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愛はmellow①(メロー)
しおりを挟む「サトル、ベロ出して」
智太は焦るみたいにゴムから引き抜いたペニスを小刻みにしごく。赤い顔をしたサトルは少し潤んだ瞳でソレを見上げて、言われた通り口を開いた。
『んべ、』と聞こえそうな素振りで赤い舌が伸ばされる。
智太がペニスの先端を舌の付け根の方へとあてがうと、これから出されるであろう液体を想像してサトルは一瞬だけひるんだ。
大きく口を開けたまま喉だけ締めると何とも言えない微かな音が響く。排水溝がゴロゴロッと液体を飲み込んだ後の余韻みたいな音。
あてがったペニスの先端がゆっくりこすりつけながら舌先へと移動していく
チューブから絞り出すみたいに智太はペニスを押しつけた。パパッと弾ける白濁が、赤い舌を汚すついでにサトルの鼻へと跳んだ。跳んだ液体をぬぐってやりながら智太は「ごめん」と小さく謝った。
サトルは精液で汚れたベロを自分の掌へと撫でつける。
「いいよ。」
*
*
*
最近の智太は舌へ射精するのにハマってるっぽい。毎回のように『ベロ出して』と言われ舌の上へと精液を広げる。
別にイヤでは無いんだけど、いつも切羽詰まってるっぽい気がしてほんの少しだけ心配になる。大抵はゴムを付けてくれてるから、中出しでも俺は良いんだけど。
「サトル~まーたコーヒー飲んでんの」
「違うカフェラテ」
「ああ、今日はカフェラテか」
楽屋でくつろいでたら堀川が寄ってきた。
「つーか俺がハマってんのは純喫茶のコーシーですからコンビニはカフェラテですよ」
「コーシー?俺にもひとくちちょーだい」
「カフェラテな」
容器の小さな穴からすするようにカフェラテを飲む堀川。ホットだけどもう冷め始めてるから火傷する事は無いだろう。
「う~ん。うまいねっ!」
「いやお前味わかんねーだろ」
「ははっ、バレたぁ?」
他愛の無い会話をしてたら智太がやってきてサトルの隣へ座った。
最近は極めて自然にサトルの側にやってくる智太だが自然だと思ってるのは本人だけで、他のメンバーは何とも言えない空気をそこはかとなく感じている。
それはサトルも同じ事で、今までならむしろ避けられていた時期すらあったのでソワソワする。
「智太も飲む?」
「んー。ちょーだい」
サトルを挟んで「智太くん、あんまり好きじゃ無いんじゃない?」と堀川が話しかける。
「うまーい」と心ここにあらずで言う智太へ「棒読み!」とサトルがつっこむ。カップはサトルへと戻されて、ほんの少し触れた手が嬉しくてサトルは口を結んだ。
ちいさな穴からすするとカフェラテの味が口内へ広がっていく。ふと智太の視線を感じて一瞬だけ目をやった。かちっと合った視線に照れてすぐ外し正面を見たら、ちょうど通り過ぎる瞬間のメンバーと目が合ってしまって今度は床へと視線を落とす。
智太の視線を感じながらの二口目、飲む直前に舌先で穴を探してる自分に気がついた。ザリ、とプラスチックに開いた小さな穴の感触。
ひゅっと吸って入ってくるなまぬるいミルクの匂い。急に智太の精子の味がした気がして、慌てて空気と一緒に飲み込んだ。不必要にゴクリと鳴った喉を、智太が聞いてる気がした。
「・・・、なんか、見られてると飲みづらいんですけど」
あははと笑う堀川と「帰りて~~~!」と唐突に四肢を投げ出す智太。
★
結局そのあと隙を見てふたりでトイレの個室へこもり。「こんなとこでやだよ」と断ったけど、欲求不満の目をした智太は構わずキスを始めた。
ハッキリ言ってムードも何も全然無くてちょっと萎えるけど、やっぱ最近の智太は切羽詰まってるのかもしれない、と思うとハッキリ断る気になれない。
ひんやりしたトイレの壁に押しつけられながらキスを受ける。「頭冷たい」って文句を言ったら後頭部に手を回されてキスが深くなる。他に誰も居ないけど、音を立てないように静かにキスを繰り返した。
同じグループで付き合ったからと言って、二人のプライベートでの逢瀬はそんなに頻繁では無かった。
一緒に居られる時間が増えて嬉しい事ばかりかと思いきやそんな事も無く。
むしろメンバーやマネージャーにまで気を使わなくてはいけない気がして智太は気が重い。サトルはと言えばあっけらかんと交際を楽しんでいる。
経験値なのか余裕なのか はたまた性格か、仕事とプライベートを上手く分けて楽しむ。そんな切り替えの上手いサトルの事が智太はほんの少しだけ疎ましい。
愛に溺れて少しくらい仕事に支障が出れば良いのに、なんて願ってしまう。サトルは何でも器用に結果を出してしまうから、ときどき失敗すればいいのに、と望んでしまうのだ。
キスがやんで至近距離で見つめる二人。智太の眼は欲求不満から面白く無さそうだ。
さすがに鈍感なサトルにもその気配は伝わる。好き合ってなきゃ付き合わない、楽しくなければ別れた方が良い。
基本的にまっすぐな性格のサトルからすれば、智太の愛はとても難しい。つまらなそうにされると『せっかく付き合ってるのに』と勿体なく思ってしまう。
「今日、行こうかな・・・」と智太へ伺いを立てると、「いーけど、イイの?」と聞かれた。
「良いよ。」
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