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僕。
しおりを挟む「ルカ様、まずこの格好をどうにかしなくては。この格好のままでは、あまりに目立ち過ぎます」
確かにアビーの言う通りだ。
僕の服装は、僕が王宮にいた頃よりも派手で、すごく目立つ。
すごく。
アビーはアビーで、メイド服のままだから、逆に目立つ。
アビーのメイド服は、一瞬で上流階級の貴族に勤めているとわかるほど、質も、デザインもいい。
僕は、王宮にいた頃はこれといって贅沢をした覚えはない。
あったこともない使用人に嫌われるのも嫌だったけど、一番の理由は何も欲しくなかったからだ。
僕は昔から何も欲しがらなかった。
何もいらなかったから。
それなのに、母は僕のことを、なんでも欲しがるクズと呼んだ。
ウィルのことは、愛しい私の息子と呼んでいたくせに。
ウィルが憎かった。憎くて憎くて仕方なかった。
でも、そう考えてしまった日は、ひどく落ち込んだ。
ウィルの向けてくる笑顔が、お前は弟を憎むような最低な兄だ。と言っているようで、その日は1日、ウィルの笑顔を見るのが辛かった。
そんな兄なのに、ウィルはずっと慕っていてくれていた。
ウィルだけは、僕を僕として扱ってくれた。
それだけが、唯一僕の救いだった。
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