔法。
さらに肉体は20歳に若返り、滅びかけの異世界に送り込まれた。
衛生観念もなく、食糧も乏しく、二度の滅びで人々は絶望の淵にある。
だが、係長として培った経験と知識を武器に、悠真は人々をまとめ、再び世界を立て直そうと奮闘する。
――これは、“三度目の滅び”を阻止するために挑む、ひとりの中年係長の異世界再建記である。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる