記憶喪失の俺が、ある日求婚されました。

いちの瀬

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確かに恋人が欲しいとは思ってたけど。

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さっきの出来事から少し経ち、
このイケメンは、
またしても親父のお人好しによって、
結果、
俺の部屋に通される事となった。

「好きなんです。本当に。
ルーカッんん、ルークさん。」

「なんで俺の名前知ってたんだ?」

いやぁ、それは…

イケメンが顔を赤らめながら、もじもじとする。あぁ!早く言えよ!イライラしてきた。

「昔から好きだったんです。兄様のことが。あっ!いや、で、その兄様にルークさんが似てるんです!!」

えっらい焦りようだな。
何隠してんだ?
 
「すいません。嘘つきました。
今から言うこと、全て真実なので、信じてください。」

「あぁ…うん。」

あまりにも目が真剣だったから、つい返事をしてしまった。

「俺、今の王の従兄弟なんです。」

ふーん。はぁ?

王の従兄弟!?

「ルークさんは俺の兄様です。セバスチャンに聞いたら、俺たちの事覚えてないって。だから、近付こうとしました。俺たちの事思い出して貰うために。俺、兄様の事、好きだったんです。て言うか、今も好きです。
だから、俺たちと一緒に、来てくれませんか。お願いします。一回でも良いから。」

現実味は無いけど、そいつの目があまりにも真剣すぎて、だんだん混乱して来た。

「うー?ん、いーけどよ。じゃあ、俺の事。俺何にもしらねぇし、とりあえず知ってること色々教えてくれ。」

そう言うと、そいつは一瞬キョトンとし、その後満面の笑みで、
「はい!」
と頷いた。 

変なのに見つかっちまった。
俺も王の従兄弟ってことだよな?
俺は理解が追いつかないまま、一旦思考を放棄して受け入れてみることにした。





「で、なんで求婚して来たんだ?あれも嘘か?」

と言うと焦った顔で首を横にブンブンと振る。

「む、昔から兄様のことが好きだったんです。ほんとは、付き合って貰うまで言うつもりはありませんでした。
でも!兄様に会ったら、嘘つけなくて。昔から兄様は嘘が嫌いだったから。嫌われると思って。」

「んー、まあ、よく分からないが、お前が好きな兄様ってやつ?が俺だとは思わないが、お試しくらいなら付き合ってやってもいい。」

だが!と俺はそいつに忠告した。

「俺は昔の記憶なんてひとつも持ってないぞ?お前の兄様とやらの記憶を俺と重ね合わせているんなら、後悔すんなよ。」

幸いこいつの顔は、俺好みだしな。
別に良いか。

その時の俺は、事態を随分甘く捉えていた事に、まだ気付かない。
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